「 公民 」一覧

公民に関する用語の解説です。

社会科で間違えやすい漢字大全~公民編~

社会科で漢字間違いが多い語句シリーズの最終回、公民編です。

…意外と少ないですね。
まず、指名・任命は「内閣総理大臣は国会の指名で決まり、天皇が任命する」といったようにセットで登場するので、混同がおきやすいです。特に任名は頻発します。

議院内閣制の漢字間違いは非常に多いです。衆議とダブルで間違えていた答案を見たことがあります。弾劾裁判の間違いは、刻という字のほうが書く回数が圧倒的に多いだけにできる生徒でも、ふっとでることがありますね。地理のところで書きましたが、裁判を学習すると、栽培とかくところを培と書くミスが増えるので注意です。

収入の少ない地方自治体に支給される地方交付税は国庫支出金と区別をする知識も重要ですが、漢字間違いも多い字です。

寡占は…どうも個人的に苦手な字です。板書していて、うかんむりのあとの横棒の本数を毎年確認していしまいます。

拒否権のミスは定番ミスの1つです。ノートをチェックすると確実に間違えて書いている生徒がいるレベルですね。

漢字に限らず細かいミスは本人は気が付きにくいものです。答案をチェックする側の大人がきちんと子どもたちにアドバイスをしていく必要がありますね。


入試に出る歴史上の人物 「ルソー」

重要
18世紀のフランスの思想家で人民主権を提唱しフランス革命に影響を与えたのがルソーです。代表的な著作は「社会契約論」で、明治時代に中江兆民によって一部が日本語に翻訳されました。

歴史でも学習する人物ですが、公民の人権思想の発達で重要になる人物です。高校受験では重要人物ですが、中学入試ではまず出題されません。

時代:18世紀(日本では江戸時代中期)


入試に出る歴史上の人物 「モンテスキュー」

基本
18世紀のフランスの思想家で著書である「法の精神」で三権分立をとなえたのが、モンテスキューです。三権分立とは法律をつくる”立法”、政治を行う”行政”、裁判を行う”司法”に権力を分け均衡を図ることで、国民の人権を守り独裁を防ぐ仕組みです。

歴史でもフランス革命といった人権思想の発達に関する単元で登場しますが、その段階では重要度は重要レベルです。公民の学習で三権分立について学習する段階で重要度は上がります。そもそも、歴史・公民にまたがって登場するため、登場頻度が極めて高い人物です。

時代:18世紀(江戸時代中期)


予習シリーズ社会解説 「6年上第17回 現代の日本と世界」

お金大好き予習シリーズ社会の新しい単元もこれが最後になりました。経済・国際社会・宗教と盛りだくさんな内容で、中学3年生で学習する内容が重なります。一度に複数の単元を学習ので、中3ほどの深入りは禁物です。

最初に、生産と消費という経済の基本について書かれています。ここの内容はサラッと済ませましょう。お金のはたらき「価値の基準」「交換の手段」「価値の貯蔵」というのは社会科ではおなじみの内容ですが、小6では暗記することではなく、なんとなく理解するという姿勢が必要です。授業では、物々交換の時代の話をしていかに不便だったかというところから考えさせます。

需要量供給量は、需要曲線や供給曲線といった中学校の内容に深入りするとドツボに入ります。みんながその商品を欲しいと思ったら(需要量が増えたら)、値段はどうなる→上がるという程度の理解で十分です。ついでに、ここで物価が上がる=インフレであること、物が売れているということは景気が良いというところまで一気に説明したほうがスムーズです。

銀行(金融機関)はどの生徒も知っている名前ですが、みんなから集めたお金を貸し付けて経済をまわし利子の差で利益を上げるということは分かっていませんので説明する必要があります。100万円預かったお金を貸して、110万で返してもらい、預かった相手に101万で返すと9万円残って、これが銀行の利益になるという数字を出して説明します。
日本銀行の3つの役割「発券銀行」「政府の銀行」「銀行の銀行」は暗記です。

