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予習シリーズ社会解説 「5年下第18回 昭和時代(2)」

いよいよ歴史単元も最終回となります。昭和時代後半では1945年から約30年間の歴史が取り上げられています。ソ連解体こそ触れらているものの現行の予習シリーズでは1978年の日中平和友好条約までが歴史の扱いのようです。

冒頭では1964年東京オリンピック東海道新幹線開通の話と高度経済成長によって電化製品が発達、そして過疎・過密・公害とマイナスの話も含めて一気に取り上げられています。高度経済成長は5年上でも登場している内容なので、ここで「初耳」という顔をするか「聞いたことある」という顔ができるかは大きな違いです。

GHQ(連合国軍総司令部)の民主化政策は、財閥解体農地改革が特に重要です。農地改革の「地主の土地を安く政府が買って小作人に売った」という内容と「小作人が増えて自作農が増えた」という結果はともに記述問題で狙われやすいですね。もちろん、女性参政権が与えられ20歳以上の男女に選挙権が与えられたということも重要です。将来的に子どもたちにとって選挙権(成人)=18歳が定着すると、この段階では20歳というのをしっかり覚えさせる必要が出てきますね。

日本国憲法は公布日・施行日ともに重要です。11月3日文化の日、5月3日憲法記念日と祝日になっていることも確認します。子どもたちはたいてい文化の日は出てきません。国民主権、平和主義、基本的人権の尊重という三大原則はもちろん重要ですがここでは深入りはしません。6年生の最初(第1回)で詳しく学習するためです。いつも、その前振りはしますね。
ここまでが、授業の前半です。

後半は冷戦から始まります。資本主義と社会主義の話は簡単にします。「みんながお金儲けをしたくてそれぞれに活動するのが資本主義で、それだと格差が大きくなりすぎるので計画的に生産をしようというのが社会主義」というぐらいの大雑把な説明にとどめます。予習シリーズには出てきませんが、西側・東側という表現は見る機会も多いので教えておきますね。

1948年大韓民国・朝鮮民主主義人民共和国の成立から、1949年中華人民共和国、1950年朝鮮戦争の流れは並べ替えで登場しますね。中華人民共和国の成立は韓国・北朝鮮より後というのがポイントです。朝鮮戦争では北緯38度で国境が分かれていることは絶対に触れます。現在の朝鮮半島情勢を考えれば、この辺りの出題頻度は高いです。予習シリーズには38度線の停戦ラインの写真が掲載されています。これは、2018年にムン・ジェイン韓国大統領とキム・ジョンウン北朝鮮委員長が会談を行った場所です。この会談がいかに大きなものだったかを物語りますね。

1951年サンフランシスコ平和条約では、ソ連・中国・韓国・北朝鮮とは講和をしていないこと、同時に日米安全保障条約を調印したことが重要です。吉田茂首相ももちろん出題されます。ちなみに、サンフランシスコ平和条約の条文にある「日本は朝鮮の独立を認める」は、日本を清に変えるだけで「清は朝鮮の独立を認める」という下関条約(1895年)の内容になります。時代の移り変わりを感じますね。
安保闘争・所得倍増計画も予習シリーズに載っていますが重要度は一段落ちます。

1956年に日ソ共同宣言を結び国際連合に加盟したのも当然重要です。1951年やこの後登場する1972年もそうですが、同じ年に重要な出来事が重なっているのが昭和後半の特徴です。

吉田茂と並んで戦後の内閣総理大臣のなかで重要なのが佐藤栄作です。1965年日韓基本条約から1972年沖縄返還まで内閣総理大臣を務めました。予習シリーズではどういうわけか佐藤栄作ではなく、そのあと内閣総理大臣を務め同じ1972年に日中共同声明を調印した田中角栄が太字になっています。非核三原則・ノーベル平和賞と出題ポイントがはるかにおおい佐藤栄作のほうが重要度は高いので、ちょっと謎です。1972年は出題頻度の高い年号で「夏(72)沖縄返還(本当は5月ですが)」という語呂合わせで教えています。

1973年に石油危機が発生して高度経済成長が終わりを告げます。石油危機は5年上第1回の水産業で登場した語句です。1年の最後に、年度の最初に学習した語句が再登場するのは偶然ですが粋ですよね。


