中学入試プレイバック2018 「筑波大学附属駒場中学」


グローバル化が進み、多文化共生が求められる時代になり、中学入試ではイスラム教関連の出題が多くなりました。この問題のポイントは正しいものを2つ選ぶ必要があることです。当然、2つ合っていて正解(完答)なので、正答率は下がります。単純計算だと、5つから1つ選ぶ問題ならば正答率は最低20%ですが、2つ選ぶ問題にすると10%まで下がります。

こういう問題では、正しいものや誤っているものを、まずわかる範囲で答えることです。最初にイを外します。イスラム教の聖地メッカはサウジアラビアです。
そして、エも外したい。実は、この入試問題にはリード文でこのように書かれています。

イスラム教では偶像崇拝が禁じられており、神や預言者の像を描くこと自体を認めていないのです。

この一文に気が付いていたら、アッラーの聖像などというものがあるはずがないと気が付けます。小学生の段階で偶像崇拝を知識として知っているのは難しいので、リード文にヒントを入れるのはうまい方法です。

ウのイスラム教は断食月(ラマダーン)があることは知識として知っておいてほしいです。
これで、ウは正解、残りはアかオです。過去問題を演習している段階なら、ここまでできていればまずOKだと生徒には言うんですよ。確率10%だったものを、知識と判断で50%まで引き上げたわけです。学力をつけるというのは、こういった丁寧な思考の積み重ねです。ただ、入試本番では正解しなければゼロです。なんとか、アかオを絞り込みたい。

イスラム教関連の知識として生徒に教えることの1つに「世界で一番イスラム教信者の多い国はインドネシア」というのがあります。インドネシアは東南アジアの大国で日本からみると石炭の輸入相手国2位ですので、なじみのある国です。この知識があると、オの「特定の民族」という表現がおかしいと気が付けるはずです。中東から東南アジアまでを特定の民族とは言わないですよね。
もしくは、サウジアラビアの国旗に描かれている文字がアラビア語で書かれたコーランの一節という直接的な知識で答えを持ってきてもいいでしょう。授業内で生徒たちでアが誤りと判断した場合、「アラビア語でなければ何語なの?」と確認をして、分からない以上安易に誤りと判断しないほうがいいねと説明します。

答え:ア・ウ