子どもたちは不景気という言葉は知っていても、不景気になるとどうなるかは意外とわかっていません。まず、不景気とは物が売れない状態であることを確認します。そして、物が売れない=企業はもうからないから、給料が下がる。失業者は増える。会社はつぶれる。という一連の流れを確認しておきます。そして、景気対策の話になるのですが、基本的に景気対策で出題されるのは不景気の時の対策です。
・公共事業を増やす
・減税を行う
・金利を引き下げる
という3点セットですが、テストでは「増税だっけ、減税だっけ」と混同しがちです。基本原則として、お金がないから不景気になるので景気対策=お金をみんなにまわすことであるという認識を持たせています。そうすると、仕事を増やすために公共事業は増やしますし、お金を借りやすくするために金利を下げるという知識につながります。

プラザ合意→バブル景気と崩壊→失われた20年という現代経済の流れは深入りすると危険です。確認をしておきたいことは、長期的に日本は円高であること=輸出産業が大変だったこと、非正規雇用が増加しており格差の問題が広がっているということです。

ここで話がガラッと変わって戦後の国際紛争の話になります。授業の前半でどれだけ時間がかかったかで、ここにどれだけ時間が使えるか変わるのですが、確実に触れるのは冷戦終結と1991年湾岸戦争と2003年イラク戦争です。
1989年 ベルリンの壁崩壊。マルタ会談で冷戦終結
1990年 ドイツ統一
1991年 ソ連解体
という平成初期の国際情勢の並べ替えは頻出です。ちなみに、最近の入試ではソ連の指導者ゴルバチョフが意外と出題されているので上位向けに覚えておくとよいです。

湾岸戦争とイラク戦争は両方ともイラクがかかわっているために子どもたちは混同します。ところが、教えている側である大人は湾岸戦争はインパクトが強い出来事だったため明確に覚えているため混同しません。このギャップは危険で、子どもたちは湾岸戦争はおろかイラク戦争のときも生まれていないということを前提に話をしないといけません。イラクがクウェートに侵攻してはじまったのが湾岸戦争です。

あとは、最近の入試でイスラム教関係の出題が増えています。開祖ムハンマド、聖地メッカに1日5回礼拝をする、豚肉をたべない、ラマダーンという断食月があるといったことは押さえておきたいです。最近では、空港などの公共施設に礼拝用のスペースを設置することも増えていますね(関西国際空港の祈祷室)。


予習シリーズ社会解説 「6年上第12回 くらしと経済(2)」

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今話題になっている著書ですが、少子高齢化とともに始まる人口減少社会は避けられない現状です。この回では、小学生にわかる範囲でその課題と対策について学習します。まず、子どもたちは「5年生第9回」で過疎・過密を学習したときに人口減少などについて、学習をしています。ですので、事象についてはある程度知っているものとして授業を進めます。

少子化がなぜ起きているかというのはデリケートな問題なので、気を付けて話す必要がありますね。予習シリーズでは理由の一つとして「結婚しない人が増えてきた」が挙げられています。しかし、「しない」のではなく「できない」のではないかとか、(授業では触れませんが)LGBTの問題とか、安易に脇にそれるとドツボにはまりそうです。
少子化対策と言えば子育てと仕事の両立になります。ここでは、予習シリーズに載っていないものの待機児童問題について触れます。待機児童とは保育所に入りたいが定員に空きがなく入ることができない児童のことです。
少子化対策は記述問題で狙われやすいところですが、できるだけ子どもたちに考えてもらって発問させたいところです。「子育てをしている家庭にお金をあげる」も「保育所をたくさんつくる」でも、財源の話は置いておけば正解です。

社会保障制度については、社会保険・公的扶助・社会福祉・公衆衛生の4つの柱をきちんと覚えさせることが大切です。社会保障費の使いみちが高齢化から社会保険に多くの費用が掛かっているのは暗記ではなく理解をさせたいところです。
公的扶助(生活保護)に関しては、子どもたちもどうしてもバカにしてしまうところがあります。別に塾の授業でいえばそんなことを話す必要はないのですがポリシーとして「人間、いつ交通事故とかにあって動けなくなるかもしれない。そういう時にサポートしてもらえる体制は誰にとっても大切なんだ」といった話をします。