予習シリーズ社会解説 「4年下第17回 食べ物は日本でつくられる?」

6回にわたった農業単元の最後は日本の農業の特色についてです。

食料自給率は入試でも頻出のテーマです。国内消費量÷国内生産量×100(%)で掲載できることは知っておきたいですね。数値面で、覚えておきたいことは、全体の自給率が約40%、米は100%だが穀物だと30%弱、野菜が8割、肉と果物が半分、小麦が約15%、大豆が5%であること。そして、全体的に低下傾向にあることです。
特に、小麦・大豆は頻出で低いほうが大豆とわかっている必要があります。

食料の輸入が増えた理由は、「食生活の多様化(洋風化)」「海外のほうが価格が安い」という2点は抑えておきたいです。貿易の自由化については安易に深入りしないほうがいいでしょう。

輸入農産物の課題というと「安全性のチェックがしにくい」「相手国の事情で輸入できなくなったとき食料が不足する」といったあたりが定番です。ただ、実際のところ、そこまで単純化できるものではないのか、最近の入試で問われるイメージは薄いです。国内なら安全、海外は不安と取られてしまいかねない内容ではあると思います。

日本の農家の規模が約2haというのは、知っていても損はない知識です。ただ、入試でピンポイントで聞かれるかといえばそうでもないかと。ただ、日本の農業規模がどの程度かは感覚として知っておきたいです。農地の減少に対して農家の戸数の減少が大きいので、一戸当たりの農地面積は増加しています。

農業の分類といえば、専業農家と兼業農家です。しかし、現在では8割以上が兼業農家のため、販売農家自給的農家という新しい分類が使われています。ただ、専業・兼業は一般用語として使われるので、区別して覚えておきましょう。
ここで意外と大事なのは高齢者が65歳以上だということです。

農業のはたす役割、これからの農業は?といった内容は太字の語句がないため一見重要ではなさそうに見えます。しかし、農業の果たす食料生産以外の役割を答える記述問題がありますし、これからの農業の工夫についての記述問題も多く、先々重要です。授業では、きちんと時間をとって説明します。
特に、農家が生産した作物を自分たちで加工、販売まで行うことを6次産業といって入試問題での出題例もあります。


予習シリーズ社会解説 「4年下第18回 森林とともに生きる」

日本の国土の3分の2は森林です。これは、北欧のスウェーデン・フィンランドに匹敵する割合で、日本は世界屈指の森林国です。「持続可能社会」がうたわれ、森林の役割が再認識されています。中学入試でも、それを反映してコンスタントに林業に関する問題が出題され、しかも記述系の問題が多いので注意が必要です。ちなみに、森林率(3分の2)と山地率(4分の3)は混同しやすいので気を付けましょう。

まず、針葉樹林と広葉樹林についてです。
針葉樹林…すぎ・まつなど。材木に向いている。
広葉樹林…ぶな・かしなど。根を伸ばすため地力を高める。
という区別をしておきましょう。私は、必ずここで針葉樹林・広葉樹林の地図記号も確認しています。

津軽ひば・秋田すぎ・木曽ひのきの三大美林は必須知識です。天竜すぎ・尾鷲ひのき・吉野すぎは人工の三大美林と別くくりになっています。この中では、吉野すぎは出題されやすいですね。
白神山地のぶなの原生林、屋久島のすぎの原生林も重要です。学習を深めるページで世界遺産について説明されているので、ここで確認しておきましょう。ナショナル・トラストも重要です。全国的には和歌山県の天神崎、首都圏では狭山丘陵が有名です。
原生林=ほとんど人の手が関わっていない森林、というところも押さえておきます。

森林のはたらきはいろいろありますが、一通り知っておきたいです。「生き物のすみかになる」あたりが特に意識たいところです。

林業の手順である
植林→下草刈り→枝打ち間伐→伐採
という流れは並び替えの定番です。もっとも、この時期のテストではそれぞれの語句を答えさせる問題が出題される可能性が高いです。
間伐の話をすると、「かわいそう」という意見が出ることもあると思います。日本の森林は昔から人間がかかわってきた森林が大半で、間伐をすることで、森林自体の新陳代謝が行われて、新しい生命が生まれるといった話をしたいです。これは、現在「人間の手が入らくなった森林が荒れている」という入試でも出題されそうな記述問題への振りになります。

