「 勉強法 」一覧

勉強の仕方について

隙間時間をいかに使うか。

受験生にとって限りある時間をどう使うかは重要なテーマです。今回は隙間時間に何を勉強すべきか、また、すべきでは無いかです。

ここでいう隙間時間とは、電車などでの移動時間、授業と授業との間の休憩時間を指します。ちなみに、学校・塾などで時間を指定されて演習する際、早く終わってしまい余った時間もこれに含まれます。問題演習が終わって、ボーッと時間が過ぎるのを待つのはあまりにもったいないです。

まず、隙間時間に何を勉強するかは、あらかじめ決めておくことが大切です。時間が空いたから何をしようでは決めた頃に隙間時間が終わります。内容は、英単語でも漢字でも計算でも何でもいいですが、細かく時間が区切れるものがいいですね。

逆に隙間時間でやっていけない勉強があります。それは、志望校の入試問題と英語・国語の長文問題です。まず、入試問題は時間を測って、その時間内に解く感覚をつかむことが重要です。決して細切れにやってはいけない勉強です。2周目、3周目のやり直し演習なら、まだいいかもしれませんが、それでも隙間時間に勉強すべきではありません。長文問題は単純に隙間時間に解ききれない可能性が高いからです。こんなこと、当たり前だと思うかもしれませんが、生徒の隙間時間の様子を見ていると普通に入試問題を解こうとするのを毎年に見るので、あえて指摘しておきました。

隙間時間の勉強は、その生徒の受験への姿勢がかいま見えるので、毎年意識して指導するようにしています。


中学入試プレイバック2019 「慶應義塾湘南藤沢中等部」

蘭学についての知識を問う問題としては、わりとオーソドックスな問題です。誤っているのは3,4です。3は吉田松陰・松下村塾が誤りで、緒方洪庵・適塾が正しいです。4は国学のことなんで論外です。

今日お伝えしたいポイントは「学力アップのためには、誤りの問題が”どう”誤っているのかを知ることが大事」ということです。この問題でいえば、3は吉田松陰は長崎ではなく長州藩で松下村塾を開いたはずだと演習中に気が付く、もしくは吉田松陰は蘭学の人じゃないと気が付いて×を選べる人は多いと思います。この問題を答えるだけであれば、この知識で十分です。ただ、解説を見れば「長崎で緒方洪庵が適塾を開き、福沢諭吉ら多くの者がこの学問を学んだ」という正しい内容が掲載されているはずです。ここまで足を延ばして知識としていく姿勢を持つことが大事です。

ちなみに、解説に書かれているからと言って必ず覚えないといけないとは限りません。誤りであることが分かれば問題ないという問いもありますので、その辺りは担当者に確認することが大事です。この問題の場合、緒方洪庵までフォローしないといけないのはかなりの上位生のみです。

答:1.○ 2.○ 3.× 4.×


再テストが大嫌い。

塾の授業では、知識の確認をするために小テストをする機会が良くあります。目標得点を設定して、それに届いていない時は、もう一度テストをする再テスト(追試)を行う講師がとても多いです。

はっきりいって私個人は再テストが大嫌いで上長の指示でもない限りは、まずやりません。
私の中での再テストは「やったふり」でしかないです。講師にとっては「再テストをして手厚く面倒を見たというアピール」ですし、生徒にとっては「再テストでできたから覚えた」気にだけなるツールでしかありません。
経験則でいえば、いつも再テストで合格しているような生徒が、その再テストで学習してした内容を後で覚えているかといえば覚えていないんですよ。大体の場合、再テストは同じテストをもう一回解くだけですからね。問題を丸暗記すれば済んでしまうんです。最初のテストで合格できない生徒は、再テストで合格するための勉強しかしないんですよ。
だから、再テストはやるだけ無駄。再テストがあるから、それで受かればいいやとか思わせない、一発で合格しないとダメと思わせることが大事です。

ちなみに、私は再テストのかわりに、時間がたったところで予告なしで全員にもう1回全員にテストをします。最初に合格をした生徒でも、忘れているということはよくあります。確認は間を開けて繰り返し実施することが大切です。


受験直前は難しいことをやらない

年も明け、受験シーズンが目の前です。この時期、中学受験と高校受験では様相が全く違います。
高校受験は学校の学年末テストがあり3学期の内申点が入試に反映される地域では、定期テスト対策もしなくてはいけません。2学期の内申点で評価されたり、入試の点数のみで勝負する形式の学校であっても、高校受験は受験対策に入れるタイミングが遅く、まだまだやるべきことだらけです。受験校の入試問題の演習が一通り終わっていない可能性も十分あるぐらいです。

