「 予習シリーズ 」一覧

予習シリーズ社会解説 「4年上第13回 野菜とくだものづくり」

社会科で野菜づくりといえば
促成栽培…冬でも暖かい気候を生かして普通より早い時期に栽培する。
高知県のなす、宮崎県のピーマンが有名
高冷地農業…夏でも涼しい気候を生かして葉野菜を栽培する。
長野県・野辺山原のはくさい、群馬県・嬬恋村のキャベツ
近郊農業…大都市に近い地域で、時期に合わせた作物を栽培する。
千葉県・茨城県などでとくにさかん
という3種類に分けることができます。この3パターンはこれからも定番で登場します。
また、時期をずらして栽培を行う理由は「ほかの時期をでとれない時期に生産することで高い値段で出荷できる」、促成栽培の利点は「消費地に近いので新鮮なまま運べ輸送費もかからない」という記述問題も定番と言えるでしょう。

76ページ下には東京に出荷される月別の産地がわかるグラフがあります。ここからは、時期によって産地を選んで入荷していることを読み取りたいです。テストでは夏の産地が空らんで群馬県と答えさせる問題もありそうです。

次に野菜・くだもののおもな産地が地図で示されています。
野菜では上で紹介したものに加えて、北海道のたまねぎ、愛知県のキャベツを覚えておきたいです。ちなみに、千葉県・茨城県は多様な作物で上位に顔を出しすぎるので、特定の作物を覚える必要性は薄いです。

くだものの中ではみかんが長年生産量1位を続けてきました。しかし、近年では消費者がいろんなくだものを食べるようになったこと、オレンジなどのライバルが多いことからみかんの生産量は減少しており、年度によってはりんごに負ける年もあります。

1位 2位
みかん 和歌山 愛媛
りんご 青森 長野
ぶどう 山梨 長野
もも 山梨 福島
おうとう 山形

くだものは出題方法がはっきりしているので確実に点数にしていきたいところです。


予習シリーズ社会解説 「4年下第11回 米づくり~日本の農業(1)~」

予習シリーズ4年下はこの第11回から実に6回にわたって日本の農業を取り上げます。食というのは人間の生活の根源であり、地形環境などに左右される農業は受験社会としても出題の幅を広くとれ極めて重要な単元です。
特に、今回の単元で学習する米は言うまでもなく日本の主食で、日本文化の象徴の1つといえるでしょう。それを分かってもらうために、授業で「炊く前の状態は米というけど、炊いた後はご飯という。英語では両方ともriceだけど、日本語では使い分けている。なんで使い分けるかというとその必要があるからである。さらに、ご飯という言葉が食事のことを言うように米=食事といえるほど同じものとして見られている」という話をします。

まず、米作りの盛んな地域ですが、その前に今回の単元で覚える必要はそれほど高くありませんが、米はもともと気温が高く雨が多い熱帯の植物であることは知っておきたいです。本来熱帯の植物である稲を、今や冷帯の北海道で大量に生産していることでどれだけの工夫が行われてきたかを感じることができるからです。
米作りが盛んな地域ですが、ぜひここで秋田平野・庄内平野・仙台平野・越後平野石狩平野上川盆地といった地形名を覚えたいです。第9回で触れている内容でもありますし、入試で直結する知識になります。なお、新潟県と北海道は米の生産1位・2位を争っており、時折順位が入れ替わります。ですので、どちらかが1位というよりセットで覚えてしまえばよいです。ついでに秋田県が3位(わりとこれは固定されています)も知っておきたいです。

米作りの流れといえば
育苗→田起こし→代かき→田植え→中干し→稲刈り→乾燥
という並べ替え問題です。田起こし・代かきではトラクター、稲刈りではコンバインが使われることも写真付きで確認します。ただ、ここで気を付けないといけないのは都心部を中心に田んぼをみたことがない生徒がいることです。じゃあ、なにができるかといえば困るのですが田んぼぐらい見たころあるだろうと思って授業をして違う反応をされると焦るので心構えだけはしておきたいです。まじめな話、受験で合格するには多様な知識と考え方が必要になるので、保護者の方には子どもたちにいろんなものを見せてやってほしいです。