最後に、林業は危険が伴うため後継ぎ不足が深刻であること、輸入木材に押されていることは確認しておきましょう。


予習シリーズ社会解説 「5年上第17回 昭和時代(1)」

1929年 世界恐慌
1931年 満州事変
1932年 満州国建国、五・一五事件
1933年 国際連盟脱退
1936年 二・二六事件
1937年 日中戦争
1938年 国家総動員法
1939年 第二次世界大戦
1940年 日独伊三国同盟
1941年 日ソ中立条約・太平洋戦争
1945年 沖縄戦、広島・長崎原爆投下、ポツダム宣言受諾

この単元に関する必須事項をざっと並べただけでこのようになります。これだけ短い期間に出来事が連続している場合、語呂合わせで全部を覚えては絶対にいけません。語呂合わせの表現が同じようなものばかりになってしまいますし、そもそも流れを理解することが重要だからです。

満州事変に関しては柳条湖事件をきっかけにおきたことも当然出題されます。満州国建国に批判的だった犬養毅が暗殺され、国際連盟を脱退したというのが一連の流れです。もちろん、実際の歴史ではここまで単純ではないことは承知していますが、受験社会では一定の単純化が求められます。

日中戦争は、北京郊外の盧溝橋での衝突をきっかけに起きたことが重要です。まず、北京郊外です。よくあるひっかけが「中華民国の首都の北京郊外で…」というものです。当時の首都は南京ですので注意しましょう。また、盧溝橋事件と柳条湖事件は混同しやすいので気を付ける必要があります。授業では、橋を境ににらみ合いをしていた日中軍のちょっとした衝突がきっかけで戦争に突入したという話をして、日中戦争開戦の様子をイメージ化させ、盧溝”橋”を印象付けます。

この単元は、出来事が次々と起きますが、次々と起きる分説明はしやすいです。ただ、少しデリケートな回ではあります。その象徴が南京事件もしくは南京大虐殺です。教える側にも教えられる側の後ろにいる保護者にも政治的な志向があり、それが表面化しやすい内容です。そんな事実はなかったと主張する人までいる内容ですが、規模について議論はあるものの事実と知ってあったことは間違いないことです。できるだけ、さらっと南京事件として触れるようにしてます。虐殺をさけるのは純粋に漢字が難しいからです。

国家総動員法は「政府が議会の承認なく物資や人を戦争に投入できる」という内容の記述ができるようにしたいです。テキスト冒頭の金属を供与して武器にあてた話にもつながってきます。陶器の通貨や竹のランドセルは入試でも話題として出てきますね。
植民地に対しては「日本語・日本の歴史の教育を行い、戦争・工場に動員した」という話はします。強制性は判断が難しいので、私は深入りしません。個人的には、国内でも工場への動員があった以上、同様のことが行われていた考えるのは筋だと思いますが。

第二次世界大戦はドイツがポーランドに侵攻したことで始まったこと、ドイツの指導者ヒトラーがユダヤ人を迫害したこと辺りは触れます。アウシュビッツや杉原千畝は初めて授業をするときに触れる余裕があるかと言われれば微妙ですね。

太平洋戦争の起きた原因は「石油などの資源を求めて東南アジアに進出した結果、アメリカ・イギリスと対立した」という点に集約させて説明しています。そのため、1941年の開戦については、真珠湾だけではなく、マレー半島に侵攻したことも重要視しています。

ここからは、ある意味シンプルです。戦時中のくらしは学徒出陣と勤労動員が混同しやすいですが、言葉の意味を考えればわかるはずです。
そして、1945年です。東京大空襲→沖縄戦→ドイツ降伏→広島原爆→ソ連が満州に侵攻→長崎原爆→ポツダム宣言受諾(→国際連合成立)と、1年の中でとんでもない並び替え問題が成立します。まちがいなく、歴史の中で最重要年号でしょう。
沖縄戦では県民の5分の1が犠牲になったことは必ず触れます。今に続く沖縄基地問題の原点です。考え方はいろいろあると思いますが、まず知ることが大切です。
広島(8/6)・長崎(8/9)・敗戦(8/15)の日付は、大人になって知らなかったら恥をかく一般常識と言い切って教えています。なお、語呂合わせは「ハ(8)ム(6)食って吐(8)く(9)と合わせて(6+9=)15で敗戦」といっています。最後に下品になりましたが、語呂合わせは下品なほうが覚えるんですよ…。


