入試に出るサッカーワールドカップ2018出場国(前編)

サッカーワールドカップもいよいよ決勝トーナメントです。入試ではワールドカップをリード文に問題を作成することが割とよくあります。もちろん、サッカーそのものを題材にするのではなく、あくまで問題をつくるときのマクラとして使用するということです。
今回は2回に分けて予選グループごとに出場国の入試で出題されるポイントを紹介します。

A組

まず、開催国ロシアから。いうまでもなく面積が世界最大の国です。人口も1億人以上あり、上位に入ります。首都はモスクワで現在の大統領はプーチン氏です。地形ではアジアとヨーロッパの境界にあたるウラル山脈があり、古期造山帯の代表格として意外と出題されます。現在のロシアは産油国として知られ、BRICSの1つです。
歴史的な日本のつながりは江戸時代後期に根室に来航し通商を求めたラクスマンに始まります。明治初期には、樺太千島交換条約を結び領土を確定させました。明治後半に朝鮮半島をめぐり対立し、日本に三国干渉を行いました。1904年に日露戦争が行われ、翌年ポーツマス条約を結びました。第1次世界大戦中の1917年にレーニンの指導の下、ロシア革命がおき世界初の社会主義国であるソビエト社会主義共和国連邦が成立します。日本は社会主義の伸張を抑えるべくシベリア出兵を行いました。計画経済をとっていたため世界恐慌の影響を受けなかったソ連はドイツと不可侵条約を結びますが、後にドイツがそれを破って交戦となります。日本とは、1941年日ソ中立条約を結びました。しかし、終戦直前にソ連側から一方的破棄され満州・南樺太に侵攻されます。
ソ連は戦後成立した国際連合の安全保障理事会では常任理事国となりました。1951年サンフランシスコの講和会議に参加していますが、ロシアは内容に不満だったため調印していません。1956年に日ソ共同宣言を行い、日本は国際連合に加盟できるようになりました。ただし、現在でも北方領土の問題は解決しておりません。アメリカとの政治上の対立である冷戦は1989年に終結しましたが、1991年ソ連は解体され、ロシアなど15か国に分離しました。

エジプトは世界で一番長いナイル川があり、古代文明の1つであるエジプト文明が栄えました。ピラミッドが有名です。スエズ運河を管理していることでも知られています。

サウジアラビアは日本にとって最大の石油の輸入相手国で、石油輸出国機構(OPEC)の中心酷です。首都はリヤドですが、入試では聖地メッカのほうが出題されます。サウジアラビアの国旗は、イスラム教の聖なる色である緑を下地に、コーランの一節などイスラム教のキーワードが盛り込まれ使われやすい国旗の1つです。

ウルグアイは特に出題される要素はありません。

B組

スペイン・ポルトガルは15世紀ごろから大航海時代とよばれるアジア・アフリカへの大規模な遠征を行っています。
スペインはコロンブスの航海を支援し、南アフリカに勢力を伸ばしました。中南米の国でスペイン語圏の国が多いのはその名残です。スペイン人であるフランシスコ・ザビエルが日本に1549年キリスト教を伝えました。現在、カタルーニャ地方の独立運動が強くなっており、私立高校入試であれば触れてもおかしくありません。
ポルトガルはアフリカに勢力を伸ばし、バスコ・ダ・ガマの航海を支援しています。1543年種子島に鉄砲を伝えたのは中国船に乗っていたポルトガル人です。
スペイン・ポルトガルと日本は戦国時代に南蛮貿易と呼ばれる貿易を行っていました。

イランは、中東のイスラム教国です。近隣にはイラク・サウジアラビアがあり、地図で場所は確認しておきたいところです。水鳥の生息地である湿地や干潟を保護するラムサール条約はイランで締結されました。

モロッコは特に出題される要素はありません。

C組

フランスはEUの中心国でEUの前身組織時代から参加している原加盟国です。首都はパリ、現在の大統領はマクロン氏です。ヨーロッパ最大の農業国で小麦の生産は世界有数です。また、エアバス社の中心国として航空機産業が盛んです。
歴史では1789年フランス革命が起こり、人権宣言が出されました。その後の混乱の中、ナポレオンが台頭します。第1次世界大戦では三国協商側として連合国で参加、勝利します。戦後、講和条約であるベルサイユ条約がフランスで結ばれました。
第2次世界大戦開戦後、ドイツによってフランスはいったん降伏しますが、英米の協力を得て最終的にはドイツに勝利しました。
2015年、地球温暖化対策の取り組みであるパリ協定が結ばれています。
日本の世界遺産である富岡製糸場はフランスの技術が導入されていました。

オーストラリアは唯一、1つの国で1つの大陸を占めている国です。経度は日本とほぼ同じのため、時差はありませんが南半球にあるため季節は逆です。中心都市はシドニーですが、首都はキャンベラです。かつては白豪主義という白人を優先する政策が行われていましたが、先住民であるアボリジニを含めた多文化主義に移行しつつあります。
オーストラリア内陸部の大半は乾燥帯で、牧羊がさかんです。オーストラリアは先進国ではありますが、貿易では資源の輸出が多く、石炭・鉄鉱石・羊毛は日本にとって最大の輸入相手国で、肉類・天然ガスも多く輸入しています。
元々、イギリスの植民地だったこともあり、イギリスとの貿易がさかんでしたが近年では日本、さらに経済的に台頭する中国との貿易がさかんです。

ペルーは南米の国で場所は覚えておきたいところです。かつてインカ帝国が栄え、世界遺産ともなっているマチュピチュは教科書にも掲載されていることが多いです。

デンマークは意外と出題されることはほとんどないです。

D組

ナイジェリアはアフリカ大陸唯一、人口が1億人を超える国です。ナイジェリアも流れる大河、ニジェール川はナイル川に次いでアフリカ大陸で出題される川です。

アイスランドクロアチアはそれほど出題される要素はありません。アイスランドはEUに加盟しておらず、逆にクロアチアは「ヨーロッパの火薬庫」バルカン半島にあり、最も新しくEUに加盟した国といったぐらいでしょうか。

アルゼンチンはラプラタ川流域に広がる草原地帯であるパンパが問われることがあります。小麦・大豆・とうもろこしの栽培が盛んな穀倉地帯です。せっかくなので、首都ブエノスアイレスは知っておきたいですね。