それに対して、早い段階から受験を見据えた勉強のできる中学受験の場合、この時期よく聞かれるのが「やることがない」という声です。志望校の入試問題も終わり、塾からのテキストも終わってしまい、毎週のようにあった模試もない。嵐の前の静けさ、凪のような状態です。

受験直前の中学受験の鉄則は「難しい新しいことに手を出さないこと」です。この時期すべきことは、新しい問題を解いて学力を高めることではありません。大事なのは、いかに入試本番で自分の持っている力を100%近く発揮できるどうかです。ほとんどの小学6年生にとって受験本番は、これまでの人生の中で最も緊張する瞬間です。特に最初に受験する学校は、偏差値上どれだけ余裕があり、絶対に合格するという確信があっても緊張します。これは、小6という年齢を考えれば当然です。それにあたって必要なのは「できる」という自分を信じる気持ちです。最悪なのは、難しい問題を取り組んで「できない」と不安になることです。
そうすると、やるべきことはこれまで解いてきた問題のやり直しになります。ありきたりですが、これまでに受けた模試の問題で「正答率が高く、自分が間違えた問題」が最優先にやるべきことです。

受験直前といえば、理科・社会の暗記科目に力を入れることが定番です。ただし、現在の難関中学入試は暗記しただけでできるような問題ばかりではありません。理科・社会に目を向けすぎて、算数・国語がおろそかにならないように気を付けてください。出来るようになるには時間がかかりますが、忘れるのはあっという間です。

風邪をひかないようにするのは当然ですが、引くときは引きます。直前に風邪をひいて休まないといけないと思うと焦るのは当然ですが、引いてしまったときに落ち着いて行動しましょう。難しいとは思いますが「受験当日じゃなくてよかったね」と割り切りる気持ちが必要です。


社会科で間違えやすい漢字大全~中近世編~

漢字間違いシリーズ、今回は鎌倉時代から江戸時代です。

まずは鎌倉時代から。

檀ノ浦の戦いは「壇」の字の右側がなべぶた・回・日・一の順なのですが、最後の日と一をくっつけてしまうことが多いですね。北条泰時は同じ回で、奉公を習うので混同するようです。ただ、不思議と泰公とは書かないです。
そして、元寇です。歴史の漢字では一番間違えやすい字です。色々間違えるパターンがあります。板書を写したノートをみると3割は間違えています。
親鸞は字が難しすぎて、実はテストでは意外と記述では出題されません。

鎌倉時代は後醍醐天皇は画数が多いので大変です。あと、意外と多いのが一揆の間違い。最後をはねてしまうミスが多いです。「発」ではないんですね。
長篠の戦いもミスが多い字です。最後が「条」ではないのが注意ポイントです。楽市・楽座と豊臣秀吉の間違いは習いたてで発生します。「らくいち」「とよとみ」という読みに引っ張られるパターンです。ただ、楽市は意味で理解してほしいところですけどね。太閤は間違えやすい字です。この回で天守閣も学習するので注意が必要です。しめすへんところもへんのミスは普通の漢字でも起きやすいですね。

徳川綱吉は「網」と書くパターンを紹介しましたが、鋼吉と書くミスもあります。薩摩藩は「薩」の右下を産と書く場合もあるということです。書体としてはどちらでもいいのですが、学校の先生によっては教科書通りの書体で書かないと不正解にするタイプの人がいますので、△にしました。葛飾北斎と坂本龍馬も同じです。

両替商の間違いは思いのほか多いです。意味を考えると賛はおかしいはずなんですけどね。人形浄瑠璃は漢字で書かせるには難しいので、テストではあまり漢字で書かせない字です。親鸞と同じパターンですね。

井伊直弼のミスは本当に多いです。どちらも「い」なのが原因でしょう。幕末は覚えることが多くてミスも出やすいので厄介です。


社会科で間違えやすい漢字大全~歴史古代編~

社会科で間違えやすい漢字を紹介するシリーズ第2回です。歴史はあまりに数が多いので、今回は原始・古代(旧石器時代~平安時代)を紹介します。
前回同様、赤で書かれている部分が間違えやすい部分、波線が難しい漢字です。