予習シリーズ社会解説 「5年下第16回 大正時代」

大正という元号は1912年から1926年の15年間使われました。他の時代と比較すると短い期間ということもあり、ここ数回と比べると楽な単元です。

さて、大正時代といえば第一次世界大戦です。中学校の教科書では三国協商・三国同盟という名称がでてきますが、予習シリーズでは出てきていません。一言でいえば、日本の歴史が中心だからです。そのため、日本が日英同盟を理由にイギリス側で参戦したことと、中華民国(清から変わったことを説明しないといけません)に二十一か条の要求をつきつけたことのほうが重要視されます。

予習シリーズでは別単元になっていますが、大戦景気についてはこのタイミングで説明します。大戦中の内容はこのタイミングで話したほうがわかりやすく、テキスト通りの順番で必ず説明する必要はないです。

1917年におきたロシア革命によりソビエト社会主義共和国連邦が成立します。この単元では正式名称を覚えておく必要があります。まぁ、板書すると確実に生徒がげんなりしますね。ただ、感度のいい子は「ソ連」という聞いたことのある言葉が略称だったんだと気づいて面白そうにします。この単元は、時間があるので社会主義・共和国・連邦という言葉の意味を簡単に教えます。
社会主義…土地などを国で共有する⇔資本主義
共和国…君主がいない
連邦…国が集まってできている国
そうしたほうが長い国名を意味付けして覚えやすいですからね。
そして、シベリア出兵は米騒動のきっかけになり原敬が初の本格的政党内閣をつくったというつながりがあります。「ロシア革命→シベリア出兵→米騒動→原敬」は並び替え問題の定番です。ただ、原敬は大正デモクラシーで説明したほうがいいので、後回しですね。ちなみに、上位クラスであれば原敬が所属していた立憲政友会まで覚えたいです。

1919年ベルサイユ条約は語呂合わせで覚えやすい年号です。ベルサイユ条約の内容はそこまで深堀しなくても大丈夫です。国際連盟の成立はしっかりやっておきたいです。アメリカが不参加だったことと、本部がスイスのジュネーブ、事務次長を務めた新渡戸稲造がポイントです。新渡戸稲造は前の5,000円札の肖像画に使われていた人物ということで思ったよりも出題されます。
三・一独立運動と五・四運動は朝鮮・中国どちらで起きたかが、ごっちゃになりやすいので注意が必要です。朝鮮は日本の植民地だったので独立がつくというのが分け方です。柳寛順は女子中でたまに見かけますが、ここで触れる必要はないでしょう。

大正デモクラシー護憲運動も意外と混同しやすいです。憲法に基づいた政治(立憲政治)を求める動きが護憲運動で、女性運動や社会運動なども含んだ民主主義の実現を求める風潮が大正デモクラシーです。
1925年の普通選挙法治安維持法はセットで問題にされることも多い重要内容です。何度も言っていることですが、重要な出来事が2つある年号はそれだけで出題頻度があがります。当時の内閣総理大臣である加藤高明もそこそこ出題されます。

水平社宣言と雑誌「青鞜」の冒頭の部分は史料問題での出題がとても多いです。意外と、水平社宣言(1922年)と関東大震災(1923年)が並び替え問題で出題されるので、上位クラスでは触れておきたいですね。

明治時代もそうですが、大正時代の文化の出題はそれほど多くありません。地下鉄・バス・ラジオでほぼ大丈夫です。


予習シリーズ社会解説 「4年下第16回 作物をたくさんつくるには?」

米・野菜・くだもの・畜産と一通りの農業の学習を終え、この単元からは農業における工夫と今後の農業のあり方がテーマになっています。

この単元は最初の2ページに覚えるべき内容が集中しています。まとめるとこうなります。

<開拓>
根釧台地(北海道)…酪農
野辺山原(長野県)…高冷地農業
<干拓>
有明海(九州)、児島湾(岡山県)、八郎潟→大潟村(秋田県)
<暗きょ排水で湿田を乾田にする>
信濃川下流…越後平野
<客土>
石狩平野
<用水>
安積疏水…猪苗代湖→郡山盆地
愛知用水…木曽川→知多半島
明治用水…矢作川→岡崎平野
豊川用水…天竜川→豊川→渥美半島
香川用水…吉野川→讃岐平野