食生活の多様化により米の消費が減っているというのは先々記述の定番になりますが、感覚的に子どもたちもわかるのでそれほど難しくはありません。

この単元でそれほど出題されることではありませんが、学習を深めるページの水田のはたらきは重要です。環境と食に関するテーマは現在の入試で頻出です。
①水をたくわえる
②洪水を防ぐ
③きれいな水を作り出す
④夏の暑さを和らげる
⑤生き物の住みかとなる
と多様な働きがあります。このあたりの1つ2つは答えられるようにしておきたいです。

棚田の再評価が進んでいる話も入試で最近見かけます。今回の単元では言葉だけ覚えておけばいいですが、「都会の人に棚田の良さを知ってもらうために田植え・稲刈り体験のイベントを開催する」といった保存への取り組みは記述問題で登場することもあります。


予習シリーズ社会解説 「5年下第11回 江戸時代(2)」

予習シリーズ5年下の中でも少し異質な回、それがこの第11回です。この回は江戸時代の産業と文化・学問で構成されており、政治・外交といった通常であれば単元の最初に学習する内容がありません。大きな流れで説明することが難しいので、子どもたちにとってやや覚えるのが難しい単元といえるでしょう。

江戸時代の産業を理解するうえで大きなポイントになるのは「農村でもお金を使った商品のやり取りが行われるようになった」ということです。農業では、油かすやほしかといった肥料をお金で買うようになり、綿花や茶、菜種といった商品作物の栽培が広がりました。
また、工場制手工業とよばれる分業により製品を作る仕組みができあがりました。工場制手工業はマニュファクチュアでもかまいませんが、小学生の場合はカタカナ語より漢字のほうが覚えやすいです。

産業に関連して、株仲間、蔵屋敷、両替商といった用語が出てきます。江戸時代に限らずですが、政治・外交と産業の同時代史を問う問題はよく出題されます。先ほどの3つのキーワードは全て江戸時代と特定できるキーワードなので、確実に覚えておきたいところです。株仲間は、鎌倉・室町時代の座との区別や江戸後期の政治でも登場します。蔵屋敷は近畿地方の地理とつなげやすい語句です。

江戸時代の文化はまず町人が文化の担い手になったことがこれまでの時代との大きな違いです。また、元禄文化化政文化という2つの文化がはっきりと分かれているのは、大きな特徴です。室町時代も北山文化・東山文化という区分はありますが、江戸ほど明確に分かれていません。
元禄文化…17世紀末(徳川綱吉)ごろの大坂・京都(上方)の華やかな町人文化
化政文化…18世紀末(松平定信)ごろの江戸中心の皮肉・こっけいを楽しむ町人文化
と分けて理解をしておく必要があります。
江戸時代は文化人だけでも覚えるべき人物がとても多いです。
★元禄文化富嶽三十六景
井原西鶴…浮世草子
近松門左衛門…人形浄瑠璃
松尾芭蕉…俳諧
菱川師宣…浮世絵「見返り美人図」
★化政文化
葛飾北斎…浮世絵「富嶽三十六景」
歌川広重…浮世絵「東海道五十三次」
東海道五十三次返舎一九…「東海道中膝栗毛」
と7人もいます。
いつもこの単元を説明するときは、風景画の北斎と広重は化政文化であるとセットで覚えるようにアドバイスをします。そうすると、今度は2人の区別がつきにくくなりますので、唐突に「東海道と富士山で描かれている範囲が広いのはどっち?」と聞きます。「東海道」という答えが出てきますので、「東海道のほうが範囲が広い。範囲が広重だから東海道五十三次は歌川広重」と大真面目にしょうもないギャグを言います。まぁまぁ、いつも受けます。そのあと、東海道つながりで十返舎一九も化政文化に含め、それ以外のメンバーは元禄文化と分けます。
この辺り、きれいな語呂合わせをつくれればベストなのですが、そういうのはどうも苦手なため覚え方が力業になるのです。ただ、個人的に「語呂合わせは自分でつくることが重要だ」と思っていまして、人から聞いた語呂はあんまり覚えられないんですよね。自分なりに考えて作り出したほうが、自分の中でエピソードとして残るので覚えられます。授業で意識をしているのは、自分なりに覚えるにはどうしたらいいか、その手法のアドバイスをすることです。