バリアフリー・ユニバーサルデザイン4年生で学習している内容ですが、確実に覚えていないのでもう一度説明をします。ノーマライゼーションが初めて出てくる言葉です。ノーマライゼーションとは障害を持った人も健常者とともに普通に暮らせる社会を目指す考え方を指します。ノーマライゼーションを目指すために行われる取り組みがバリアフリーでありユニバーサルデザインという説明が無難です。

男女雇用機会均等法男女共同参画社会基本法の区別も厄介です。まず、名称が長いので覚えるのが大変で混同しやすい。
雇用の機会(チャンス)を均等(等しくする)にするのが男女雇用機会均等法
共同で参(加し計)画(する)社会をつくるのが男女共同参画社会基本法
と言葉の意味で理解をさせています。

財政に関しては、歳出の割合を表すグラフは頻出ですね。社会保障関係費・国債費の負担が多くなっていることから、社会保障の負担や財政再建の重要性を説明します。国債800兆円と聞くと、生徒は日本は借金まみれじゃんという話になるので減らす努力の重要性とともに「とはいえ、日本は資産も多く国にお金を貸しているのも主に日本人なので今すぐダメになることはない」というのも伝えます。

最後に税に関してです。ここでは、累進課税を説明します。累進課税は所得税に適応される税で所得が多いほど税率が上がる仕組みです。ここで、誤答として「所得が多いほど税金が高くなる」と書きがちなので注意します。同時に、消費税は低所得者に負担の大きい税であることが説明できればベストですね。

改めてみると、中学生に説明するときは最低でも2回分の授業を一気に行う盛りだくさんの内容です。なかなかハードルの高い単元といえるでしょう。


予習シリーズ社会解説 「6年上第8回 くらしと政治(1)」

6年上の第2・3回で国会・内閣・裁判所の学習を行いました。その復習をしながら、地方自治の学習をしていくのが第8回です。

まず、最初の三権分立の部分は新しいことが特にあるわけでもなく、すでに総合回で復習済みの単元なので、授業ではさっと飛ばします。強いていえば、内閣の省庁をおさらいする程度でしょうか。三権分立の図式を改めて書くことはよくありますね。

選挙に関しては第2回では、軽くしか触れていないことが多いので改めて説明します。特に比例代表制の説明ですね。比例代表制は政党の得票率に応じて議席を分配する仕組みです。ここでの、ポイントは投票用紙に書くのは政党名ということです。中学校の定期試験と違い、ドント方式で議席を分配する計算は中学入試では出題されません。ただ、参議院の非拘束名簿式の説明を少ししておく必要があります。参議院では政党名でも立候補者名でも投票出来ることがわかれば十分です。
一票の格差も重要ですね。授業では議員一人当たりの有権者が1万人と2万人の選挙区でどちらの価値が重いかという質問をしますね。生徒は一瞬戸惑うので、分数にして1万分の1と2万分の1で考えようというと大体わかります。
若い世代の投票率が低いという話もきちんとします。投票率が低いということは若い世代の意見が政治に反映されなくなってしまうから、投票に行くべきと必ず言います。これは、受験とは関係ないのかもしれませんが、社会科を教える人間は選挙の大切さは必ず伝えなくてはいけません。

地方自治では、まず国会と地方自治ではしくみが違うことを理解させることが大事です。具体的には、国民が選んだ国会議員が内閣総理大臣を指名する国に対し、地方では住民の直接投票で首長を選ぶという違いです。
首長の被選挙権も重要ですね。都道府県知事・参議院議員が被選挙権が30歳以上で、他(衆議院議員、地方議会議員)は25歳以上というのは定番です。
地方公共団体の仕事は割とあっさり説明します。ポイントは地方裁判所と外交は国の仕事だということでしょうか。特に、地方裁判所は地方という言葉が入っているので地方の仕事と勘違いする生徒がいますし、そういった問題も出題されやすいです。