はっきりいって、月単位のテストで点数を取るということでいえば上の内容を覚えるだけでほぼ完了です。量も十分あります。ただ、それだけでは先々の学習につながりません。理屈もいろいろ知っておきたいところです。

まず、干拓です。荒れ地を切り開く開拓に比べ、干拓は子どもたちにはピンときません。堤防をつくった上で海の水を干しあげて土地をつくりだす干拓は日本各地で行われました。干拓の「干」は干すという漢字であることは着目させたいです。

耕地整理、湿田を暗きょ排水などの工夫で乾田へと変える工夫の共通点は、機械を使って農業がしやすくなることです。ここは、将来的に記述で狙われるポイントなので知っておきたいですね。

用水に関しては、愛知県に注目したいです。工業生産1位の愛知県は入試でも最も出題される都道府県の1つです。将来的には知多半島・渥美半島だけを見て愛知県とわかるようにしたいですね。

生産を高める工夫については、太字が一気に少なくなったので一見重要度が低そうに見えます。しかし、品種改良で寒さに強い作物を作ってきたこと、大型の農業機械を使うことで農業にかかる時間が減ったが、機械を買うお金が負担になっていることなど理解すべきポイントは数々あります。
上位クラスでは「最近は、暑さに強い作物をつくる品種改良が行われているんだよ」なんていうアプローチをしたいですね。当然、地球温暖化対策です。

学習を深めるページにある循環型農業も注目しておきたいです。「循環」というのは現在の社会のテーマの1つです。
個人的には工場で野菜を栽培する話に注目しています。室内で育てる=害虫駆除のための農薬がいらないという話は子どもたちも食いつきやすいエピソードだと思います。


予習シリーズ社会解説 「5年下第14回 明治時代(2)」

この回では、不平等条約の改正、日清・日露戦争、明治時代の産業・医学・文学の発達と3つの単元を学習します。

単元の冒頭に鹿鳴館の様子を描いた絵があります。この絵なんとなく違和感があるんですよね。その違和感の正体は浮世絵顔と洋装のアンバランスさです。この絵は、錦絵つまり浮世絵なんです。だから、浮世絵風の顔が書かれているのも当然なのですが、急速に西洋の文化を取り入れようとしている奇妙さも映し出している気がします。

明治初期の外交については、岩倉使節団と征韓論です。まず、岩倉使節団は派遣されたメンバーですね。岩倉・伊藤・木戸・大久保とほぼ明治維新のオールスターがそろっています。ちなみに、有名な写真で唯一名前が付けられてない人物は山口尚芳(ますか)といいます。
前回の授業で唐突に西郷隆盛が政府を辞めて西南戦争を起こした形になっていますが、西郷が政府を辞めた理由の1つが征韓論が受け入れられなかったことです。にもかかわらず、わずか2年後に朝鮮を武力で開国させているのは、「なんでやねん」という感じですね。

明治時代の政治・外交のテーマは不平等条約の改正でした。
1894年 陸奥宗光がイギリスとの間で領事裁判権(治外法権)の廃止を実現。
1911年 小村寿太郎がアメリカとの間で関税自主権の回復に成功。
は全て覚える必要があります。領事裁判権の廃止が1894年で日清戦争の直前に行われたというのは並べ替え問題のミソです。領事裁判権の廃止→甲午農民戦争→日清戦争という並べ替えが成立するからです。

さて、日清戦争ですがその前の甲午農民戦争も大事です。いってしまうと、日清戦争は基本すぎて入試では聞けないんですよ。きっかけとなった出来事も覚えたいです。ここで、下関条約ですが、まず子どもたちに戦争と条約はセットで覚えることを言う必要があります。私は戦争は国同士のけんかで条約で仲直りするんだけど勝ったほうがいろいろ条件を付けるという説明をします。下関条約でリアオトン半島、台湾、賠償金と多くのものを手に入れましたが「清は、朝鮮が独立国であることを認める」という内容もきちんと触れておきたいです。
リアオトン半島はロシア・フランス・ドイツの3国がリアオトンの返還を要求したという出来事ですが、テストで三国を答える問題はよく出ますね。受験近くなると口頭で子どもたちが覚えているかチェックするんですが、この質問で「イギリス」と安易に答える生徒は要注意ですね。なにしろ、イギリスは領事裁判権の廃止を最初にした国で、さらに同盟の相手として登場しますからね。この時期、ロシアの南下を抑えたい日本とイギリスの関係性が分かって入れば、三国干渉の三国にイギリスは絶対入らないです。

