予習シリーズ社会解説 「5年下第16回 大正時代」

大正という元号は1912年から1926年の15年間使われました。他の時代と比較すると短い期間ということもあり、ここ数回と比べると楽な単元です。

さて、大正時代といえば第一次世界大戦です。中学校の教科書では三国協商・三国同盟という名称がでてきますが、予習シリーズでは出てきていません。一言でいえば、日本の歴史が中心だからです。そのため、日本が日英同盟を理由にイギリス側で参戦したことと、中華民国(清から変わったことを説明しないといけません)に二十一か条の要求をつきつけたことのほうが重要視されます。

予習シリーズでは別単元になっていますが、大戦景気についてはこのタイミングで説明します。大戦中の内容はこのタイミングで話したほうがわかりやすく、テキスト通りの順番で必ず説明する必要はないです。

1917年におきたロシア革命によりソビエト社会主義共和国連邦が成立します。この単元では正式名称を覚えておく必要があります。まぁ、板書すると確実に生徒がげんなりしますね。ただ、感度のいい子は「ソ連」という聞いたことのある言葉が略称だったんだと気づいて面白そうにします。この単元は、時間があるので社会主義・共和国・連邦という言葉の意味を簡単に教えます。
社会主義…土地などを国で共有する⇔資本主義
共和国…君主がいない
連邦…国が集まってできている国
そうしたほうが長い国名を意味付けして覚えやすいですからね。
そして、シベリア出兵は米騒動のきっかけになり原敬が初の本格的政党内閣をつくったというつながりがあります。「ロシア革命→シベリア出兵→米騒動→原敬」は並び替え問題の定番です。ただ、原敬は大正デモクラシーで説明したほうがいいので、後回しですね。ちなみに、上位クラスであれば原敬が所属していた立憲政友会まで覚えたいです。

1919年ベルサイユ条約は語呂合わせで覚えやすい年号です。ベルサイユ条約の内容はそこまで深堀しなくても大丈夫です。国際連盟の成立はしっかりやっておきたいです。アメリカが不参加だったことと、本部がスイスのジュネーブ、事務次長を務めた新渡戸稲造がポイントです。新渡戸稲造は前の5,000円札の肖像画に使われていた人物ということで思ったよりも出題されます。
三・一独立運動と五・四運動は朝鮮・中国どちらで起きたかが、ごっちゃになりやすいので注意が必要です。朝鮮は日本の植民地だったので独立がつくというのが分け方です。柳寛順は女子中でたまに見かけますが、ここで触れる必要はないでしょう。

大正デモクラシー護憲運動も意外と混同しやすいです。憲法に基づいた政治(立憲政治)を求める動きが護憲運動で、女性運動や社会運動なども含んだ民主主義の実現を求める風潮が大正デモクラシーです。
1925年の普通選挙法治安維持法はセットで問題にされることも多い重要内容です。何度も言っていることですが、重要な出来事が2つある年号はそれだけで出題頻度があがります。当時の内閣総理大臣である加藤高明もそこそこ出題されます。

水平社宣言と雑誌「青鞜」の冒頭の部分は史料問題での出題がとても多いです。意外と、水平社宣言(1922年)と関東大震災(1923年)が並び替え問題で出題されるので、上位クラスでは触れておきたいですね。

明治時代もそうですが、大正時代の文化の出題はそれほど多くありません。地下鉄・バス・ラジオでほぼ大丈夫です。


予習シリーズ社会解説 「4年下第16回 作物をたくさんつくるには?」

米・野菜・くだもの・畜産と一通りの農業の学習を終え、この単元からは農業における工夫と今後の農業のあり方がテーマになっています。

この単元は最初の2ページに覚えるべき内容が集中しています。まとめるとこうなります。

<開拓>
根釧台地(北海道)…酪農
野辺山原(長野県)…高冷地農業
<干拓>
有明海(九州)、児島湾(岡山県)、八郎潟→大潟村(秋田県)
<暗きょ排水で湿田を乾田にする>
信濃川下流…越後平野
<客土>
石狩平野
<用水>
安積疏水…猪苗代湖→郡山盆地
愛知用水…木曽川→知多半島
明治用水…矢作川→岡崎平野
豊川用水…天竜川→豊川→渥美半島
香川用水…吉野川→讃岐平野

