「 2019年01月 」一覧

入試に出る歴史上の人物 「芥川龍之介」

標準
芥川龍之介大正時代を代表する作家で、「蜘蛛の糸」「羅生門」などの作品が代表作の人物が芥川龍之介です。

優れた純文学に贈られる賞である「芥川賞」は芥川龍之介からきています。中学校の教科書では太字で重要人物として紹介されることが多いですが、中学入試では完全に国語の文学史で出題される人物です。

読み:あくたがわりゅうのすけ
時代:大正時代(20世紀初期)


中学入試プレイバック2019 「ラ・サール中学」

なかなかいやらしく都道府県を説明した問題です。

Aは2つ政令指定都市があると説明されていますので、選択肢は2つ以上政令指定都市のある神奈川・静岡・大阪・福岡に限られます。神奈川県の川崎と横浜、大阪府の大阪・堺は南北に接しているので、当てはまりません。福岡県の北九州と福岡は北九州が県東部、福岡が西部にあるので逆です。

静岡県は浜松が県西部に、静岡が県東部にあります。自動車工業が盛んということも当てはまるので、Aは静岡県とわかります。ということはAの空らんに当てはまるのは「ピアノ」になります。楽器といえば浜松ですが、現在浜松市にあったピアノ工場の大半は周辺の都市や海外に移転しています。

Bはやや難解です。ポイントは製紙パルプ業が盛んだということです。製紙パルプ業といえば、静岡県富士市が定番ですが、静岡県はAなので違います。あと、製紙パルプ業の都市というと北海道苫小牧市ですが、文章から違うのは明らかです。製紙・パルプ業の生産が静岡県に次いで愛媛県が2位ということを知っていれば一発ですが、じゃあ愛媛県の製紙パルプ業の都市はどこと言われて答えられる受験生はほぼいないです(四国中央市)。愛媛県と製紙・パルプ業を関連付けする要素が少ない分なかなか思い出しにくいと思われます。むしろ、造船業が盛んな都市から、長崎・佐世保・神戸・呉(ちなみに呉は問題の別の部分で登場しています)・今治…今治のタオルだ!と思いついて答えるほうが楽でしょう。なお、文中に出てくる銅山は別子銅山で県東部の都市は新居浜市です。

なかなか文章の説明でひねりを入れた問題だなと思って見ていたのですが、その先にある問題で脱力しました。

こんなの、みかん確定じゃん。B愛媛、A静岡確定じゃん。途中の問題が別の問題のヒントになることはよくあるのですが、ラ・サール中ほどの難関中がこんな見え見えのヒントを出してはダメです。せっかく文章から推論をたてる問題をつくっておきながら、この表1つでぶち壊しです。

他にも全体的にリード文と設問が浮いている問題が多く、どうもここ数年ラ・サール中の問題は「難関校の問題としては」首をかしげる問題が多いですね。


入試に出る歴史上の人物 「横山大観」

発展
明治から大正にかけて、日本画の近代に大きく貢献し「無我」「生々流転」などの作品で知られる画家が横山大観です。

定期テストなどで出題される人物ですが、ほぼ作品の写真とセットで出題されるはずです。必ず、教科書・資料集で確認しておきましょう。

読み:よこやまたいかん
時代:明治後半・大正時代(20世紀初期)


中学入試プレイバック2019 「南山中学女子部」

南山中学女子部は、愛知県にある学校でキリスト教系の女子中学です。例年、入試が1月下旬にあるため、キリスト教系女子中の傾向を予想するのに毎年活用しています。

断言します。このテーマは今年の首都圏の入試で何かしら出ます。もちろん、どのような形で出題されるか、どこで出題されるかは予測できません。ただ、出ますね。たとえば、

「なぜ、プラスチックの分別には費用と時間がかかるか」
「なぜ、国内で排出される中国のプラスチックが急増したか」
「5mm以下のプラスチックごみを何というか」
「プラスチックの原料はなにか(答え:ナフサ)」

といった問題が考えられるでしょうか。これまで、プラスチックは形成が簡単で腐食にしにくいため、さまざまな用途で使われてきました。この「腐食しにくい」ということが今問題になっています。
もともと、このマイクロプラスチックの問題はここ数年(特に2018年)クローズアップされるようになり、NHK「クローズアップ現代+」でも特集されました(おそらく、リンク先の記事はこの入試問題の元ネタの1つと思われます)。環境問題は、もともと入試で再頻出のテーマであり、マイクロプラスチックの問題は環境問題の中で新しいテーマと言えます。今年だけではなく、今後も登場するのは間違いありません。