直接請求権は地方自治の最重要ポイントです。

必要な署名数 署名の提出先
条例の制定・改正・廃止 有権者の
50分の1以上
首長
監査の請求 監査委員
議会の解散 有権者の
3分の1以上
選挙管理
委員会
首長・議員の解職
(リコール)

このように表にまとめて説明をします。生徒が直接請求権を請求権(裁判を受ける権利)と混同します。直接請求権は参政権なのはいつも確認します。
住民投票は直接請求権の重要なポイントでその違いがわかりにくいので注意が必要です。住民投票は大きく3つのパターンがあります。

  1. 直接請求権により、議会の解散・リコールを行うかの住民投票
  2. 特別法制定にあたって行われる住民投票(憲法95条)
  3. 地方公共団体で条例を定めて行われる住民投票

問題は3ですね。これは、条例で独自に選挙権を定めることができるので中学生でも投票する住民投票もあります。また、この住民投票法的な拘束力があるわけではないあくまで参考意見であることも重要です。

市町村合併は少し前のホットワードでした。最近時折見る問題では、市町村の数をグラフ化して平成になってから村の数が減って市が増えている理由を聞く問題があります。こたえは「市町村合併で村が合併して市になったため」といったあたりです。


予習シリーズ社会解説 「6年上第4回 国際連合と平和」

国際連合が発足したのは太平洋戦争・第二次世界大戦が終わった1945年です。いつも、授業の導入にこの年号を確認します。私の場合、授業の導入のオーソドックスな形は生徒たちが知っている話をして、そこから新しい学習内容に持ち込むスタイルです。

国際連合 国際連合の成立は1945年10月ですが、4月ごろからアメリカ・サンフランシスコで会議が開かれ、国際連合憲章が採択され、ニューヨークに本部が置かれることになりました。ここで、やや難度の高い話で国連憲章の採択はサンフランシスコで行われたことを知識として確認する問題があります。次に、アメリカの首都はニューヨークではなくワシントンというのも授業中に確認をします。
「国際連合の本部はアメリカの首都ニューヨークに置かれている」
という誤りを含んた文は正誤問題の定番の1つです。

国際連合の仕組みですが、とにかく安全保障理事会です。ここでの定番は「アフロ中イ」です。まぁ、社会の語呂合わせの中でも有名なものです。安全保障理事会の常任理事国メリカ・ランス・シア・国・ギリスの5ヵ国でその頭文字を並べたものが「アフロ中イ」です。
常任理事国のなかで1か国でも反対したら、決定できない権限である拒否権は記述の定番であると同時に、拒の巨を臣と書き間違える生徒が多い字です。拒否権の話をすると、「じゃあ何も決まらないじゃん」「拒否権ずるい」という話になります。前者は「その通りで、冷戦の時はなかなか決まらなかったし、今でもスムーズに話が進むことのほうが少ない」と話し、後者の話は「国際連盟の時に自分の意見が通らなかったら、国連を脱退してしまった大国があってね。脱退されるぐらいならその議案はなかったことにしようという次善の策なんだろうね(満州事変の日本のことです)」と話すと割と納得します。

この回で最大のネックは国連の活動とアルファベットの略称を覚えることでしょう。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)…UNESCO
国連児童基金(ユニセフ)…UNICEF
この2つは今回で絶対覚えなくてはいけません。国連の機関で最も出題されるのが、この2つです。この2つを答えるときは特に指定がなければカタカナでOKです。ただ、ユネスコは世界遺産関連であまりに常識問題になってしまったがゆえに、漢字で書かせる問題もたびたび見かけます。ユネスコを漢字で覚えるのは大変です。UNESCOはUnited Nations Educational, Scientific and Cultural Organizationの略で、最近の小学生は学校で英語を習っている機会も多い。scienceのS、cultureのCぐらいならなんとか理解できる生徒も多いです。このあたりを突破口に覚えさせるとよいでしょう。また、以前は中学受験でアルファベットで答えさせる問題は見かけませんでしたが、学校でアルファベットを習っている分、UNESCOと書かせる問題も見かけます。