はっきりいって、月単位のテストで点数を取るということでいえば上の内容を覚えるだけでほぼ完了です。量も十分あります。ただ、それだけでは先々の学習につながりません。理屈もいろいろ知っておきたいところです。

まず、干拓です。荒れ地を切り開く開拓に比べ、干拓は子どもたちにはピンときません。堤防をつくった上で海の水を干しあげて土地をつくりだす干拓は日本各地で行われました。干拓の「干」は干すという漢字であることは着目させたいです。

耕地整理、湿田を暗きょ排水などの工夫で乾田へと変える工夫の共通点は、機械を使って農業がしやすくなることです。ここは、将来的に記述で狙われるポイントなので知っておきたいですね。

用水に関しては、愛知県に注目したいです。工業生産1位の愛知県は入試でも最も出題される都道府県の1つです。将来的には知多半島・渥美半島だけを見て愛知県とわかるようにしたいですね。

生産を高める工夫については、太字が一気に少なくなったので一見重要度が低そうに見えます。しかし、品種改良で寒さに強い作物を作ってきたこと、大型の農業機械を使うことで農業にかかる時間が減ったが、機械を買うお金が負担になっていることなど理解すべきポイントは数々あります。
上位クラスでは「最近は、暑さに強い作物をつくる品種改良が行われているんだよ」なんていうアプローチをしたいですね。当然、地球温暖化対策です。

学習を深めるページにある循環型農業も注目しておきたいです。「循環」というのは現在の社会のテーマの1つです。
個人的には工場で野菜を栽培する話に注目しています。室内で育てる=害虫駆除のための農薬がいらないという話は子どもたちも食いつきやすいエピソードだと思います。


授業延長はしない主義!

タイトルの通りですが、私は授業延長はしない主義です。理由はいくつかあります。

1.延長する先生は好かれない
子どもたちにとって、やはり授業は早く終わってほしいものです。授業終了時間がすぎても、平然と授業を続ける先生には「早く終わってよ!」と思うのも致し方ありません。子どもたちに時間を守れといっている先生が延長ばかりでは説得力に欠けます。

2.延長してもどうせ子どもたちは上の空
授業延長をして「いやぁ、子どもたちのために一生懸命授業したなぁ」という空気を出す講師がたまにいます。それをみるたびに、「どうせ最後のほうは時計ばかり見ていて上の空でしょ」と突っ込みたくてしょうがありません。算数・数学では最後の1問の解説で子どもたちの理解度が思いのほか低くて長引くことはありますが(これは一定仕方ないと思います)、残りの時間で演習→解説ができなさそうなら最初からやらない覚悟が必要です。

3.すぐに子どもたちを送り出せる体制を整えたい
かつて、校責任者をしていた時、授業終了後に電話や用事が入って手が取られることがよくありました。その時、他の一般職員が生徒の送り出しをせずのんびりやっていたとき、すごくイラっとしたんです。今、私は授業単位で契約する非常勤講師です。校責任者の気持ちに立って誰よりも先に生徒を誘導するようにしたいと常に思っています。まぁ、半分自分の立場を守るためのアピールですが。

このように授業延長をしていないのを定着させていて子どもたちもそれを把握している状態で、授業後半に生徒が「あと、何分?」とかをこっちに聞いてくるとムカッとしますね。「授業が終わったときに授業時間は終了する」と突き放して答えます。

ちなみに、授業延長しないように授業を進めるための重要なポイントは2つです。まず、授業が半分ぐらい経った時に、時間内に終わりそうか測ることです。もう1つは、残り時間があまりないにもかかわらず新しいことをやろうとしないことです。2つ目が意外とわかっていない先生が多いですね。

時間通りに授業を終えるのがスマートな塾講師です。


たまねぎの収穫量の多い市町村ベスト20

今回はたまねぎの収穫量が多い市町村ベスト20です。都道府県別でみると北海道が全体の4分の3をしめる作物です。寒さに強く、年間を通して収穫できるうえ長持ちするため、旬とよばれる季節は特にありません。

