予習シリーズ社会解説 「5年上第4回 うつくゆく工業のすがた」

第4回では工業地帯や工業地域といった比較的おなじみの内容が登場します。この単元は「なぜなのか?」という部分は割と少なくて暗記中心の単元といえるでしょう。

まず、この単元で重要なことはグラフをつかった工業地帯や工業地域の区別です。

まず、出荷額についてです。とりあえず、中京工業地帯が出荷額1位は絶対に覚えましょう。そして、北九州工業地帯が最下位です。北九州工業地帯は福岡県単体での工業地帯のため、他の工業地帯と比べると金額的に不利になります。そのため、最近は北九州工業地域と格下げされることも多いです。
京浜・阪神・瀬戸内・関東内陸の2位争いは激戦です。阪神工業地帯京浜工業地帯という古くから栄えている工業地帯の地位低下は覚えておきたいところですが、順位はそれほど意識する必要はありません。なぜなら、年によって微妙に順位が入れ替わったりするからです。テストでは他で判別するポイントがあるので安心してください。

工業種類別では、中京工業地帯の機械工業(赤)と京葉工業地帯の化学工業(緑)の割合の高さが際立ちます。通常、このグラフは複数の工業地帯・地域のグラフがでてきて比較して判断するようになっていますが、この2つだけは単体でグラフが登場してどの工業地帯・地域か答えさせる問題が出てきます。
その他に瀬戸内工業地域の化学工業(緑)と北九州の食料品工業(オレンジ)の割合が割と高いのも覚えておきたいです。
これで、工業別生産額の割合で中京・京葉・瀬戸内・北九州の判別ができることになります。あと、阪神と京浜が並んだときの区別もできるようにしておきたいです。中京・阪神・京浜の三大工業地帯だけでグラフを問う問題が出題され、京浜と阪神を区別する必要があります。阪神工業地帯は金属工業が多く、機械工業がそれほどでもないことを覚えておきましょう。

工業都市に関しては、この回でなんとしても覚えるほどではありません。その後、地域別地理でもう一度学習するからですが、そもそも最近の入試では工業都市の出題はそれほどされません。保護者の方で中学受験をした方は一生懸命憶えたと思うので、子どもにもと思うかもしれませんが、その必要性は薄いです。要点チェックで登場している工業都市を覚えておけたらとりあえず十分です。


予習シリーズ社会解説 「4年上第4回 くらしやすい街」

2018年入試では、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号(サイン)であるピクトグラムに関する出題が多くみられました。多様性(ダイバーシティ)が求められる現代社会で、誰もが暮らしやすい街づくりを目指すことは必須課題と言えるでしょう。それは、多様性を認める社会づくりに関する問題が出題されるということでもあります。

まず、最初にバリアフリーユニバーサルデザインという言葉が出てきます。バリアフリーは人々が生活するうえで障害となるものを取り除くことをいい、具体的には点字ブロックやスロープの設置などがあります。ユニバーサルデザインは誰もが使いやすいようにつくられた物や設備を作ることを言います。似た内容のため、混同しやすく入試での出題も多いので注意が必要です。

ノンステップバス 予習シリーズではノンステップバスの説明が掲載されています。床が低くつくられているバスと説明されてピンとくる生徒はあまりいません。理解できないからではなく、ノンステップバスは子どもたちにとっては当たり前のものだからです。昔のバスは入り口に階段があったんだという話をすると少し驚きつつ理解をします。

インターネットコンピューターの話は子どもたちにとっては当たり前に感じているけど、実は最近になって便利になった話をします。電車に乗るとき、今は交通系電子マネーで一瞬で通過できるけど、昔は切符を買う必要があったという話です。さらに、その昔は自動改札がなくて切符を駅員にいちいち渡して切符を切ってもらっていた話をすると子どもたちは大抵驚きます。授業において、こういった驚きを提供することは重要なことです。

小学校の社会の授業で子どもたちはそれほど意識をして「憶える」ことをまだしていません。「憶える」作業を求められていないからです。しかし、この第4回は入試でも出題されるような子どもたちにとって聞きなれない語句がいくつか登場します。ある程度、意識して覚える作業を行わないとテストで対応できません。言葉に出して練習したり、書いて練習したり、問題を繰り返し解いて憶えているか確認したりする必要がある話をここでしておく必要がありますね。