江戸時代は国学・蘭学といった新しい学問が登場します。国学は「仏教などが伝わる以前の日本人の考え方を研究する学問」という記述問題が意外と出題されます。中学受験では国学=本居宣長=「古事記伝」をセットで覚えればOKです。ちなみに、ここで授業では「古事記」が何時代なのかを口頭で必ず確認します。正解は奈良時代ですが、まずたいていの生徒は答えられません。だからこそ復習が重要です。社会の授業で大事なのは、教師側が一方的説明するだけの授業にならないように過去に学習した内容を質問できるチャンスは逃さないことです。


予習シリーズ社会解説 「4年上第19回 海とともにあるくらし」

「海岸線の長さではアメリカより日本のほうが長い」

こう言われると大人でもびっくりするかもしれません。日本は海に囲まれた島国の上、出入りの複雑な海岸が多いためです。今の答えは記述問題の解答としても成立する内容ですが、子どもたちの学習意欲を高めるものの1つは、素朴な驚きですので、こういう単元は大事にしたいところです。

さらにいうと、海岸線の長さでは長崎県は北海道に匹敵する長さがあります。北方領土を除いた海岸線でいえば、長崎のほうが長いです。海岸線が長いというのは、長崎県を特定できるキーワードになるので、知っておきたいですね。

砂浜海岸の代表格として九十九里浜が取り上げられていますが、この単元のメインはリアス海岸です。テキストにでているおもな岩石海岸として、大村湾(長崎)、宇和海沿岸(愛媛県)、志摩半島(三重県)、若狭湾(福井県)の名前が出ています。ここで、覚える必要はないですが、将来的には前3つは真珠の養殖がさかんなであること、若狭湾は原子力発電所が集中していることで登場します。

三陸海岸
のようなリアス海岸が養殖に適していることはぜひ理解しておきたいです。海岸近くの海が深く、入り江は波が静かという理由は先々記述問題で登場します。
そして、潮目です。4年生の問題で記述で答える問題は出題されませんが「暖流である黒潮と寒流である親潮が交わり魚のえさとなるプランクトンがあつまり、よい漁場となる」という潮目の説明は記述問題の定番中の定番です。
それから、リアス海岸の負の側面として津波の被害が大きくなるということも触れておきたいです。入り江は波が静かなのに津波の被害は大きくなるという一見矛盾があるからです。この単元は覚える量もそれほどないので津波のメカニズムを簡単に話すようにしています。大人は三陸海岸で津波の被害とくれば「あぁ」と理解できるでしょうが、小4は違います。これまでも繰り返し言っていますが、こういうジェネレーションギャップは教える側として常に気を付けたいです。


予習シリーズ社会解説 「5年下第9回 江戸時代(1)」

受験直前の生徒から「何を勉強したらいい」と漠然に聞かれたとき、大体「とりあえず江戸時代を勉強しておけ」と答えます。江戸時代からの出題がない社会の入試問題はない。そう言い切っていいほど、江戸時代は260年間と期間も長く出題することが多いです。予習シリーズでは3回にわけて学習をしますが、どの回もなかなか盛りだくさんです。

関ケ原の戦いは、現在様々な角度から研究が進んでいますが今のところ、徳川家康が石田三成を破ったことを理解しておけば大丈夫です。ただし、豊臣家が滅亡するのは1615年の大坂の陣なのは注意が必要です。

江戸幕府はそれまでの政権と比べて統治の仕組みが細かく整備されているのが特徴です。大老・老中は基本として覚えなくてはいけませんが、これらは「江戸時代(3)」で再度登場します。意外と出題されるのは京都所司代です。町奉行・勘定奉行・寺社奉行のいわゆる三奉行は、ほぼ出題されません。

親藩・譜代大名・外様大名の区別は重要です。親藩・譜代を江戸の近くや要地に、外様は江戸から遠くに配置したことは地図を見ながら口頭で答えさせたいですね。江戸時代は、譜代大名が中心となって政治を進めていた=政治権力を持っていたのですが、権力を持っている分、石高を抑えて権力の集中を防いでいた話なんかはします。

