「 徒然 」一覧

社会科に関する学習法などで思ったことを書いていきます。

西の神戸、東の横浜

2年ほど前ですが、名古屋市が国内主要都市の魅力度を調査した結果名古屋市が最下位だったことを公表し、話題になりました。この調査で比較対象になったのは、名古屋市のほかに札幌市・東京23区・横浜市・京都市・大阪市・神戸市・福岡市と名だたる観光都市ばかりだったので、産業都市である名古屋市は不利な調査でもあったのですが。

この調査に触発されて、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が全ての政令指定都市と東京都市部で行ったアンケート調査が面白かったので今回はそれを紹介したいと思います。このアンケート自体は1年前に行われたもので、発表直後に見て以来ずっと紹介したかったんですよ。

アンケート結果の概要にもあるのですが、福岡市在住の人たちの自己肯定感がとにかく高い。政令指定都市+東京都市部で魅力を感じる都市を3つ挙げる質問で、実に94%の人が自分の街、福岡市を挙げています。項目ごとの評価を見ても「住む」「働く」「子育て」「遊ぶ」「学ぶ」「多様性」ありとあらゆる項目で福岡市が上位に来ています。
福岡市が国勢調査で人口100万人を突破したのが、1975年。それ以降も人口は増え続け現在約153万人と、政令指定都市の中ではトップの人口増加率を誇っています。勢いのあるアジアとの玄関口というのも福岡市の強みなんでしょう。
せっかくなので、「現在お住まいの都市を含む21都市の中で最も魅力的に感じる都市を3つ選んでください」という質問の結果を表にしてみました。それぞれの都市の下にある数値が自分の都市を魅力的と入れた人の割合で、矢印の先がそれ以外の都市で割合が最も高かった都市とその数値です。
福岡は先ほど挙げた通りなんですが、横浜市と神戸市が高い。周囲の都市からの人気が東京や大阪よりも断然上なんですよね。それぞれの都市でどんなイメージがあるかキーワードで回答してもらった質問があるのですが、この2つの都市は違います。たいていの都市では、「便利」「ほどほど(東京都市部の22%の人が自分の街をほどほどと評しているのですが、東京の何がほどほどなのか意味が分からないです)」が上位に来る中、横浜・神戸は「おしゃれ」が上位に来るんですよ。さらにいうと、「ハイセンス」と選んでいる人が神戸で34%、横浜で26%もいる(ちなみにこの質問でハイセンスを選んでいる人が1割を超えているのは、この2都市だけ)。すごいです。なかなか自分の街を「おしゃれ」で「ハイセンス」と言えないです。そして、周りの都市もそれを認めているんですよね。
ちなみに、京都市は「伝統的」で「日本らしく」「落ち着きがある」といういかにも京都らしい結果が出ています。
上の表をつくりながらびっくりしたのが大阪市の不人気。魅力を感じる都市のアンケート結果は上位5位までがそれぞれの都市ごとに掲載されているのですが、堺市の3位に大阪市が入っているだけで他はランク外。近隣の大都市である京都と神戸は互いに認め合っているのに、大阪だけのけものという残酷な結果がでていました。ちなみにそんな大阪は自分の都市を「エネルギッシュ」で「カオス」だと思っています。
なお、この調査のきっかけになった名古屋市は「ほどほどに便利」だが「保守的で地味」という結果でした。
政令指定都市の中で圧倒的に切ないのが北九州市。魅力を感じる都市で自分の都市よりも他の都市を上にあげたのは北九州と相模原だけです(相模原は仕方ない)。北九州のイメージは「ほどほど」で「便利」。ここまでは、他の都市とそれほど変わらないのですが、「レトロ・ノスタルジー」ときて「停滞」「地味」「寂れている」…。福岡市が人口を増加させている裏で、かつては百万都市だった北九州市の現在の人口はじりじり減少し、2015年で96万人。その結果がストレートに出ています。
がんばれ北九州市。