世界保健機関…WHO
世界貿易機関…WTO
割と覚えやすく、出題頻度もそこそこある2つです。Wがworldというのが分かると少し楽になります。

国際原子力機関…IAEA
国連難民高等弁務官事務所…UNHCR
この2つは核問題と難民問題という今世界が抱えている問題を代表する組織で出題頻度は高まっています。そのあとの内容で登場するので、そこで必ず触れます。

核廃絶に向けての動きで、問題になるのが2017年に採択された核兵器禁止条約です。まだ、予習シリーズでは登場していませんが、過去問題を演習するようになると何度か登場する話題です。現状では、学力の高いクラスなら話を出しますし、そうでないなら触れません。ここでは、元々核拡散防止条約(NPT)、包括的核実験禁止条約(CTBT)と他にも覚えなくてはいけないことが多く、そこまで手が回らないはずです。

他にも、
政府開発援助…ODA
非政府組織…NGO
とアルファベット略称がたくさんでてくる単元です。大人でも、そうそう答えられるものではありません。アルファベットにそれほど慣れていない子どもたちが簡単に覚えられるものではなく、覚えたらすごいという認識は必要です。


予習シリーズ社会解説 「6年上第3回 内閣と裁判所」

第3回で学習する単元は内閣と裁判所です。この時期には「現在の内閣総理大臣を漢字で書くこと」を1度は確認しますね。現在の内閣総理大臣は安倍晋三ですが、漢字で書くとなると意外と難しい。安倍という字は「安部」「阿部」「阿倍」といろいろありますし、歴史では阿倍仲麻呂という人物がいるので間違えやすいですね。現在の日本のリーダーは一般常識なので、今後もくどいほど繰り返し確認しておきます。生徒の答案をチェックしていてこれを間違えているとこちらのダメージが大きいです。ここで名字も出てこない生徒は大変まずい。明らかに、世の中の出来事への関心が不足しています。

説明すると感度の高い生徒が喜ぶのが、永田町と霞が関の説明です。永田町は国会議事堂がある場所の地名で、転じて国会そのものを指します。霞が関は各省庁が立ち並んでおり、行政つまり官僚機構を指します。ニュースを見ていると頻繁にでてくる言葉で、聞いたことがある生徒はそこそこいるのですが、意味は知らないことがほとんどです。ですので、説明させると新しい発見になるんですね。入試に出るわけではありませんが、こういうのは大事です。

省庁といえば、1府12省庁とよばれる行政機関があります。実は、これまでの学習で登場したことがある省庁もあります。
国土交通省→地形図を作成する国土地理院が所属
経済産業省→伝統的工芸品の認定
環境省→公害問題
です。この回で教えておきたい省庁は3つ。まず、総務省です。総務省は地方自治や選挙などを担当する役所で、字面をみて役割がわかりにくいので説明しておきます。あと、予算の作成を行う財務省、子どもたちにとって生活の場である学校教育を担当する文部科学省も説明します。文部科学省は化学と書く生徒がいるので一言触れておきます。

内閣が国会に対して連帯して責任を負うしくみである議院内閣制は漢字間違いが多い字の1つです。必ず、生徒が書いた字を一度チェックさせています。国会議、衆議と字の意味を踏まえて説明をしておきます。

裁判員裁判裁判所では、裁判員制度が最近のホットワードでしょうか。といっても、スタートしてから10年近くたち流行から遠ざかっているかもしれませんが、どういった裁判で裁判員制度が行われるか、どのように裁判に参加するのかが正誤問題で出題されやすいです。重大な刑事裁判の第1審に裁判員は参加します。つまり、裁判員が参加する裁判所は地方裁判所です。そして、裁判員は6人で裁判官3人とともに有罪無罪だけでなく、どれだけの罪に問うべきかということも判断します。中位クラス以上なら最初の段階で説明しておきたいことですね。

最後にでてくる三権分立の表は時間の関係上ここでは板書はほとんどしません。ただし、ものすごく重要です。予習シリーズでもここまで大きな表はないことからも、それがうかがえます。すべて覚えきる必要がある入試でも、最重要の図表です。