日露戦争といえば、与謝野晶子です。与謝野晶子の「ああ をとうとよ君を泣く~」は史料の定番です。この歌を戦争に反対する歌と紹介されることが多いですが、与謝野晶子自身は戦争を賛美する歌も残しており、反戦家というわけではありません。キリスト教徒で戦争に反対した内村鑑三、社会主義の立場から反対した幸徳秋水も触れたいところですが、時間の関係で厳しいですね。
ポーツマス条約については賠償金がなかったというのが最重要ポイントです。そもそも、アメリカに仲介を頼んだ時点で日本が純粋に勝利した戦争ではないのがポイントですね。

1895年 台湾
1905年 南樺太
1910年 朝鮮半島
と植民地を増やしていったことを地図で答えさせる問題もよくでます。韓国併合に関してはこの回ではさらっとしかやらないです。というよりもやる時間がない。予習シリーズでは伊藤博文を暗殺した安重根を太字にしていますが、韓国にとっては英雄でも日本にとってはそうではないのでその必要があるのかと思います。ただ、入試には出るんですよね、安重根。

明治時代の産業の発達については、予習シリーズに載っている明治時代の貿易の推移が全てです。1882年に綿糸を輸入していた日本が、1897年には原料である綿花を輸入し、綿糸を輸出するようになっているんです。つまり、ここで日本の加工貿易が成立し始めた分岐点なんですね。このことにはぜひ触れておきたいです。
下関条約で得た賠償金でつくられたものの1つに八幡製鉄所があります。八幡製鉄所は地理の北九州工業地帯で登場してます。足尾鉱毒事件もそうですが、子どもたちは地理の知識と歴史の知識がつながるとけっこう喜びますね。こういう喜びは大事にするようにしています。


予習シリーズ社会解説 「4年下第12回 畑でつくられるもの~日本の農業(2)~」

今回は、畑でつくる作物のうち米以外の穀物、いも類、工芸作物です。

穀物という子どもたちに聞きなれない言葉が登場します。穀物は米や麦など主食となる植物を指します。とうもろこしや豆などが主食になる国もあるというと意外がられます。炭水化物という栄養素に触れてもいいでしょう。
とうもろこしや大豆などは飼料作物に大半が使われることも触れておく必要があります。

小麦・大豆・じゃがいもと1位が北海道の作物が続きます。受験知識としては2位も覚えておく必要がありますが、4年生段階では1位北海道だけ覚えておけばいいです。むしろ、以前に学習した十勝平野で畑作がさかんということを確認するほうが重要です。

とうもろこしやさとうきびを原料としたバイオ燃料は4年生はまず知らないことですし、再生エネルギーを重要視する現代では入試でも頻出なのでぜひ覚えさせたいです。バイオは生物という意味にも触れておきたいですね。

さて、工芸作物とは工場で製品に加工される作物のことです。
まず、砂糖の原料となるさとうきびとてんさいです。さとうきびは沖縄・鹿児島、てんさいは北海道と全く生産地が逆ではっきりしているのですが、混同は多いです。てんさいは生産の100%を北海道でしている珍しい作物なので、確実にそのことを伝えます。てんさいは形がイメージできないですが、別名「さとうだいこん」というとシンプルで分かりやすいです。

「学習を深めるページ」でについて詳しく書かれています。社会科では「お茶」と書くと不正解になるので注意します。「お茶」は飲み物だから、畑にペットボトルがついてる感じになっちゃうというとそこそこ笑いが取れます。茶といえば静岡県ですが、最近鹿児島県が早く出荷できることと大規模な農業で生産量を伸ばしています。もしかすると、順位が入れ替わることもあるかもしれません。茶にとって霜は大敵で畑にファンを設置しているところもあります。写真が問題にあって、目的を聞く問題も先々登場します。

いぐさ・こうぞ・みつまた・紅花・うるしは写真で見る機会がなかなかないので1つ1つ目でみて確認するようにしていますね。


予習シリーズ社会解説 「4年下第14回 肉や牛乳をつくる~日本の農業(4)」

この単元では畜産について学習します。
授業では、まず牛といっても肉牛と乳牛の2種類がいることを教えなくてはいけません。テストで「牛」とだけ書くと不正解になるので注意しましょう。この単元で覚えるべきことは