ゴールデンウィークは大掃除

プリントを配る先生以前にも書きましたが、塾講師にとってゴールデンウィークは一年で一番ゆっくりできる休みです。受験も終わり、新年度の集客も終わって一息付けます。

私はこの仕事について以来、ゴールデンウィークに毎年自宅の大掃除をします。普通、大掃除は年末にやるものですが、塾講師にとって年末は天王山。そんな暇はありません。どうしても片づけはこの時期になります。
でも、この時期に大掃除するのはお勧めです。暖かいので、年末よりしんどくないからです。それに、ゴールデンウィークはどこに出かけても人は多いし、いつもよりお金はかかるし。帰省とかがなければ、この時期はあんまり遠出をしないに限ります。

それにしても、最近の気候はおかしい。つい、1か月前までは暖房を使うかどうか迷っていたのが、いきなり冷房を使うか迷うような気候になるとは。黒板を使っているので、チョークの粉を吸ってフィルタはかなり汚れます。エアコンのフィルタを掃除しないで、暖房から冷房に切り替えると変なにおいがするんですよ。でも、1か月じゃなかなか掃除するタイミングがないです。

個人的にはかなり校舎の美観維持にはこだわっているつもりです。この仕事をしていると、そこの部分がいい加減な人が多いんですが、校舎が汚れていると来客時の印象が悪くなりますし、答案紛失など重大事故のもとになります。営業活動をあれこれ考える前に、事務室・教室をきれいにしろといつも思うのです。


小4で漢字を都道府県を書く

47都道府県の名称と位置を理解することとは、我が国が47都道府県で構成されていることや、各都道府県の名称や日本の地図上の位置などを基に、47都道府県の名称と位置について理解することである。その際、都道府県の名称に用いる漢字については、国語科において、第4学年までに指導することとなっている。このため、指導する時期について国語科との連携を図るとともに、漢字の表記に慣れるように配慮する。(小学校学習指導要領解説社会編 平成29年6月文部科学省)

小学4年生の息子の学級懇親会から戻ってきた妻が「今年から都道府県を漢字で覚えるようにするらしい」と言っていました。上にある次期学習指導要領の実施は2020年からですが、学習指導要領には移行措置というものがあります。移行措置とは新しい要領に移るときにスムーズに移行ができるように指導内容に特例を設けたり、特に教科書の対応が必要としないすぐできることを早いうちから行っていくことを指します。

今回の改定では、都道府県に使われている漢字が全て小学4年生までに学習するようになりました。小4社会のメインである都道府県の学習で習っていない漢字がたくさん出ていた現状を改善するためです。

学習指導要領の文面を見る限り、小4段階では「漢字の表記に慣れる」=「漢字で読めるようにする」ということだと思います。実施段階では小4で漢字で習うのだから、漢字で書けるようにするというのは当然だと思います。ですが、これはなかなか大変です。中学受験クラスを指導している私でも塾で小4段階では漢字指定にこだわっていません。それぐらい都道府県を全部漢字で書くのは難しいです。もともと、地名というのは特殊な字や特殊な読みが多いですからね。

ちょっと、都道府県名で漢字で書くのが難しい字をまとめてみます。

宮城・茨城・栃木→城はもともと6年生で学習する漢字です。また茨・栃はこれまでは小学生の範囲外でした。「茨木」と間違える生徒も多いです。
埼玉→埼が小学生の範囲外でした。崎玉とよく書き間違えます。
新潟→潟がとにかく書けないです。そもそも大人でも普通に間違えます。
山梨・岐阜→梨はこれまで小学生の範囲外でした。普段見かける漢字ではない分書くのに苦労します。
滋賀→これも、両方小学生の範囲外でした。
鳥取→別に難しい字ではないですが、なぜか「取鳥」と書く生徒がいます。
愛媛→媛が小学生の範囲外でした。普段見かけない字ですね。
熊本→熊が小学生の範囲外でした。「態本」や「能本」とよく書きます。
沖縄→実は沖も縄も小学生の範囲外の漢字でした。
鹿児島→鹿が小学生の範囲外でした。

とこれだけあります。特に、新潟・愛媛は厄介です。正直なところ、塾でやっていたことを学校でやってくれるのは助かるといえば助かるのですが、学校は大変だと思います。

今回お伝えしたいのは、「都道府県名とその場所を覚える」作業と「都道府県名を漢字で覚える」作業を切り離すべきということです。つまり、まず地図を見て口頭でいいので都道府県を言えるようにしたうえで、別に純粋な漢字テストとして都道府県を漢字で書けるようにするべきです。この2つを一緒に最初からやろうとするとパンクする子どもたちが続出します。まず、場所と名前を一致することに専念しましょう。