磨製石器は摩擦とごっちゃになるパターンです。「磨く」石器だから、磨製石器なんですが、そもそも「磨」という字を習っていないので子どもたちにとっては知らない字です。
銅鐸の最後の本数の間違いというのは、子どもたちが絶対に丸付けで見落とすタイプのミスです。簡単な字でいうと「達」という字も本数が違うことがあります。卑弥呼・邪馬台国は歴史の習いはじめではよくある間違いです。卑弥呼は女性なので最後に「子」をつけたくなるんですね。ただ、受験間近でこういう間違えをされると萎えます。

埴輪・高句麗あたりは純粋に難しい字ですね。「麗」という字は高麗でも使いますし、地名は漢字が求められるので必ず書いて練習する必要がありますね。儒教は、公民で需要を習うとごちゃつくことがあります。「儒」という字をここ以外で書く機会がないのが、書けない理由です。

冠位十二階は、鎌倉・室町時代になって倭寇・元寇を学習するあたりで、うかんむりで書く生徒が続出します。蘇我氏は難しい字ではありますが、中学入試の場合は阿蘇山ですでに書いている字なので、意外と書けます。

「租」は「祖」と書くことが多いので、つい間違えるパターンです。「群」司も同じパターンです。木簡は、簡単なはずなのに割と書けないです。
墾田永年私財法は、言葉自体は割と覚えやすいのですが漢字は難しいです。上の例のように余計なものをつけてしまうことが非常に多く丸付けで気が付きにくいです。
鑑真は見ての通り難しい字ですが、唐招提寺が曲者です。「だい」と聞くとどうしても「大」「台」と変換してしまうんですね。また、阿倍という字は「阿部」「安倍」と複数あるので、日常生活でも間違えやすい漢字ですよね。

平安時代に東北地方北部に栄えた勢力を「蝦夷(えみし)」といいます。漢字はもとより、読みも注意したいところです。藤原頼通は「みち」という読みがミスを誘います。パソコンで入力しているときも藤原頼通とフルネームで書く場合は大丈夫ですが、頼通とだけ書く場合に「頼道」と誤字をしやすいので、プリント作成では気を遣う字です。平等院鳳凰堂も含めて、漢字的には厄介な存在ですね。

菅原道真はほんとに「管」と書く場合が多いです。これも、管のほうが日常で使う感じだからです。菅官房長官の「すが」といっても意外と通じないです。
日宋貿易の宋を「栄」と書く間違いは、そんなばかなと思うかもしれませんが、思いのほか多いです。


とりあえずいいから名前を書け

「先生~、これ名前書かないとダメ~?」

授業で使うプリントなどを配ったときに、名前を書くべきか書かなくていいか聞いてくる生徒がいます。結論を言うと、名前を書かないといけないか聞いてくる生徒は「それほど」成績が良くないです。

「それほど」というのは、まず本当に成績の悪い生徒はそこまで気が回らないので聞いてくることがないからです。そして賢い生徒は言われなくても書くしっかりした生徒のパターンか、細かいことに目もくれないパターンと2つに分かれます。
プリントが配布されて名前を書く欄があればとりあえず名前を書く、これが基本です。名前を書く必要を少しでも感じるなら、とにかく書いておけばいい。名前を書くかどうかを聞いてくる生徒は基本的にめんどくさがりやですね。本質的に、勉強というのはめんどくさいものです。めんどくさい勉強をいかに楽をするかという工夫は必要です。ですが、ただめんどくさがっていては成績は伸びません。

ちなみに、テストなどで名前を書き忘れる生徒というのは大体いつも同じです。塾内のテストでは、筆跡や名前を書いていない生徒は1人ですから、だれの答案かわかるので、お目こぼしすることがほとんどです。
ただ、入試本番ではそうはいきません。もっとも、入試で名前を書き忘れても座席などから判断できて大丈夫だったという話も聞きます。一番怖いのは「入試の当日試験中に前の科目の名前を書いたかどうか不安になった場合」です。なぜかというと、書いたかどうか不安になり、それ以降に受験する科目への集中力が低下するからです。

そういった不安を発生させ名来るする唯一の方法は、試験が始まったら最初に名前を書くことを習慣づけることです。もし、試験中に不安になっても「よく考えたら最初にいつも書いているじゃん」と落ち着かせることができます。
もっとも、そういう習慣がついている生徒がそんな不安を持つことはなかなかないと思いますが。


自分のミスに寛容な子どもたち

入試問題の演習をしていて、採点時によく聞こえる声がこれです。

「あー、問題読み間違えた!」

よくあるものが、「正しいものを選びなさい」か、「誤っているものを選びなさいか」を見間違える。他にも、「すべて選びなさい」か「1つ選びなさい」かの見間違いもありますし、解答欄の最後に県と書かれているのに「神奈川県 県」と書いてしまうなどもあります。