中学入試プレイバック2018 「慶應義塾中等部」

 以前「あてはまるものを ”全て”選びなさい」は難易度を著しく上げる 」という記事で

(誤りを選ぶ問題で)全て当てはまる場合を考慮する。これだけで、難易度はかなり上がります。まず単純な確率論では、5択問題になるので正答率は2割になります。解き方の面で考えると、最初の問題と同じように考えようとしたとき、アかエの2択に絞れたものが、オも加えた3択で考える必要がでてきます。

ということを紹介しました。
実際の入試問題での出題例の1つが上の入試問題なのですが、問題としては非常に簡単で、裁判員制度は刑事裁判で行われるので、明らかに2が誤りです。

ただ、問題のつくりが気に入らないです。この選択肢は
「裁判員制度とは、国民が裁判員として刑事裁判に参加し、裁判官と一緒に被告人の有罪・無罪や刑罰の内容を決める制度です。」
という正しい文の刑事裁判を単純に民事裁判に変えて誤った文にしています。結果、文章の構成として
「裁判員制度→民事裁判…誤り」
「民事裁判→被告人の有罪・無罪を決める…誤り」
という二重に誤りのある文章になってしまっています。これでは何の知識を確認したいかが、ぼやけてしまいます。裁判員制度は刑事裁判で行われるという知識を確認したいなら
「裁判員制度とは、国民が裁判員として民事裁判に参加し、判決内容を裁判官とともに決定します」
といった風にすれば選択肢としてすっきりします。別にこの文でも受験生は簡単に誤りだと判別することができるでしょう。
これは、あくまで問題を作る側としての発言になってしまいますが、慶應義塾にはその名にふさわしい美しい問題を作ってほしいと思います。

答:2


入試に出る歴史上の人物 「後白河天皇」

発展
和歌を詠む人 1156年に天皇家や藤原氏の争いである保元の乱に勝利した天皇が後白河天皇です。

保元の乱に敗れた崇徳上皇は問題文に名前が出ることはありますが、入試で出題されることはほぼありません。最近、上位校で後白河天皇の名前が聞かれることが増えている気がします。

読み:ごしらかわてんのう
時代:12世紀後半(平安時代末期)


予習シリーズ社会解説 「6年上第3回 内閣と裁判所」

第3回で学習する単元は内閣と裁判所です。この時期には「現在の内閣総理大臣を漢字で書くこと」を1度は確認しますね。現在の内閣総理大臣は安倍晋三ですが、漢字で書くとなると意外と難しい。安倍という字は「安部」「阿部」「阿倍」といろいろありますし、歴史では阿倍仲麻呂という人物がいるので間違えやすいですね。現在の日本のリーダーは一般常識なので、今後もくどいほど繰り返し確認しておきます。生徒の答案をチェックしていてこれを間違えているとこちらのダメージが大きいです。ここで名字も出てこない生徒は大変まずい。明らかに、世の中の出来事への関心が不足しています。

説明すると感度の高い生徒が喜ぶのが、永田町と霞が関の説明です。永田町は国会議事堂がある場所の地名で、転じて国会そのものを指します。霞が関は各省庁が立ち並んでおり、行政つまり官僚機構を指します。ニュースを見ていると頻繁にでてくる言葉で、聞いたことがある生徒はそこそこいるのですが、意味は知らないことがほとんどです。ですので、説明させると新しい発見になるんですね。入試に出るわけではありませんが、こういうのは大事です。

省庁といえば、1府12省庁とよばれる行政機関があります。実は、これまでの学習で登場したことがある省庁もあります。
国土交通省→地形図を作成する国土地理院が所属
経済産業省→伝統的工芸品の認定
環境省→公害問題
です。この回で教えておきたい省庁は3つ。まず、総務省です。総務省は地方自治や選挙などを担当する役所で、字面をみて役割がわかりにくいので説明しておきます。あと、予算の作成を行う財務省、子どもたちにとって生活の場である学校教育を担当する文部科学省も説明します。文部科学省は化学と書く生徒がいるので一言触れておきます。