武家諸法度は史料を見て、それとわかるようにしておく必要があります。武家諸法度を定めたときの将軍である徳川秀忠はそこそこ登場する人物です。
3代家光のときに追加された参勤交代は当然ながら頻出です。「将軍の権威を示すため」という狙いも答えられるようにしておきたいです。なお、参勤交代の狙いで「大名の弱体化」と答えるのは厳密には不正解です。最近の研究で、幕府が大名の弱体化を狙って参勤交代を行っていた説は否定されつつあります。ただ、参勤交代が藩財政に大きな影響を及ぼしたことは事実です。上位クラスであれば、参勤交代により街道が整備されたことも触れたいですね。
予習シリーズには載っていませんが、家光は「生まれながらの将軍」といわれ将軍就任にあたって外様大名に対し「これからはあなたたちを家臣として扱う」と話したエピソードが入試問題のマクラで使われることがあります。

鎖国への流れは、まず家康の時代は鎖国するつもりがなく、さかんに朱印船貿易を行っていたことを抑えます。ここで、日宋貿易・勘合貿易・南蛮貿易あたりも口頭で確認したいですね。この辺の区別は大切です。
鎖国への流れは
1624年 スペイン船の来航禁止
1635年 日本人の海外渡航禁止
1637年 島原・天草一揆
1639年 ポルトガル船来航禁止(=鎖国の完成)
という並べ替えができるようにする必要があります。
ただし、近年「鎖国」という表現は江戸時代の実勢にあっていないという説があります。それに伴って江戸時代の外国のとの交流が入試でも重要視されており、学習を深めるページ「鎖国下に開かれた四つの窓口」は重要な項目ばかりです。
長崎…オランダ・清
対馬藩…朝鮮
薩摩藩…琉球
松前藩…アイヌ
という基本は覚えておく必要があります。最近の入試では、日本の先住民に目を向ける傾向があり、シャクシャインあたりの出題頻度は以前より上がっています。また、正式に国交があったのは朝鮮のみで”将軍が代替わりするたびにお祝いの使者として”朝鮮通信使が来たことは最重要です。

5代将軍徳川綱吉は扱いの難しい人です。一言でいえば生類憐みの令ということになるのでしょうが、これまた最近その治世の評価が見直されています。最近の入試で狙われるのは金貨に含まれる金の割合を下げたため、物価上昇がおきたことです。ただし、これも江戸時代に入り貨幣経済が発達したことにより貨幣の量が不足したのが原因という意見があり必ずしも失政とつながらないという説が強くなっています。必ずしも最新の学説に沿う必要はないのですが、上位校であればあるほど、そういった変化に敏感です。
同時に、そのあと統治をした新井白石の重要度は下がっていますね。綱吉の統治の再評価=白石の政治の評価が相対的に低下することになるからです。


予習シリーズ社会解説 「4年下第9回 山と川がうみだす地形」

日本の国土の約4分の3が山地で、その山から流れる川は短く流れが急で、流れによって削られた土砂がつもってできた地形が広がっている。

というのが、この単元の要約でしょう。この単元では、多くの地形名が登場します。この回で登場している地形の名前はどれも基本で入試においてすべて覚えきることは当然ですが、それを4年生の段階でできるかというのは全く別問題です。

北アルプス山地に関しては、環太平洋造山帯という語句は子どもたちにとって補足説明が必要でしょう。「環」という字は「とりかこむ」という意味があります。太平洋を取り囲むように広がる山地が環太平洋造山帯です。小4だと「環」はもちろん太平洋が地球の中でどれだけ広がっているかを分かっていない場合もあるので、ぜひ世界地図で確認しておきたいですね。

山地・山脈のうち日高山脈・中国山地・四国山地・讃岐山脈・越後山脈は4年生の上半期で、飛騨山脈・木曽山脈・赤石山脈の日本アルプス、紀伊山地は「ふるさとじまん」で登場しています。ここで、大切なことは覚えているかどうかではなく、過去に学習したことと今学習していることはつながりがあるという認識を持たせることです。各単元ごとに毎回全く新しいことを学習していると思っていたら、覚えられるものも覚えきれません。
山地・山脈の中でこの回で覚えたいのはまず東北地方の奥羽山脈です。そして、日本アルプスのそれぞれの位置関係です。3つ山脈が並んでいるので、場所の区別が難しいと感じるかもしれませんが、4年生のテストで出題されるときはまず間違いなく3つの山脈が表示されていて順番で答えが出せるようになっています。西からでも東からでもいいですが順番で答えられるようにしましょう。