ところで、この手の新傾向の問題が出題されたときに受験生はどう対応すればいいのでしょうか。答えは「出題者の意図」「常識」を考えることです。
テキストに載っていないような新しい知識を使った問題を、受験生が知っている前提で問題をつくることはあまりありません(なんとなく聞いたことがあるというのを期待しているとは思いますが)。出題者がなぜこのような問題を出題するかというと「こういうことを知っておいて欲しい」という受験生への思いがあるからです。そこで、問われるのは「常識」です。この問題の場合、「プラスチックが小さくなっても体内に入ったら害があるだろう」という普通の判断をすることが求められます。

あと、正誤問題では知らないことを不用意に「この文は誤りである」と判断しないことです。新しい傾向の問題では特に微妙に間違っている文は出ないです。

さらにいうと、「マイクロプラスチックは1mm以下」といったいやらしいひっかけ問題はあり得ません。そういうひっかけを出す学校は質が低いと断言できます。

答:問1 ア  問2 イ


入試に出る城

先日、原城を取り上げたときにふと思いついたので、入試に出る城をまとめて紹介したいと思います。入試で登場する城は大きく2つに分けることができます。1つは「城そのものが出題される」場合、もう1つは「ある城を中心とした城下町」として取り上げられる場合です。

1.単体で出題される城

姫路城(兵庫県)
基本
日本で初めて世界文化遺産に登録された建造物の1つが姫路城です。桃山文化の代表的な建造物で雄大な天守閣ももちろんですが、天守周辺の構造物も多く残されています。その美しい姿から「白鷺城」とよばれます。受験に登場する城としてはぶっちぎりの1位でしょう。兵庫県にあることがよく聞かれます。

安土城(滋賀県)
基本
織田信長が琵琶湖のほとりに建造した城として入試で出題されます。信長の死後、安土城は焼けてしまっており、現在は石垣などが残されているだけです。

大阪城(大阪府)
基本
豊臣秀吉が天下統一と前後して建造したのが大阪城です。
大阪城は1615年の大坂の陣で焼失、江戸時代に作り直されましたが、幕末に焼失。現在残っているのは昭和初期に再建されたものです。大阪は城下町であると同時に、蔵屋敷の集まる「天下の台所」として栄えた商都でもあります。
応用
大阪城は一向宗の拠点だった石山本願寺の跡地に建設されました。

江戸城(東京都)
基本
徳川家康によって建造された江戸幕府の中心地です。江戸は「将軍のおひざもと」として、人口100万人を超える当時としては世界最大級の都市でした。
重要
戊辰戦争では幕臣である勝海舟と新政府軍の西郷隆盛による和睦で無血開城が行われています。
応用
1657年におきた明暦の大火で江戸城の天守閣は焼失し、それ以降も再建されませんでした。明暦の大火は入試でもたまに出題されます。

熊本城(熊本県)
重要
城づくりの名人といわれた加藤清正によってつくられた名城です。明治時代最大の士族の内乱である西南戦争では激戦が繰り広げられました。2016年熊本地震で大きな被害を受け、現在修復工事が進んでいます。皮肉ではありますが、地震で大きな被害を受けたこと自体が入試で出題されるポイントの1つです。

首里城(沖縄県)
重要
琉球王国の王城です。「琉球王国のグスク関連遺跡群」として世界文化遺産に登録されていますが、主要な建物は戦後再建されたものです。

名護屋城(佐賀県)
応用
豊臣秀吉の朝鮮侵略において拠点となった城です。現在は城跡のみ残されています。城の名前を記述する問題はまず出題されませんが、記号選択や都道府県を答える問題が出題されたことがあります。愛知県の名古屋城と漢字が違うのは注意ポイントです。

五稜郭(北海道)

応用
1868年から起きた戊辰戦争の最後の戦いが行われたのが、函館にある五稜郭です。当時のヨーロッパの城郭の特徴を取り入れた城です。

多賀城(宮城県)
発展
ヤマト政権が蝦夷討伐のための拠点としてつくられたの城です。ややマニアックではありますが、中学校教科書には、資料として名前は出てきます。

小田原城(神奈川県)
発展
戦国時代、北条氏の拠点となった城です。1590年、この城を攻略したことで豊臣秀吉は天下を統一しました。

二条城(京都府)
発展
「古都京都の文化財」に含まれる城の1つです。1867年徳川慶喜が大政奉還を行った城として知られています。

原城(長崎県)
発展
島原天草一揆の拠点となった城です。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成要素の1つとなっています。