その時の生徒の様子はいつもあっけらかんとしているんですね。どうも、これが気に入らない。彼らは、スポーツや集団活動の場面で自分のミスで失敗したときに同じ態度をとれるのか。集団と個人の違いはありますが、勉強におけるミスはあっけらかんとなぜ話せるのか。
また、点数の悪かった生徒に「ミスをしなければ〇〇点取れていたから、次回からミスをしないようにしよう」という分析をしてフォローをする教師もいるのですが、これも気に入らない。スポーツだと分かりやすいですが、結局のところミスをした側が負けます。そして、ミスをするのは実力のうちです。「ミスしなければ…」というのはあくまでごまかしであって、「実力がないからミスをする」という当たり前のことをぶれずに言っていくことが大切だと思います。もちろん、意気消沈している生徒の場合は、「ミスを減らせれば点数の上がる余地がある」ということを伝えて気持ちを高めることが大切な場合もあります。

ただ、それは「ミスも実力のうち」ということを大前提の話です。入試問題に限らず演習で軽々しく「読み間違えた」ことをしゃべってほしくないですね。知らない分からないは恥ずかしいことではないですが、本来できた問題をミスで間違えるのは恥ずかしいことという認識を受験生は持たなくてはなりません。


社会科で間違えやすい漢字大全~地理編~

受験が近づくと社会科でも入試問題などの実戦演習の場が増えます。社会は、算数・数学ほど解説することが多いわけではありません。私が実戦演習の場で一番目を光らせるのは、漢字間違いのチェックです。答えは合っているのに、漢字間違いのために不正解になるのはもったいないことです。そして、何より子どもたちは自分の書いた漢字が間違えていることに気が付きません。誤った漢字にあっさりと丸を付けます。それを察知して、間違えやすい漢字の採点時に念押しをしたり、机間巡視であらかじめチェックをしたりします。
今回はそんな漢字間違いの中でも特に発生しやすく、大人でも間違えやすい漢字を紹介します。なお、赤字で書かれている部分が間違えやすい部分、下に波線が入っている漢字は漢字そのものが難しい字です。まずは、地理編です。

1.都道府県・県庁所在地編

まずは、都道府県と県庁所在地からです。見ての通り、多いです。そもそも漢字間違いがおきやすいのは地名・人名といった固有名詞です。特殊な読みや漢字が多く、漢字そのものに意味があるわけではないので、意味で覚えることができないからです。

札幌に限らず北海道の地名はアイヌ語源のものが多いため、当て字のような漢字が多いです。特殊な読み方をする字は「札ぽろ」のように、ひらがな交じりにすると不正解になります。

埼玉は長崎、宮崎とごっちゃになるパターンです。読みが違うんですけどね。栃木、茨城は隣同士で最後が「き」のため交じりやすいです。関西だと茨木市があるため、間違える確率が上がりますね。栃の字の5画目は左はらいです。よく左から右にまっすぐに書いて間違える生徒がいます。

新潟は社会科の中でも屈指の間違いが多い漢字です。テレビを見ていて大人もよく間違えて書いています。最後は点4つなのですが、左はらい2本が続出します。

近畿の「畿」の字のように最後に点がつく字で点をつけ忘れる場合がとても多いです。逆に「専」のように点をつけない字につけてしまう場合も多いです。

鳥取、高知は難しい字ではないのですが、ふっと間違えます。熊本は地味に間違いが多発します。読みも意味も違うのですが、結構謎です。那覇は純粋に難しい字です。大人でも書けない人が多いです。

2.地形・気候編

環太平洋造山帯の「環」は歴史で大政奉還を学習すると、間違いが増加する漢字です。対馬の間違いは習い始めで多いですね。「つしま」という読みが原因です。太平洋と大西洋のミスはおなじみです。

3.産業編

栽培の「栽」を「裁」とするミスは受験学年になって裁判所を学習すると急増します。夏休みに地理を復習するときに確実に間違えて書いている生徒がいます。

鉄鉱石と鉄鋼業の混同は同じタイミングで学習する用語なのが、厄介なところです。貿易摩擦は、最初はひらがなで学習することも多い字です。「輸」と「輪」の混同はとても多いです。輪作で輸作と書くミスもあります。

4.地域別地理編

地域別地理は上にも書いたように地名特有の難しさがあります。蝦夷地や嬬恋村は初見ではまず書けません。石狩川の「狩」をてへんで書く生徒も多いですね。阿武隈川の「隈」は普段書かない字だけに難しく一画多くしてしまうことが多いですね。