内閣が国会に対して連帯して責任を負うしくみである議院内閣制は漢字間違いが多い字の1つです。必ず、生徒が書いた字を一度チェックさせています。国会議、衆議と字の意味を踏まえて説明をしておきます。

裁判員裁判裁判所では、裁判員制度が最近のホットワードでしょうか。といっても、スタートしてから10年近くたち流行から遠ざかっているかもしれませんが、どういった裁判で裁判員制度が行われるか、どのように裁判に参加するのかが正誤問題で出題されやすいです。重大な刑事裁判の第1審に裁判員は参加します。つまり、裁判員が参加する裁判所は地方裁判所です。そして、裁判員は6人で裁判官3人とともに有罪無罪だけでなく、どれだけの罪に問うべきかということも判断します。中位クラス以上なら最初の段階で説明しておきたいことですね。

最後にでてくる三権分立の表は時間の関係上ここでは板書はほとんどしません。ただし、ものすごく重要です。予習シリーズでもここまで大きな表はないことからも、それがうかがえます。すべて覚えきる必要がある入試でも、最重要の図表です。


予習シリーズ社会解説 「5年上第3回 いろいろな工業」

入試問題のトレンドということでいえば若干出題頻度が落ちているのが、工業に関する単元です。理由はいくつかあると思うのですが、1つには現在の日本を工業国と単純にとらえることができないことです。食の問題や環境、資源・エネルギーと他のテーマが優先されているというのもいえるでしょう。とはいえ、予習シリーズでは3回に分けて学習する重要単元であることに変わりはありません。

自動車工業は現在でも日本の基幹産業です。この単元で登場する自動車関連のキーワードだけで「関連工場」「組立工場」「ジャストインタイム方式」「流れ作業」「ハイブリッドカー」「電気自動車」「燃料電池車」と数多くあります。特に、ハイブリッドカーはハイブリッと間違えやすいので注意が必要です。
おもな国の自動車生産台数のグラフは入試定番の1つですが、最近の入試では日本の自動車の国内生産・海外生産・輸出台数のグラフも頻出です。ただ、このグラフは冷静に考えると輸出が国内生産より多くなるはずがないので、海外生産量が増えているというだけのデータではあります。
自動車の生産工程である「プレス→溶接→塗装→組立」の順序を問う問題もおなじみです。この内容を説明するときは塗装をどのようにやるかということを話します。それを理解すると、組立をした後に塗装をしたら、タイヤや座席がペンキまみれになることがわかるんですよね。同様に、塗装の後に溶接をしたらペンキが剥げます。仕組みを理解することで単純暗記にならない工夫が必要です。

予習シリーズでは「臨海部に位置する製鉄所と石油化学コンビナート」という地図があり、これらが原油など資源の輸入に便利な臨海部に発達してきたことが説明されています。なぜ、臨海部に発達したかを問う記述問題は定番の1つですね。
入試レベルでいうと、製鉄所と石油化学コンビナートの分布の判別が必要になります。川崎市(神奈川県)や倉敷市(岡山県)など鉄鋼業・石油化学工業両方が盛んな都市があるように、この2つの工業がさかんな都市の分布は似ています。似ているからこそ、入試で狙われます。知識として使いやすいのは、四日市市(三重県)、市(大阪府)の石油化学工業でしょう。この2つの都市は入試で他に出題される事項があり、同じ都道府県に大きな鉄工場がないため判別に役立ちます。


予習シリーズ社会解説 「4年上第3回 ものを売る仕事」

スーパーやコンビニで買い物をしたことがない生徒はいません。その意味では、生徒たちにとって身近な単元といえるでしょう。ただ、漠然と子どもに接しているか、「なぜ?どうして?」という関心を普段からご家庭で高めることができているか、そういった家庭での教育力がダイレクトに出る単元といえるでしょう。食事