2.主要な城下町

仙台(宮城県)
重要
伊達氏の城下町として栄え、「杜の都」とよばれます。東北三大祭りの七夕も有名です。空襲などで焼失したため、建物はほとんど残っていません。

金沢(石川県)
重要
「加賀百万石」といわれた前田氏の城下町として栄えました。三名園の1つである兼六園があり、加賀友禅・九谷焼などの伝統的工芸品も入試の常連です。

名古屋(愛知県)
重要
御三家の1つである尾張藩の城下町として栄えました。名古屋は東海地方最大の都市であり産業都市として発展しています。
金のしゃちほこで有名な名古屋城は、空襲で焼失。戦後に再建されました。現在、空襲で焼失する前の資料をもとに木造による再建工事を行っています。

松本(長野県)
標準
数少ない天守が現存する城の1つです。夏・冬の気温差が大きく降水量が少ない中央高地の気候(内陸性の気候)の典型的な雨温図として松本市のグラフが使われることが多く、長野県の都市と知っておくと便利です。


中学入試プレイバック2019 「同志社中学」


(2019年同志社中学)

このシリーズでは、さまざまな入試問題を取り上げていますが、これまで基本的に入試問題の素の画像は使わずこちらで問題文を打ち込んで紹介してきました。一応、著作権を気にしてなんですが、この問題はどうしても紹介したかったので禁を破ることにしました。

入試問題にはときおり「明らかに出題者の趣味」としか思えない問題が出題されることがあります。この問題は明らかにそのパターンです。

正解は③の「この世界の片隅に」ですが、私も劇場で観て深い感銘を受けた作品です。原作となったマンガは読んだことないのですが、深い時代考証を元に丁寧に書き込まれた作品でした。舞台が軍港で有名な広島県呉市で、多くの軍艦も登場しますが作内で描かれた軍艦の様子が当時を知る人から見ても、忠実に描かれていると聞きました。物語終盤で、8月9日の広島原爆投下も描かれているのですが、その描き方も印象的でした。
制作にあたって、広く資金を募るクラウドファンディングが行われ、その成功例として知られている作品でもあります。なんというか、問題のリード文して取り上げられることがあるかもしれないと思っていましたが、まさか問題そのもので登場するとは思いませんでした。出題者が大好きなんですね。確実です。

あと、④「ガラスのうさぎ」の画像で使われているのは、太平洋戦争の激戦の1つ、ペリリューの戦いを取り上げた「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」というマンガです。NHKでも取り上げられたような作品ですが、掲載紙が青年誌「ヤングアニマル(エロからシリアスまで幅広いジャンルを取り上げる雑誌ではあります)」ですし、絶対同志社を受験した小6は知らない作品でしょう。入試問題としては趣味的すぎるかなぁ…。

答:③


中学入試プレイバック2019 「渋谷教育学園幕張中学」

塾の授業というのは、どうしてもテストで点数が取りやすいように支障のない範囲内でデフォルメをして教えることがあります。この問題で取り上げられている国風文化はその1つです。平安時代の文化を大きく分けると、まず、最澄・空海が遣唐使として学び日本に伝えた天台宗・真言宗などの新しい仏教が平安初期にあります。この2人は平安京をつくった桓武天皇と同時代の人物です。それに対して、この問題で取り上げられている国風文化の代表的な人物である「源氏物語」の紫式部藤原道長の娘、中宮彰子に仕えており道長と式部は同時代人物になります。その間を分けるのが、894年菅原道真が提案した遣唐使の廃止です。
テストで恐れるのは、最澄・空海を藤原道長と同時代だと思ってしまうことです。同じ平安時代ですが、200年ほど違いがあり同じ時代でカテゴライズすることはできません。そのため、遣唐使の停止以降に国風文化が栄えたという表現をしてしまいます。遣唐使の停止によって党との交流がなくなったわけではありませんし、1つの出来事だけで文化が変わるということはまずありません。徐々に変わっていくものです。ただ、授業の説明としては分かりやすさというのを重視して説明するのは当然です。実際に予習シリーズや中学校の教科書では、上の問題のように、最新の研究結果を踏まえて修正されています。