川・平野に関しては、扇状地三角州の混同が多発するので注意しましょう。この単元では図で見ることができるので、きちんと確認しておくことが大切です。
地形で初登場なのは、北海道の石狩川、東北の北上川・仙台平野あたりです。三大急流の球磨川・富士川・最上川も改めて説明しますね。

学習を深めるページでは地震についてが説明されています。液状化現象は子どもたちはなかなか知らないので、説明が必要です。それから、津波ですね。どうしても教える側は東日本大震災の記憶が鮮明に残っているので、「知ってるでしょ」と思いがちですが、現在小4の子たちは2011年は幼稚園・保育園です。知らなくて当たり前ですので、改めて説明する必要がありますし、地震が起きたときどうすべきか防災についても少し話しておきたいところです。入試でも出題されますし、社会科を教える以上、生きる上で必要な知識を教えていきたいものです。


予習シリーズ社会解説 「5年下第8回 安土・桃山時代」

社会科が好きな人の多くが好きな時代、それが戦国時代です。戦国時代を取り上げた小説・ドラマ・ゲームなど多くの作品があり、圧倒的に目に触れる機会の多い時代です。そのため、歴史好きの小学生を中心に「待望の戦国時代の授業」となるのですが、戦国時代ばかり丁寧にやるわけにはいかないのが申し訳ないところです。

まず、その戦国時代についてですが、予習シリーズには主な戦国大名とその領地が掲載されています。この中で、覚えておくとしたら甲斐(山梨県)の武田氏と越後(新潟県)の上杉氏でしょう。この2組といえば信濃をめぐる川中島の戦いが有名ですが、最近の入試では塩をテーマにした問題が出題されており「敵に塩を送る」という故事でも知られる武田・上杉は関連知識として登場します。

鉄砲伝来とキリスト教の伝来は
鉄砲…ポルトガル人
キリスト教伝来…フランシスコ=ザビエルがスペイン人
というのがポイントです。意外と重要なのが、平戸です。長崎県北部の貿易港である平戸は江戸時代にオランダ商館が長崎・出島に移るまで貿易の拠点でした。スペイン・ポルトガル(南蛮)との関係は、天正遣欧使節や石見銀山(世界文化遺産)と出題される内容は昔と比べて多くなっています。

織田信長安土桃山時代といえば織田信長、そして豊臣秀吉です。
織田信長の入試でのポイントは関連する人物の多さです。
1560年 桶狭間の戦い…今川義元
1573年 室町幕府を滅ぼす…足利義昭
1575年 長篠の戦い…武田勝頼
1582年 本能寺の変…明智光秀
と4人もいます。また、上記の並べ替え問題も出題されますね。

豊臣秀吉のポイントは太閤検地です。「統一された基準で」土地の広さ、耕作者、どれだけ米がとれるか(石高)を検地帳に記録したことが出題されます。太閤検地によって完全になくなったのが、荘園です。社会科で「完全に」といいきれる出来事はなかなかなく、注意ポイントです。
予習シリーズでは朝鮮侵略に1ページ用意していますが、そんなに出題されるかなというのが印象です。ただ、文禄の役・慶長の役という名前は元寇と混同するので、要注意です。
あと、大阪城が石山本願寺の跡地につくられたことも意外と出題されます。

織田信長と豊臣秀吉の違いで、信長はキリスト教を保護したが秀吉は布教を禁止したということは重要です。

全体として、安土桃山時代は覚えることも少なく、また生徒にとってはなじみやすい単元なので比較的楽で平均点も高くなりやすいですね。


予習シリーズ社会解説 「4年下第8回 日本の気候と各地のくらし」

日本の各都道府県の紹介をする「ふるさとじまん」シリーズが終了しました。この第8回からは日本の気候や地形といった内容を学習していきます。
はっきりいえるのですが、ここまでの回は社会科の学習をする上での興味付けを行う単元でした。この第8回から気候→地形→農業と本格的に中学入試で登場する単元の学習が始まります。

この単元のポイントはただ1つ。日本の6つの気候区の特徴と雨温図の識別をできるようにすることです。この識別に仕方には順番があります。ただし、授業で絶対にするのがグラフの数字の読み取りです。子どもたちはまだグラフというものに慣れていません。グラフが示している意味を説明する必要があるのは注意すべきところです。