たまねぎの収穫量の多い市町村(2016年)

順位 都道府県 市町村 収穫量(t)
1 北海道 北見市 246,800
2 北海道 訓子府町 100,700
3 北海道 富良野市 83,500
4 兵庫県 南あわじ市 73,500
5 北海道 美幌町 60,400
6 北海道 岩見沢市 49,000
7 北海道 中富良野町 46,800
8 佐賀県 白石町 45,300
9 北海道 湧別町 37,400
10 北海道 津別町 26,100
11 北海道 大空町 19,900
12 北海道 栗山町 15,100
13 佐賀県 唐津市 14,400
14 北海道 札幌市 14,100
15 北海道 置戸町 13,800
16 北海道 長沼町 13,100
17 愛知県 碧南市 11,400
18 長崎県 南島原市 9,600
19 静岡県 浜松市 9,550
20 北海道 士別市 8,540

見ての通りの北海道王国です。1位の北見市はてんさいの収穫量が1位の市町村でもあります。注目すべきは4位南あわじ市です。兵庫県の淡路島ではたまねぎの近郊農業が盛んというのは覚えておきたいポイントです。



主要輸入品目の輸入先プリント

今回は日本の主要貿易品目と輸入相手先を答える問題プリントを公開します。

主要輸入品目の輸入先1
主要輸入品目の輸入先2

プリント1が輸入相手国から品目を選ぶ問題、プリント2が逆に品目から国名を選ぶ問題になっています。

国内農産物に比べると意外と輸入相手先は変動があるので少し解説をします。
石炭・鉄鉱石・液化天然ガスはオーストラリアから最も輸入しています。この中で、液化天然ガスは2011年の福島第一原発事故以降、輸入が増えました。しばらくの間、順位の変動が割合あったのですが、ここ数年オーストラリア1位で固定されつつあります。2位をしっかりと覚えておく必要があります。

野菜・小麦・大豆・くだものは食料自給率の問題でも登場するため、出題頻度が高くなっています。果物2位のフィリピンはたまに出題されるので知っておきたいです。

衣類1位は中国ですが、近年ベトナムからの輸入が増えています。国籍別の在留外国人でもベトナムは5位で増加傾向にあるため、今後出題が増えると予想します。



主要農産物の生産が多い都道府県プリント

今回は、入試に向けての確認として主要な農産物の生産が多い都道府県をまとめた問題プリントを公開します。

国内農作物の生産地1
穀物・いも類とくだもの類をまとめたプリントです。作物を記号選択で選ぶ問題形式になっています。

国内農作物の生産地2
畜産と野菜をまとめたプリントです。こちらも作物を記号選択で選ぶ問題形式になっています。

国内農作物の生産地3
プリント1と同じ内容ですが、出題がグラフ内の都道府県を答える問題になっています。

国内農作物の生産地4
プリント3と同様に、畜産・野菜に関するの生産が多い都道府県を答える問題です。

 


予習シリーズ社会解説 「5年下第14回 明治時代(2)」

この回では、不平等条約の改正、日清・日露戦争、明治時代の産業・医学・文学の発達と3つの単元を学習します。

単元の冒頭に鹿鳴館の様子を描いた絵があります。この絵なんとなく違和感があるんですよね。その違和感の正体は浮世絵顔と洋装のアンバランスさです。この絵は、錦絵つまり浮世絵なんです。だから、浮世絵風の顔が書かれているのも当然なのですが、急速に西洋の文化を取り入れようとしている奇妙さも映し出している気がします。

明治初期の外交については、岩倉使節団と征韓論です。まず、岩倉使節団は派遣されたメンバーですね。岩倉・伊藤・木戸・大久保とほぼ明治維新のオールスターがそろっています。ちなみに、有名な写真で唯一名前が付けられてない人物は山口尚芳(ますか)といいます。
前回の授業で唐突に西郷隆盛が政府を辞めて西南戦争を起こした形になっていますが、西郷が政府を辞めた理由の1つが征韓論が受け入れられなかったことです。にもかかわらず、わずか2年後に朝鮮を武力で開国させているのは、「なんでやねん」という感じですね。