信濃川のミスは上位生ではほぼ発生しません。信野川と書いていたら、危険です。諏訪湖、琵琶湖は漢字が難しい上に似た字なので、琶琵湖と逆に書いてしまう場合があります。

宍道湖は明らかに「穴」の方が見慣れている時だけに上位生でもミスをします。しまなみ海道も「街道」の方が日常的に使う時だけに間違えます。筑後川や琉球も同じパターンですね。

勉強の時や、ご家庭でお子さんの漢字をチェックする際にぜひご参考ください。次回は歴史編です。漢字間違いがもっと増えます。 蝦夷地や嬬恋村は初見では書けないです。阿武隈の「隈」は描く頻度が低いだけにミスをします。一画多く書いてしまうのがチェックすべきポイントです。


基本ができていないから入試問題はまだやらないという虚構

受験生にとって秋は志望校の入試問題(以下、過去問)を解き始める時期です。科目によって始める時期は変わりますが、社会の場合、中学受験ならこの9月から、高校受験なら2学期の期末テスト(2学期制なら後期中間テスト)の終わる11月前後が標準的な時期でしょう。社会科は学習していない単元の演習をすることが難しいため、一通りの新規単元の解説が終わったこの時期になります。

過去問の演習を始めると確実に起こる声としてこんなものがあります。
「まだ、基本ができていないから入試問題やってもしょうがない」
「基本を定着してから入試問題をやりたい」

といった内容です。端的な結論を言えば「いいから入試問題をやれ」になります。

入試問題を解いていて、できなくて基本がわかっていないという判断をすることは間違っていません。ただしそこで、入試問題の演習をやめて、基本問題の演習に切り替えるという判断が誤りということです。もし、基本問題の演習をしたいなら、入試問題の演習をしたうえで基本問題の演習行わなければならないです。入試というのは明確にゴール(受験日)が決まっています。最終的に到達しなければならない部分は一緒です。過去問の演習を遅らせることはゴールに到達するのが遅くなる(=点数が取れない)ということです。

そもそも、基本問題を演習しても入試問題の点数の向上には直結しません。入試問題は基本問題をただ解くだけの問題ではないからです。具体的な例を示しましょう。

 次のア~エは、奈良時代から室町時代にかけて著された書物などについて述べたものである。時期の古いものから順に記号を並べよ。(2018年東京都公立高校)
ア 元軍を防いだことに対する恩賞などについて、幕府に対する御家人の不満が高まる竹崎季長の活躍などを表したとされる「蒙古襲来絵詞」が製作された。
イ 遣唐使の派遣が停止され、我が国の風土や暮らしに合った文化が生まれる中で、清少納言により、宮中での日々などについて記した「枕草子」が著された。
ウ 寝殿造と禅宗の建築様式を折衷した金閣が建てられるなど、大陸の影響を受けて新たな文化が生まれる中で、足利義満に保護された世阿弥により、能についてまとめた「風姿花伝」が著された。
エ 律令国家の仕組みが定められ、中央集権的な体制が形成されるなかで天武天皇の子である舎人親王らにより、天皇に関する記述を中心に我が国の歴史をまとめた「日本書紀」が編纂された。

元・清少納言・金閣・日本書紀といった分かりやすいキーワードがあり、並べ替えの問題としては、かなり初歩の問題です。アは鎌倉時代、イが平安時代、ウが室町時代、エが奈良時代です。答えは「エ→イ→ア→ウ」です。

基本問題の演習というと、歴史の問題は時代ごとに分かれて。基本問題の演習をしてそれぞれ語句を覚えたとしても、それがいつの時代なのかということが分かっていないと入試問題では正解できません。

入試問題ができないから基本問題をやるという発想をするのは「間違えたり分からなかったりするのが嫌だ」という発想からです。間違えることを恐れてはいけません。大事なのは、間違えたときに「どこで間違えたのか」を解説を見て確認、追求することです。教科書に戻って内容を確認することも大切です。
入試問題は実は無限のパターンがあるわけではなく、出やすい内容というのはある程度決まっています。それを、効率よく解説するのが塾の役割ですし、自分で出やすい内容を見つける力を身につけるのが受験勉強です。

「解説をよく読め、間違えたところを教科書で確認しろ」というとめんどくさいという顔をする生徒も多いのですが、同じ問題を繰り返し間違えて志望校に不合格するほうがよっぽどめんどくさいと思うのですが、いかがでしょう。


スポンサーリンク