①折れ線グラフ(気温)が1月でも他より高い→南西諸島の気候
沖縄の1月の平均気温は15℃を超えます。15℃というのは本州でいえば、4月ぐらいです。つまり、沖縄には実質的な冬がないという説明をします。

②棒グラフ(降水量)の冬が多い→日本海側の気候
冬に北西の季節風がしめった空気を運ぶため、日本海側の降水量が増えます。ここで、気を付けたいのは夏が少なく冬が多いのではなく、夏も降るし冬はもっと降るということです。最初のうちは金沢や新潟という強い特徴を持った地域がテストでも登場します。

③12月から気温がマイナス→北海道の気候
一番気温の低い地域が北海道です。ただし、北海道の雨温図を見分けるときに気を付けたいのは夏の降水量が少ないということです。日本は、梅雨と台風があるため夏の降水量が多くなります。しかし、北海道はこの2つの影響が弱いため夏の降水量が少なくなります。

④降水量が多くなくて暖かい→瀬戸内の気候
瀬戸内海は周囲を山に囲まれしめった空気が入りにくいです。そのため、降水量が少なくなります。ちなみに、降水量がすくないというのは日本の場合、年間で1,000mm程度の降水量です。もっとも、世界ではこれでも多いほうなのですが。

⑤降水量が少なくて夏と冬の気温差が大きい→中央高地の気候
長野県などの中央高地も山に囲まれているので降水量が少なくなります。また、内陸は海から遠いため気温差が大きくなります。生徒には「夏の昼間に地面に触ると…熱いよね。じゃぁ、夜に触ったらどうだろう…熱くないね」つまり、地面というのはあったまるのもすぐだけど、冷えるのも早いという説明をします。テクニカル的には12月に気温がマイナスだと北海道、12月はプラスなのが中央高地です。

⑥夏の降水量が多い→太平洋側の気候
残った1つが太平洋側の気候です。夏に降水量が多いのが太平洋側の気候ではあるのですが、日本は北海道を除けば夏の降水量はどこも多いです。予習シリーズで今回掲載されているのは高知で夏の降水量が300mmをこえる明らかに夏の降水量が多い地域です。ですが、瀬戸内などと比べて年間で500mm程度しか多くない東京なども太平洋側の気候になります。太平洋側の気候は東北から九州まで当てはまるので、中でも大きな違いがあります。ですので、一番最後に残ったものを当てはめるのが無難です。

それから、近年地球温暖化のためか夏の気温が上昇しており、一日の最高気温が35℃以上になる猛暑日が増えています。当然、入試でも出題されており理科でも学習する内容ですが、しっかり覚えておきたいところです。


予習シリーズ社会解説 「5年下第7回 室町時代」

鎌倉時代が北条なら、室町時代は足利です。それぐらい、鎌倉時代と室町時代の重要人物の大半は北条氏と足利氏に集中しています。

足利氏で覚えないといけないのは4人です。
①初代:足利尊氏
②3代:足利義満
③8代:足利義政
④15代:足利義昭
このうち、義昭は次回で登場するので、今回覚えるのは3人です。その中でも、最も重要なのが、3代将軍足利義満です。歴史上の人物で出題頻度が高い人物は特定の分野だけでなく、政治・外交・文化と様々な影響を与えた人物が登場します。足利義満はその典型と言えるでしょう。

足利義満<足利義満の業績>
「政治」南北朝の合一。室町に”花の御所”をたてる。
「外交」日明貿易
「文化」金閣をたてる。観阿弥・世阿弥を保護。→能・狂言・北山文化

このように義満の活躍は多岐にわたるためいろいろな角度から出題されます。日明貿易といえば、勘合を使って倭寇と正式な貿易船を区別したという記述も定番です。また、日本が中国(明)に対して貢ぎ物を持っていく形(つまり、中国のほうが立場が上)で行われたことも知っておいて損はないです。日明貿易では銅銭・陶磁器を輸入し、銅・硫黄を輸出したことも出題されますね。生徒に話すのは、当時の日本は加工貿易でいえば、資源を輸出する側だったことです。それだけ、中国のほうが先を進んでいたということですね。