四谷大塚全国統一小学生テストの話

プリントを配る先生毎年6月の第1日曜日と11月3日に行われる四谷大塚の「全国統一小学生テスト」の申し込みが4月27日に始まります。ご承知の通り、私は四谷大塚の「予習シリーズ」を使って指導をしています。当然ながら、毎回このテストも開催しているわけですが、今回は全国統一小学生テストの印象・活用法の話を保護者視点で話をしたいと思います。

1.早めに申し込みをしないと満席がある
全国統一小学生テストも開催されるようになって10年になりました。無料で学力診断ができるテストとして定着したこともあり、かなりの数の申し込みがあります。それに対して、理由は後述しますが、中学受験をしていない塾にとっては開催するメリットが薄いためテストを開催する塾がそれほど増えているわけではありません。即日満席になるようなことはありませんが、いつでも大丈夫だろうと思っていると、満席で受験できない可能性がありますのでご注意ください。

2.早い段階で模試の雰囲気を体験できる
参加者が多いということは、それだけ緊張感のある雰囲気でテストを受けることができます。低中学年では貴重な機会と言えるでしょう。また、将来通塾しようと思っている塾でテストを受ける場合、その塾の雰囲気や対応力を確認することができます。

3.学校の勉強ができているかを確認するテストではない
毎年、全国統一小学生テストの問題を見ていますが年々難しくなっています。これは、中学受験の最難関校の問題が年々難しくなっていることが関係していると思われます。塾生以外の生徒が受けるようなテストですと通常、始めの方の問題で誰でも解けるような問題をいれて、ある程度の点数を確保できるようにテストを作ることが多いです。
ですが、四谷大塚の全国統一小学生テストはそうではありません。いきなり難しい問題がでてきます。深い知識が問われるわけではありませんが、高度な思考力を求められるテストが作られています。将来的に最難関校に合格できる生徒を早く見つけたい意図を感じます。
もちろん、無料なので「なんとなくテストを受けてみようかな」という気持ちで受けていいテストですが、150点満点で2,30点はざらにあるテストということは、知っておかなくてはいけません。そういった点数を取っても学校の内容が理解できていないわけではないので安心してください。逆に、「この点数では学校の勉強も怪しいですよ」と通塾をあおる四谷大塚と提携してテストを開催している塾は営業熱心すぎると言えます。

4.中学年の受験者数が多い
全国小学生統一テストの特徴として3,4年生の受験者数が多いということがあげられます。模試というものは通常、受験学年に近づくほど受験者数が増えます。テストを開催している塾に通っている生徒が増えるためです。一応、受験者数が一番多いのは6年生のはずですが、6年生の人数に匹敵するほど、3,4年生が受験するテストです。
5,6年生になると四谷系の塾に通っている時点で毎週テストがあるんですよね。すでに通塾している生徒にとっては今更、全国小学生統一テストを受験する必要性が薄いんです。
ですから、5,6年生の受験生は意外と中学受験をしない人が多いです。6年生の受験生は志望校の判定ができるようになっていますが、あまり参考にはならないのでいい結果が出て「今から受験勉強しても間に合う?」と甘く考えると痛い目にあいます。

5.開催者の狙いはデータ収集
そもそも、受験生数が公称15万人とされる大掛かりな無料のテストを開催する狙いは何でしょうか。
それは、データ収集です。テストを受験するにあたって当然名前や住所などを登録するので塾にとってのテスト受験者は将来の顧客リストとなります(なお、最初の段階でそういった営業活動を断ることもできます)。四谷大塚の母体は東進衛星予備校を運営する㈱ナガセです。中学校、高校に入ってからも重要な顧客となりうる存在を早くから知りえるのは大きいです。
それだけではなく、小学生の時にテストを受けた生徒の成績と、その生徒のその後の成績の推移をデータ分析することも可能です。例えば、最難関大学に合格する生徒が小3段階で算数の難問をどれくらい解けていたかを分析することで指導や教材作成に役立たせることができます。ある意味でお金を書けても欲しい宝の山と言えるでしょう。