明治時代の政治・外交のテーマは不平等条約の改正でした。
1894年 陸奥宗光がイギリスとの間で領事裁判権(治外法権)の廃止を実現。
1911年 小村寿太郎がアメリカとの間で関税自主権の回復に成功。
は全て覚える必要があります。領事裁判権の廃止が1894年で日清戦争の直前に行われたというのは並べ替え問題のミソです。領事裁判権の廃止→甲午農民戦争→日清戦争という並べ替えが成立するからです。

さて、日清戦争ですがその前の甲午農民戦争も大事です。いってしまうと、日清戦争は基本すぎて入試では聞けないんですよ。きっかけとなった出来事も覚えたいです。ここで、下関条約ですが、まず子どもたちに戦争と条約はセットで覚えることを言う必要があります。私は戦争は国同士のけんかで条約で仲直りするんだけど勝ったほうがいろいろ条件を付けるという説明をします。下関条約でリアオトン半島、台湾、賠償金と多くのものを手に入れましたが「清は、朝鮮が独立国であることを認める」という内容もきちんと触れておきたいです。
リアオトン半島はロシア・フランス・ドイツの3国がリアオトンの返還を要求したという出来事ですが、テストで三国を答える問題はよく出ますね。受験近くなると口頭で子どもたちが覚えているかチェックするんですが、この質問で「イギリス」と安易に答える生徒は要注意ですね。なにしろ、イギリスは領事裁判権の廃止を最初にした国で、さらに同盟の相手として登場しますからね。この時期、ロシアの南下を抑えたい日本とイギリスの関係性が分かって入れば、三国干渉の三国にイギリスは絶対入らないです。

日露戦争といえば、与謝野晶子です。与謝野晶子の「ああ をとうとよ君を泣く~」は史料の定番です。この歌を戦争に反対する歌と紹介されることが多いですが、与謝野晶子自身は戦争を賛美する歌も残しており、反戦家というわけではありません。キリスト教徒で戦争に反対した内村鑑三、社会主義の立場から反対した幸徳秋水も触れたいところですが、時間の関係で厳しいですね。
ポーツマス条約については賠償金がなかったというのが最重要ポイントです。そもそも、アメリカに仲介を頼んだ時点で日本が純粋に勝利した戦争ではないのがポイントですね。

1895年 台湾
1905年 南樺太
1910年 朝鮮半島
と植民地を増やしていったことを地図で答えさせる問題もよくでます。韓国併合に関してはこの回ではさらっとしかやらないです。というよりもやる時間がない。予習シリーズでは伊藤博文を暗殺した安重根を太字にしていますが、韓国にとっては英雄でも日本にとってはそうではないのでその必要があるのかと思います。ただ、入試には出るんですよね、安重根。

明治時代の産業の発達については、予習シリーズに載っている明治時代の貿易の推移が全てです。1882年に綿糸を輸入していた日本が、1897年には原料である綿花を輸入し、綿糸を輸出するようになっているんです。つまり、ここで日本の加工貿易が成立し始めた分岐点なんですね。このことにはぜひ触れておきたいです。
下関条約で得た賠償金でつくられたものの1つに八幡製鉄所があります。八幡製鉄所は地理の北九州工業地帯で登場してます。足尾鉱毒事件もそうですが、子どもたちは地理の知識と歴史の知識がつながるとけっこう喜びますね。こういう喜びは大事にするようにしています。


入試に出る歴史上の人物 「ロック」

重要
「市民政府二論(統治二論)」の著者として知られ、1688年におきた名誉革命を理論的に支えたイギリスの思想家がロックです。人間は生まれながらに生命・自由を守る権利があるとした彼の考えは独立宣言や人権宣言にも大きな影響を与えました。

歴史以上に公民で出題される人物です。ロック・ルソー・モンテスキューの3人をセットで説明するのが定番ですね。

時代:17世紀末(日本では江戸時代前期)


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