この時代、朝鮮半島に朝鮮、沖縄に琉球王国が栄えたことも大事なポイントです。琉球王国は中継貿易で栄えましたが、その時期(つまり室町時代)が聞かれますね。

記述問題といえば、時期はさかのぼりますが後醍醐天皇による建武の新政が失敗した理由「天皇・公家重視の政治に武士の不満がたまったため」というのも定番問題です。後醍醐天皇が逃れた吉野も思いのほか出題されます。授業では、いつもここで吉野すぎを口頭で質問しますね。地理の知識と歴史の知識をつなげる作業は重要です。

1467年応仁の乱はそれ以降戦国時代になっていくことから、年号も覚えたい重要な出来事です。「戦乱を逃れるため地方にいった公家などにより京都の文化が全国に広まった」というのも記述で出題されますね。

室町時代に入ると、鎌倉時代以上に産業が発達してきます。鎌倉・室町の経済史は連続性があり上位校であればあるほど、きちんと時代の区別できる必要があります。表に分けてみました。

鎌倉時代 室町時代
農業 西日本で二毛作
牛や馬を使って耕作
草や木の灰を肥料にする
全国で二毛作
水車の使用
たい肥の使用
運送 年貢を運ぶ問丸 問丸から問屋とよばれる卸売業に発達
運送を専門にする馬借
定期市 月3回。同業者組合である座の登場。 月6回。座の拡大。
金融 土倉・酒屋とよばれる高利貸しの登場
産業 地域の特産物や手工業の発達

これらの区別がいつ切り替わったかといえば徐々にとしか言いようがないのですが、鎌倉と室町では産業が明らかに発達していることが分かりますね。

室町時代は村の自治が拡大し、土一揆が起きたことも重要です。
1428年正長の土一揆→1485年山城の国一揆→1488年加賀の一向一揆
という3つの一揆の並べ替え問題も出題されます。ここで重要なのは、山城の国一揆が応仁の乱の混乱の後におきたということです。つまり、並べ替えに応仁の乱を付けたすと、山城の国一揆の前ということになります。また、これらの一揆は全て15世紀ということも重要ですね。


予習シリーズ社会解説 「4年下第7回 ふるさとじまん(6)~九州地方~」

九州4年生の地方別地理の最後は九州地方です。そういえば、5年生のカリキュラムでは九州地方からスタートして北海道で終わるのですが、4年生では逆になっています。なんとなくカリキュラムを設定することはないので、何かしらの理由はあるのでしょう。あくまで推測ですが、東北地方は面積が全体的に大きく場所もはっきりしているので覚えやすいのか、都道府県名を答えるテストをしたときに正解率が高い地域です。北海道を含めて、子どもたちの覚えやすいところからカリキュラムをスタートしているのではないかと思います。

そういうわけで、九州地方はやや位置関係が覚えにくいです。具体的には、福岡・大分・佐賀あたりの位置関係がちょっとごちゃつきやすいイメージがあります。
その中でも、どうしても地味なイメージの付きまとうのが佐賀県です。都道府県の形だけ見たときにどこか分かりにくい筆頭でもあります。ただし、中学入試では佐賀県が含まれる筑紫平野に広がるクリークとよばれる水路や、有明海ののりの養殖、有田焼と意外と出題される要素が多い都道府県です。

今のカリキュラムでは早い段階で都道府県を漢字で書けるように求められます。熊本県は能本県と書いたり、態本県と書いたり漢字ミスが多い都道府県です。カルデラで有名な阿蘇山は入試でも頻出です。「蘇」の字は難しい字ですが、くさかんむり・さかな・のぎへんと漢字の構成要素はそれほど難しくないので早いうちに漢字で書けるようにしてしまいたいです。

宮崎県・鹿児島県の畜産は入試でいろいろな形で出題されます。水はけがよいシラス台地では稲作が向かず畜産向きというのは入試の定番です。

学習を深めるページでは福岡県とアジアとの交流について説明されています。福岡から東京は約900㎞。しかし、韓国の首都ソウルは約540㎞と直線距離では東京よりも近いというのは、確実に触れておきたいところです。近年、福岡市の人口は増加傾向にあります。アジアとの距離はその理由の1つといえるでしょう。
ちなみに、福岡と東京の距離が約900㎞というのも、覚えておくと便利です。東京から見た各地域の距離というのは意外と入試で出題されるものです。


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