中学入試プレイバック2017 「筑波大学附属駒場中」

問 NIMBY(ニンビー)問題ということばがあります。これはゴミ処分場などの建設が決まった地域で「(必要なのはわかるが)わが家の裏には来ないでくれ」という反応を引き起こす社会問題です。これに関連してのべた文として正しくないものを、つぎのア~オから二つ選び、その記号を書きなさい。

ア 日本では、これまでに原子力発電所や在日米軍基地などの施設が問題になってきた。
イ ごみの処分場建設の場合、自然環境への悪影響や衛生環境の悪化が問題になる。
ウ 施設によって利益を受ける人々と被害を受ける人々が異なる場合、問題は起こりにくい。
エ 大都市圏と、地方、政府と地方自治体の対立に発展している場合がある。
オ 施設の受け入れをめぐって住民投票を行う場合、衆議院議員選挙の投票権をもつ全国の有権者が投票する。
(2017年筑波大学附属中)

意見対立NIMBYとは”Not In My Back Yard”の頭文字をとったことばで、重要な施設であることは誰もが認めるが、自分の生活圏には建ててほしくないと誰もが考えてしまう態度を表します。

これは私見ですが、社会科の入試問題にはその学校の社会(社会科ではなく「社会」です)に対する姿勢が表れると思っています。受験生は当然過去問題を含めて数年分の過去問題を演習するので、その年数分の問題を読むわけです。問題にはリード文といって、問題を紐づけするための文章がついていることが多いです。そのリード文をただ読むだけではなく、そこから何かを感じ学んでほしい。そのことがわかる生徒に自分の学校に来てほしいという問題作成者の想いです。筑波大学附属駒場中(筑駒)の問題は特にそれを強く感じますね。

利益を受ける人と被害を受ける人が同じであれば、その人たちの話し合いで解決できます。しかし、この場合利益を受ける人はその地域だけではなくその周辺に住む人、下手をしたら日本全体という非常に大きな規模になります。対して、その施設で迷惑をこうむるのは地元の人々です。その地域にとってはいい迷惑で叱りません。地元の意見を大切にすることだけ考えてしまうと、いつまでたっても必要な施設を建てることができなくなってしまいます。しかし、だからといって「必要なんだから我慢しろ」というのではいけません。必要なのは「相手の立場に立って考える想像力」なんだと思います。だれもが満足する結論を出すことは難しくても、それに向けて努力することが大切です。

地方公共団体で条例をつくって住民投票を行う場合、投票権を独自に定めることができるのでオは誤りです。過去には市町村合併の住民投票において、中学生に投票権を与えた例があり、過去にもこの知識を聞く問題が出題されたことがあります。難しめの定番質問といえるでしょう。

答 ウ・オ

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