予習シリーズ社会解説 「6年上第2回 国会のはたらき」

私は社会の授業をしていて、授業延長を絶対しないように時間配分をしていています。授業延長をしても、その分で学習をしたことは生徒が覚えていないからです。そんななかで、毎年「時間が足りない」と一番思う単元がこの「国会」です。それだけ量が多いということです。国会議事堂

まずは、定番について。この単元の週テストでbcやsクラスで記述問題で聞かれることはおおよそ2択です。それは、
二院制のメリット→慎重に審議が行える。
衆議院の優越→任期が短く解散があるため国民の意思が反映されやすい
この2つです。記述問題は配点も大きく、意外と定番で出題されるものがあるので、そういったものは授業で触れるようにしています。

二院制のメリットについて触れるということは、衆議院と参議院で任期や定数、被選挙権で違いがあるという説明につながります。このあたりの数字は記号問題で出題される可能性も高いので、aクラスの生徒でも得点源にしてほしいところです。

衆議院の優越について話すということは衆議院の優越がある国会の仕事と、優越のない仕事について触れることになります。国会の仕事については、多岐にわたりますが重要なところばかりなので、ここできちんと説明していきます。

意外とスルーされがちで、きちんと説明しないといけないことが2つあります。
1つ目は「過半数の意味」です。過半数と半分以上は違います。過半数は半分より多いなので、例えば10人の過半数は6人です。
2つ目は「多数決と少数意見の尊重」です。民主主義は最終的に多数決で決まるというのは子どもたちはある程度わかっています。その段階で少数意見も聞いて、その意見も取り入れつつ最終結論を出すという原則は分かっていません。たとえ話として、友達同士で何して遊ぶか決めるとき、いつも多数決だけで決めていたら少数派の人は嫌だろという話をします。現在の入試というのは単なる暗記ではなくこういった思考力が問われます。自分でテキストを見てるだけでは学べないことを伝えるのが授業です。

と、国会の仕事を話していたら時間切れになりやすいのは選挙です。そもそも論として、中学校の教科書では選挙と国会は別単元です。1回の授業でこれをぜんぶやるのはなかなかしんどいです。選挙は第8回で、一票の格差について説明する必要があるので、生徒の習熟度に応じて詳しい説明を回してしまうのも1つの方法です。


エンゲル係数

国会でエンゲル係数の話題が出てきました。

エンゲル係数29年ぶり高水準 共働き増・値上げ…(日本経済新聞)
総務省が17日発表した2016年の家計調査速報によると、家計の支出に占める食費の割合である「エンゲル係数」は2人以上の世帯で前年より0.8ポイント上昇して25.8%となった。

食事エンゲル係数というのは消費支出に占める食費の割合を表したデータです。一般的に、生活が苦しくても食費を削るのが難しいため、エンゲル係数の高低は生活のレベルを表すとされます。高いと貧しく、低いと豊かということですね。

昔の中学生の公民の教科書ではエンゲル係数は重要語句として学習していました。しかし、現在の教科書では掲載されていません。背景としては、1990年代後半からリンク先のグラフにあるように、エンゲル係数に大きな変化がなくなり、指標としての重要度が下がったことが挙げられます。
教科書に掲載できる量は一定のため、時代の変化とともに新しい内容を追加すると削らなくてはならない部分が出てきます。エンゲル係数はその削られた部分ということです(資料集なら掲載されているのですが)。
ところが、ベテランの先生によっては「昔習っていたから」ということでエンゲル係数について授業で触れる場合があります。触れるだけならいいのですが、定期テストで平気で出題してくるから、やっかいです。多くの識者が関わってつくられた教科書の判断を一教師が覆すなよと思っています。

一つの指標で世の中の動きのすべてを説明することは不可能です。ですので、エンゲル係数の変化の詳細を議論するつもりはありません。ただ、数値が動かなくなったため、出題されなくなったことが数値が動いたら、また出題されるかもしれないなと思った次第です。


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