予習シリーズ社会解説 「5年下第14回 明治時代(2)」

この回では、不平等条約の改正、日清・日露戦争、明治時代の産業・医学・文学の発達と3つの単元を学習します。

単元の冒頭に鹿鳴館の様子を描いた絵があります。この絵なんとなく違和感があるんですよね。その違和感の正体は浮世絵顔と洋装のアンバランスさです。この絵は、錦絵つまり浮世絵なんです。だから、浮世絵風の顔が書かれているのも当然なのですが、急速に西洋の文化を取り入れようとしている奇妙さも映し出している気がします。

明治初期の外交については、岩倉使節団と征韓論です。まず、岩倉使節団は派遣されたメンバーですね。岩倉・伊藤・木戸・大久保とほぼ明治維新のオールスターがそろっています。ちなみに、有名な写真で唯一名前が付けられてない人物は山口尚芳(ますか)といいます。
前回の授業で唐突に西郷隆盛が政府を辞めて西南戦争を起こした形になっていますが、西郷が政府を辞めた理由の1つが征韓論が受け入れられなかったことです。にもかかわらず、わずか2年後に朝鮮を武力で開国させているのは、「なんでやねん」という感じですね。

明治時代の政治・外交のテーマは不平等条約の改正でした。
1894年 陸奥宗光がイギリスとの間で領事裁判権(治外法権)の廃止を実現。
1911年 小村寿太郎がアメリカとの間で関税自主権の回復に成功。
は全て覚える必要があります。領事裁判権の廃止が1894年で日清戦争の直前に行われたというのは並べ替え問題のミソです。領事裁判権の廃止→甲午農民戦争→日清戦争という並べ替えが成立するからです。

さて、日清戦争ですがその前の甲午農民戦争も大事です。いってしまうと、日清戦争は基本すぎて入試では聞けないんですよ。きっかけとなった出来事も覚えたいです。ここで、下関条約ですが、まず子どもたちに戦争と条約はセットで覚えることを言う必要があります。私は戦争は国同士のけんかで条約で仲直りするんだけど勝ったほうがいろいろ条件を付けるという説明をします。下関条約でリアオトン半島、台湾、賠償金と多くのものを手に入れましたが「清は、朝鮮が独立国であることを認める」という内容もきちんと触れておきたいです。
リアオトン半島はロシア・フランス・ドイツの3国がリアオトンの返還を要求したという出来事ですが、テストで三国を答える問題はよく出ますね。受験近くなると口頭で子どもたちが覚えているかチェックするんですが、この質問で「イギリス」と安易に答える生徒は要注意ですね。なにしろ、イギリスは領事裁判権の廃止を最初にした国で、さらに同盟の相手として登場しますからね。この時期、ロシアの南下を抑えたい日本とイギリスの関係性が分かって入れば、三国干渉の三国にイギリスは絶対入らないです。

日露戦争といえば、与謝野晶子です。与謝野晶子の「ああ をとうとよ君を泣く~」は史料の定番です。この歌を戦争に反対する歌と紹介されることが多いですが、与謝野晶子自身は戦争を賛美する歌も残しており、反戦家というわけではありません。キリスト教徒で戦争に反対した内村鑑三、社会主義の立場から反対した幸徳秋水も触れたいところですが、時間の関係で厳しいですね。
ポーツマス条約については賠償金がなかったというのが最重要ポイントです。そもそも、アメリカに仲介を頼んだ時点で日本が純粋に勝利した戦争ではないのがポイントですね。

1895年 台湾
1905年 南樺太
1910年 朝鮮半島
と植民地を増やしていったことを地図で答えさせる問題もよくでます。韓国併合に関してはこの回ではさらっとしかやらないです。というよりもやる時間がない。予習シリーズでは伊藤博文を暗殺した安重根を太字にしていますが、韓国にとっては英雄でも日本にとってはそうではないのでその必要があるのかと思います。ただ、入試には出るんですよね、安重根。

明治時代の産業の発達については、予習シリーズに載っている明治時代の貿易の推移が全てです。1882年に綿糸を輸入していた日本が、1897年には原料である綿花を輸入し、綿糸を輸出するようになっているんです。つまり、ここで日本の加工貿易が成立し始めた分岐点なんですね。このことにはぜひ触れておきたいです。
下関条約で得た賠償金でつくられたものの1つに八幡製鉄所があります。八幡製鉄所は地理の北九州工業地帯で登場してます。足尾鉱毒事件もそうですが、子どもたちは地理の知識と歴史の知識がつながるとけっこう喜びますね。こういう喜びは大事にするようにしています。