授業で心掛けているのは日常の何気ない風景に意味があることを生徒に認識させることです。例えば、「スーパーでレジのすぐ横においてある商品は何だと思う?」という質問をします。正解はいくつかあるのですが「ガムや電池といった小さいもの」がその1つです。そこで、そういうのがおいてあるのはなんでだろうと聞きます。答える内容はわりとどっちでもよくて、大切なのはなんでだろうと考えることです。一応こちらで想定している正解は「なんとなくさっと買いやすいものや、ふっと買い忘れに気が付きやすいもの」ですが、それ以外の答えでも全然かまいません。

集団授業をしていると、こういうときに積極的に発言する生徒、発言はしないけど考えてはいる生徒、何も考えていない生徒と3パターンに分かれます。ちなみに、「こいつ賢いな」と思わせるのは何でもかんでも発言するのではなくて、他の生徒が答えられなさそうなときに満を持して発言をするタイプの生徒ですね。

それほど覚えることが多い単元ではありませんが、地産地消といった言葉は入試でも出題されるホットワードです。今の時代、多くの野菜が一年中食べることができます。子どもたちにとって、それは当たり前のことですが本来は当たり前のことではありません。地産地消とは地元でとれた野菜などを地元の店で売り地元の人が食べることですが、そうすることにとって新鮮なうちに輸送コストもかからず消費することができます。過度な地産地消はデメリットもありますが、さすがにそこまでは話しません。

入試に出るというとじゃあ覚えておかないととなるわけですが、受験までずっと覚え続けていないといけないわけではありません。小4でだけ習った語句を小6まで覚え続ているのは困難です。大事なのは、後になって復習したときに、そういえば昔やったなというとっかかりです。


中学入試プレイバック2018 「フェリス女学院中学」

問題としては別に大した問題ではなく、むしろ正解しないと大きなビハインドを背負う基本問題です。

茶の生産といえば静岡県です。静岡県の牧ノ原(市の名前は牧之原市)で茶の栽培がさかんというのは基本中の基本。牧ノ原で茶の栽培が始まったのは明治時代。江戸幕府の家臣が中心となって開拓を行ったのが、そのきっかけです。

鹿児島県は温暖な気候を生かして、新茶を4月ごろに出荷することできます。また、作業の機械化が進んでおり、静岡県が16,300haで31,800tを生産しているのに対し、鹿児島県は8,020haで22,700t(ともに平成27年)を生産しており、効率化が図られていることがわかります。公益社団法人鹿児島県茶業会議所のサイトのデータを見れば分かるように、かつては数パーセントしかなかったシェアが現在では3割近くに伸びていることが分かります。近い将来、茶の絶対王者・静岡県をとらえる日が来るのかもしれません。

答:ア


中学入試プレイバック2018 「駒場東邦中学」

歴史の学習でどの程度年号を覚えるべきかというのはいくつか意見があります。実のところ、年号を答える問題は入試問題で出題されて1問です。ですので、並び替え問題を正確にするために覚えておくべきという意見もあれば、最低限覚えておいて流れで把握すればよいという意見もあります。私自身は後者です。中学入試の問題では年号そのものを問うというより、年号をヒントに答える問題のほうが主流ですね。

そんななかでも、確実に覚えておきたい年号の1つが1904年日露戦争です。1894年日清戦争→1904年日露戦争→1914年第一次世界大戦という10年おきの戦争三連発は年号を理解するうえで定番の1つといえるでしょう。

1905年といえば、日露戦争の講和条約であるポーツマス条約を調印した年です。日露戦争では多くの戦死者を出し、多額の費用がかかったという知識は基本なので、そのための専売と判断できればそれほど難しい問題ではありません。

むしろ、塩の専売が1997年まで続いていたことに驚きます。公益財団法人塩事業センターのウェブサイト「塩百科」が詳しいですが、それだけ塩の安定供給は生活のために必要だったということです。

答:日露戦争を続けるのに必要な資金を確保するため。


入試に出る歴史上の人物 「ワシントン」

重要
1775年から起きたアメリカ独立戦争の指導者の1人であり、アメリカ初代大統領がワシントンです。
ワシントン

ちなみに、独立戦争のころに日本で老中として活躍した人物が田沼意次です。日本と世界の同時代史を問う問題の定番です。

時代:18世紀