総じて、四谷大塚全国統一小学生テストは中学受験の勉強をしている生徒がどれくらいの問題を解いているかを知るいい機会と言えるでしょう。


エンゲル係数

国会でエンゲル係数の話題が出てきました。

エンゲル係数29年ぶり高水準 共働き増・値上げ…(日本経済新聞)
総務省が17日発表した2016年の家計調査速報によると、家計の支出に占める食費の割合である「エンゲル係数」は2人以上の世帯で前年より0.8ポイント上昇して25.8%となった。

食事エンゲル係数というのは消費支出に占める食費の割合を表したデータです。一般的に、生活が苦しくても食費を削るのが難しいため、エンゲル係数の高低は生活のレベルを表すとされます。高いと貧しく、低いと豊かということですね。

昔の中学生の公民の教科書ではエンゲル係数は重要語句として学習していました。しかし、現在の教科書では掲載されていません。背景としては、1990年代後半からリンク先のグラフにあるように、エンゲル係数に大きな変化がなくなり、指標としての重要度が下がったことが挙げられます。
教科書に掲載できる量は一定のため、時代の変化とともに新しい内容を追加すると削らなくてはならない部分が出てきます。エンゲル係数はその削られた部分ということです(資料集なら掲載されているのですが)。
ところが、ベテランの先生によっては「昔習っていたから」ということでエンゲル係数について授業で触れる場合があります。触れるだけならいいのですが、定期テストで平気で出題してくるから、やっかいです。多くの識者が関わってつくられた教科書の判断を一教師が覆すなよと思っています。

一つの指標で世の中の動きのすべてを説明することは不可能です。ですので、エンゲル係数の変化の詳細を議論するつもりはありません。ただ、数値が動かなくなったため、出題されなくなったことが数値が動いたら、また出題されるかもしれないなと思った次第です。


画びょう取りは大変

今日は校舎で昨年の合格者や合格者数の掲示物をはがしていました。自分の勤務している校舎では画びょうを使っているのですが、外すのが意外と大変なんですよね。特に長く掲示するものはしっかりと差し込むので爪が痛くなります。

そんな画びょう取り作業で愛用しているアイテムがこれです。

ベロス 画鋲抜き PN-450BL 青

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画びょうの出っ張り部分に差し込んで、すっと引き上げるだけで画びょうが抜けてホルダーの中に入りまとめて取り外しできる優れものです。これを使いだすと、画びょうに付属している画びょう取りには戻れません。うーん、今日は商品紹介で終わってしまいました。

外した合格者の掲示物の代わりに今年もたくさんの合格した生徒を掲示できるように、ラストスパートです。


中学受験において1月に学校を休むべきか?

ちょっと気になる記事があったので紹介したいと思います。

1月に学校を休む中学受験生は「落ちる」

2月はじめにピークをむかえる中学受験。入試直前の1月には、小学校を休ませて、受験勉強に専念させようとする親もいる。そうした「需要」を嗅ぎ取り、1月平日の午前中に有料講座を設ける塾もあるという。だが、「1月に学校を休んだ子ほど、結果的に不合格になっている」と中学受験専門塾を経営する矢野耕平氏は語る。なぜなのだろうか――。

http://president.jp/articles/-/24127

塾の先生違ったら申し訳ないのですが、上の記事を書いた人が一番言いたいのは、「1月の午前中に有料授業を組んで保護者の不安をあおって金儲けをする同業他社がけしからん」だと思うんですよ。同業者としてその通りだと思います。1月に学校を休んでまで、受験勉強するのはやはり邪道です。
有料の補習をするということは、その塾では教室ごとにノルマが設定されていると思うんですよね。ノルマに届いていない校舎では、保護者に学校を休ませて補習を受けさせるように説得するとか起きていそうで悪夢以外の何物でもないです。同業者として憤りを感じます。

