予習シリーズ社会解説 「6年上第1回 日本国憲法の三大原則」

予習シリーズでは6年生に入ると公民単元からスタートします。歴史ではウキウキで授業を受けていた男子生徒が公民になって内容の難しさに苦戦するのは毎年の定番です。

ただし、中学入試という点でいうと公民は点数のとりどころといえます。なぜかというと、公民単元は難しい問題がつくりにくく基本的な内容が出題されるからです。地理・歴史であれば、単元を横断して問題を作成することができますし、それが当たり前です。地理では日本各地の産業や気候など地理全般から出題されますし、歴史なら古代・中世・近代にまたがる問題が出題されたりします。それに比べると、公民は日本国憲法や三権分立など問題のバリエーションは限られます。それだけ、取りこぼしが許されないとも言えます。

日本国憲法については、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義の三大原則はもちろんですが、公布日が1946年11月3日で、施行日が1947年5月3日というのも重要です。それぞれ、文化の日憲法記念日になっていることは必ず触れます。小学生の学習指導要領社会6年生には

「政治の働きと国民生活との関係を具体的に指導する際には,各々の国民の祝日に関心をもち,その意義を考えさせるよう配慮すること。」

とあります。祝日の中で最も出題されるのがこの2つです。

日本国憲法2019年に現在の天皇が退位され、新しい天皇が即位されます。当然、これに関連して天皇に関する出題は増加することが予想されます。その中でも、天皇の国事行為は狙われやすい内容です。予習シリーズ第1回では天皇の国事行為が列記されていますが、第1回では細部には振れないようにしています。第2・3回の国会や内閣の話を踏まえたうえで話をしたほうがスムーズだからです。

第1回の最大のポイントは何といっても平和主義でしょう。

1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

太字にしたところが入試で出題される可能性がある部分です。生徒から、戦争と武力はどう違うのかを聞かれることがあるので、その時は「武力の行使というのは実際に戦わなくても軍隊の力を使って相手の国に言うことをきかせることや、満州事変のように戦争ではないけど軍隊を動かすことがあるからそれを含むんだよ」という話をします。ちなみに、この違いを聞ける生徒は授業に対して能動的な生徒で好ましい行動です。
ここで必ず伝えるのが憲法の条文が出題されるとき別解はなく、ほぼ漢字指定ということです。6年生ともなると、いよいよ教科書で漢字で書かれているものは漢字で答える姿勢が求められます。

基本的人権はもちろん覚えなくてはいけない内容ですが、高校受験と比べると意外と出題頻度が少ない印象です。自由権や平等権の話をするときに、よく使うのが江戸時代との比較です。江戸時代は幕府の批判をしたら処罰されます(表現の自由)し、キリスト教は禁止されていました(信教の自由)。武士にのみ苗字帯刀が許されていた(法の下の平等)ことを比較させると割と生徒たちは納得しますね。

公民全体にいえることですが、どうしても用語が難しくなりがちなので漢字から意味を伝えたり、具体例を出して理解をさせることが必要ですね。