遣唐使の停止によって中国との正式な国交はなくなりましたが、民間の交流は活発だったため、日本は、その後も中国文化の影響を受け続けました。
9世紀後半ごろからは、唐の文化を土台にして、日本の自然や生活にあった文化が生まれました。この文化を国風文化といいます。(予習シリーズ5年下45ページ)

意外と曲者なのが、藤原氏で初めて摂政になった良房、摂政・関白を務めた基経です。藤原氏の中では重要な役割を果たしたのは間違いないのですが、もともと平安時代はボリュームがあり、藤原道長・頼通親子がいるために、なかなかそこまで手が回らないです。ですから、問2は受験生にはXは「良房、基経どっちだっけ」と迷った思います(なお、Yは正しいと分かって当たり前レベルです)。

答:問1 仮名文字は遣唐使が停止される以前から使われていたことが分かり、その時代から国風文化は広がっていたこと分かったから。
問2 ア


センター試験をやってみた。

私の専門は中学・高校入試の社会科です。実際のところ、国語・算数・数学と幅広く教えていますが、中高受験塾の場合、複数科目を教えることは割とあることです。正社員ではない非常勤の講師として生き残るには一科目だけでは難しい。職員だけでは手の回らない科目、やれない科目をやっていく必要があります。結果として、中学生内容までならいろんな科目ができます。しかし、高校の内容を勉強したのは、もう数十年前です。いやもう、覚えていないです。

そんなわけで、年に一度センター試験でも解いて、専門科目だけでも感覚を思い出さないといけません。今年も解いてみましたが、こんな結果でした

現代社会 79点
地理B  78点
日本史B 76点
世界史B 55点

…こんなもんです。もともと、高校のときに日本史を選択していたのと、普段一番使わない世界史は、難しいです…。


住民投票は3種類ある

民主主義の学校」といわれる地方自治では、住民の意見を直接反映させる住民投票が行われることがあります。ただ、この住民投票は3つの種類があり、扱いが異なります。

1.特別法制定にかかわる住民投票

通常、法律は国会の両院で過半数の賛成があれば制定されます。しかし、特定の自治体にのみ適応される法律では、地域住民に大きな影響を与えるため、その意思を問う住民投票が行われます(憲法95条)。
最近では、この形の住民投票はあまり行われていません。近い例では特別法の制定ではないものの法律の適用にあたって必要とされた住民投票を行った「大阪都構想」にかかわる住民投票があります。

2.直接請求権のリコール・議会の解散にかかわる住民投票

地方自治の直接請求権で、議会の解散、首長・議員の解職(リコール)を求め有権者の3分の1以上の署名が集まった場合、住民投票が行われます。署名は選挙管理委員会に提出され、投票も公職選挙法に準じる形で行われます。住民投票で過半数の賛成があった場合、自動的に解散もしくは解職が決定します。

3.条例によって定めた住民投票

地域の特定の問題に関して住民の意見を聞くために条例を定めて行う住民投票です。この投票では、憲法や法律によって規定されているものではないので、通常の選挙では選挙権がない18歳未満やその地域に住んでいる外国人にも投票権を与えた場合もあります。教科書では市町村合併に関する投票で15歳以上の選挙権を与えた長野県平谷村の写真が取り上げられることが多いです。
ただし、投票結果がそのまま必ず実行されるわけではありません。あくまで投票で行われるのは住民の意思の表示です。また、その自治体のみで完結できないような問題(原発や基地問題)に関することを住民投票で意思を表示することに対して批判もあります。

入試の知識としてはやや細かい内ではありますが、下線部の内容が正誤問題で問われることがあります。


中学入試プレイバック2019 「海陽中等教育学校」

愛知県にある全寮制の中高一貫校が海陽中等教育学校です。天下のトヨタを中心に地元財界がかかわる形でできた新しい学校です。去年は3科入試だったのですが、今年は3・4科で選択できるようになり社会科が復活しました。

その年に登録された世界遺産は出題される法則通り、潜伏キリシタンに関する問題が出題されてきました。答えの原城跡も世界遺産の構成要素の1つになっており、今年の入試ではほかの学校でも出題されると思います。

潜伏キリシタンがらみで出題されるのは、絵踏・島原天草一揆・天草四郎・寺請制度あたりでしょうか。全ての人がどこかの寺に所属させ仏教徒であることをを証明させる寺請制度はもともと難しめの知識として出題されているので、今年は狙い目ですね。

答:原


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