でも、「1月に学校を休む生徒は落ちる」というタイトルはいただけないです。これはこれで、学校に行くべきか休むべきか悩んでいる保護者に不安だけを与えるタイトルです。不安をあおるという点において、この文章の筆者と午前中に有料補習をする塾は変わらないと思います。

学校を休んで受験勉強をした生徒は「つい油断して、危機感が薄れていく。その結果、学習時間を確保したつもりでも、その実は学習に集中できないケースが多い」と記事には書かれています。いかにも正しいように思えます。
でも、その理屈なら進学塾が行っている「冬期講習」というものもおかしいことになります。冬期講習では朝から夕方まで授業です。毎日、算国理社の授業がそれぞれ80~100分あったりしますよね。冬休みにそれだけみっちり勉強をさせておいて、1月の午前に学校を休んで勉強したら油断するという理屈は通らないです。

個人的には、1月でも学校に行くべきだとは思っています。学校に行ったほうが生活サイクルが崩れないですし、外の空気を吸うことは気分転換になると思います。でも、直前に受験勉強に専念をしたいという生徒本人を止めてまで行かせるものではないと思います。
1月に学校に行くか行かないか、これは受験生が決めるべきです。本人が、学校に行きたいなら行かせるべきです(インフルエンザ流行時は除きます)。家で勉強したいなら、そうさせてあげましょう。子どもたちはそれを選ぶ資格があるだけの勉強をしてきたはずです。


中学受験を始める時期

塾の先生年が明けると塾では入試とともに新学年を迎える一番忙しい時期に入ります。中学受験では2月から、それ以外では3月から新学年になるのが進学塾のオーソドックスなパターンだと思います。今回は、中学受験をスタートするベストの時期についてお話したいと思います。

インターネットで「中学受験 開始時期」などで検索をすると、3年生からや4年生からという意見が多く、5年生では遅いのかという質問も見かけます。まず最初に言いたいのは「早いほうがいいに決まっている」ということです。
中学受験では6年生の2月ごろに入試本番があります。つまり、明確にそこがゴールです。これを変えることはできません。遅くから始めるほど、ゴールに向かって全力で向かうことが求められます。早くから始めて損なことは一つもありません。

私は四谷大塚の予習シリーズを使って授業をしているので、予習シリーズを基準に話をします。四谷大塚の設定している中学受験の標準的なスタート時期は新4年生(3年生の2月)からです。なぜなら、四谷大塚のメイン教材である予習シリーズを使って授業を開始するのが3年生の2月だからです。四谷大塚のカリキュラムでは、3年間かけて受験に必要な知識や技術を習得していくことになります。
また、入試で合格するには知識や技術だけではなく「勉強する姿勢や考え方」も重要です。新4年生より早くスタートした場合、その部分に重点を置いた指導を前もってすることができる分、有利になります。もっとも、首都圏最難関になるとその前もっての部分が当たり前になっているのが恐ろしいところです。

受験勉強を始める時期の話をしていると時折聞く意見として「早くから始めると息切れしてしまうのではないか」というものがあります。これに対する結論は一つで「息切れするのは子供ではなく親」だということです。6年生になって成績が伸び悩む生徒もそうなのですが、塾に入ってすぐに成績を求め、親が勉強に口を出しすぎて、子どもがそれに頼り自分で考えなくなり、そんな姿勢に親が疲れてしまう。これが、息切れの正体です。どちらかというと、受験を始めた時期の問題よりも親がどこまで子どもの勉強に関わるか、また関わる方法の問題です。「早くから始めたら息切れしちゃって」という体験談は「子供に構いすぎたら疲れちゃった」という告白ぐらいに考えたほうがいいです。

とは言ったものの、じゃあ新4年生からスタートしないと間に合わないかというと決してそんなことはありません。間に合います。予習シリーズに限らずですが、どんな中学受験の教材でも繰り返し勉強することで学習内容を定着させるカリキュラムになっています。ですので、4年生の学習内容は5年生でも学習しますし、6年生でも学習します。
そもそも、首都圏のようにもとから中学受験の熱が高く、情報も豊富な地域ばかりではありません。5年生や6年生から受験勉強を始める生徒も多数いる地域がある以上、それに合わせて教材を作成するのは当然です。だから、たとえば5年生からスタートしても一通りの学習ができるように教材はできています。

そういうと、「じゃあ5年生からで大丈夫ですね」と気の抜けたことを言う人がいます。では、なぜ繰り返し学習するようにカリキュラムはできているのでしょうか。それは、繰り返し学習しないと定着できないからです。中学受験の学習内容はとても高度なことも含まれます。1回聞いただけでできるようなものでは、なかなかありません。「5年生(6年生)からでも十分間に合った」という体験談を聞くことがあるかと思います。それは、間違いではありませんが、全ての子どもにあてはまる絶対的な意見ではないのです。

最後に、受験勉強を開始する時期ということで集団指導塾を念頭に話をしてきましたが、集団指導塾の場合、入る月も重要です。4年生でも5年生でも具体的には2月の新学年のスタートがベストです。
カリキュラムというのは毎週の積み重ねです。2月に学習した内容を前提に3月は学習をしていきます。年度の途中で塾に入るということは前提を飛ばしたうえで授業をきくことになるということです。例えば、4年生の5月に入室したとすると、2~4月に行った内容を学習するのは夏休み講習です。そこまで、習っていない内容がある状態で、かつ周りは知っている前提で話が進んでいくのでなかなか大変です。
2月の新学年の切り替え時期や、春夏冬の季節講習といったカリキュラムの切り替わり時期が塾での学習をスタートするのに適した時期です。新しく始める生徒が多い分指導する側もそれに配慮して授業をすることも大きいです。
ただし、5,6月や10,11月といった中間期に受験を決意する場合もあると思います。その場合は、タイミングのいい時期まで入塾を待つか、最初のうちは塾のペースになれる時期と割り切って鉄は熱いうちに打てと判断するか、正解はないので、入る予定の塾と相談するのが一番でしょう。

長々と書いてきましたが、一番大事なのはどのような姿勢で学習をするか、またさせるかです。どれだけ時間をかけてもダメな場合もありますし、その逆もしかりということを締めの言葉とさせていただきます。


新年のあいさつ

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

昨年立ち上げたこのサイトですが、今年はできるだけ内容の充実を図って多くの人に見ていただけるものにしていきたいと思っています。そのためには、ほとんどブログとしてしか使えていないWordPressを勉強しなければと思っており、それが今年のテーマの1つです。

もう1つ考えているテーマとして、依然運営していたサイトで記事にしていた「四谷大塚予習シリーズ」の解説記事を新たに起こしていきたいと思っています。一般で購入できるレベルの中学入試の教材として、予習シリーズはやはり圧倒的に優れいているんですよね。現役社会科塾講師からみた予習シリーズのポイントをお伝えできればと考えています。

といったものの、年末年始は冬期講習や正月の特別講座でそれどころじゃないのが塾講師の性です。とりあえず、体調に気を付けて冬休みを乗り切ります。


塾ではサンタクロースの話はしない。

サンタクロース今日はクリスマスイブですが、私は教室でクリスマスの話はほとんどしません。大きく理由は3つあります。

①それどころじゃない
この時期は、冬期講習に入っており受験学年の指導も追い込みです。その時期に、のんきに「クリスマスだねぇ~」と話す気になかなかなれないです。

②家によって事情が違う
お年玉が顕著ですが、クリスマスの過ごし方も家庭によって違います。ケーキを食べる家もあれば食べない家もあります。プレゼントをもらえる生徒もいれば、もらえない家もあります。塾に通わせているご家庭なので金銭的な事情はそれほどないとはいえ、家庭によって方針が異なり、正解があるものではない以上深く触れないほうが正解だと考えています。塾はあくまで勉強をする場です。

③サンタクロースを信じているか信じていないかわからない
実は極めてデリケートな問題です。中学3年生でサンタクロースを素直に信じている生徒はまずいませんので、問題はありません。しかし、小学3年生あたりだと信じている生徒と信じていない(現実を知った)生徒が混在している危険があります。下手をすると炎上する危険があるので、やっぱり触れないほうが無難です。

個人的には「サンタクロースなんているわけないじゃん」と言っているうちはまだ子どもで、「サンタクロースは人の心の中にいて、だれもがサンタクロースになれる」と思えるのが大人だと思います。