1位 2位 3位
乳牛 北海道 栃木県 岩手県
肉牛 鹿児島県 宮崎県
鹿児島県 宮崎県
肉用若鶏

という畜産物ごとのさかんな都道府県の一覧です。採卵鶏はとくに生産が多い都道府県がなく順位も入れ替わるため特に覚える必要はありません。また、肉用若鳥も鹿児島県と宮崎県の順位はよく入れ替わるのでどちらかが1位と覚えておけば十分です。
表を見ての通り、北海道・鹿児島・宮崎が畜産に強いというのは感じておいてほしいです。入試では都道府県単位でどの種類の農業が盛んかを問う問題は多いです。

予習シリーズには「出荷された肉の量」「畜産農家の数」「農産物の輸入量の変化」のグラフがありますが、それぞれ読み取れることを確認したいです。こういった覚えることが少ない単元のときこそグラフの読図をやっておきたいです。
「出荷された肉の量が増加している→肉や乳製品を食べるようになった」
「畜産農家の数は減少している→出荷量は増えている→一戸あたりの出荷量は増えている」
「農産物輸入が増えている→食生活が多様化した」
といった内容を読み取っていきたいです。

農産物の輸入が増えて自給質が落ちているというのは、現在の日本の食料政策の課題と考えられています。つまり、入試に出ます。農産物の輸入が増えた理由は、外国のほうが安いといった理由もありますが農産物の輸送技術が発達したというのも大きいです。アメリカからの輸入圧力が加わっているのも大きいですが、小4段階では貿易は詳しくやっていないので無理に触れなくてもいいでしょう。

学習を深めるページでは農薬や有機農業、遺伝子組み換えといった食の安全性といったことが書かれています。目先のテストで出題される内容ではありませんが、先々知識として知っておきたい内容ですので、必ず触れるようにしていますね。

 


予習シリーズ社会解説 「5年下第13回 明治時代(1)」

歴史の学習もついに近代に入りました。
歴史の授業をするときに気を付けなければならないことの1つに、江戸時代までと明治時代以降では授業の視点を変えなければならないということがあります。どういうことかというと、江戸時代までは政治の流れを説明するときに人物中心に話をしていけばよかったのに対し、明治時代はそれができないということです。例えば、奈良時代であれば聖武天皇、鎌倉時代であれば北条政子や泰時、時宗といった人物名を挙げて授業をしてきました。
しかし、明治時代はそれまでと比べると短い期間の間に多くの出来事がおき、出来事と人物を直結できないことが増えます。つまり、今までの人物中心の歴史で説明ができないということです。
私が授業をするうえで心がけているのは、日本を1つの登場人物として擬人化するイメージです。明治以降は、日本だけではなく中国や朝鮮、欧米の動きも中学入試の範囲内で大切になってきます。世界の中で日本がどんな動きをしてきたのかを感じながら理解を深めさせていきたいところです。

もう1つ明治時代以降で特に重要になるのが漢字の意味を確認することです。例えば、「版籍奉還」は版図(土地)と戸籍(人民)を奉還(天皇に返す)ことですし、「廃藩置県」は読んで字のごとしです。「富国強兵」は国を富まして兵を強くする、「殖産興業」は産業を殖やし興すという意味を理解させなくてはいけません(この2つはよく混同します)。
明治維新の改革の中で、特に地租改正は大きなポイントです。土地の所有者に地券を発行し、地価の3%を現金で納めさせるという政策によって、明治政府の財政が安定したという知識が出題されます。

文明開化に関しては、ガス灯・鉄道・郵便・太陽暦といった大きな変化があります。入試で出題される場合は「文明開化じゃないもの」を選ぶ問題が多いですね。おおよそ、ラジオ・電気といった大正時代に普及したものが答えになります。
そして、私が”敬愛してやまない”福沢諭吉“先生”です。とにかく、漢字間違いが多い。論・輸・輪、全部ありえますので授業ではノートなどにきちんと書けているか1人1人チェックします。”できるだけ多くの福沢諭吉先生に囲まれて暮らしたい”という、間違いなくウケます。

後半は自由民権運動と大日本帝国憲法です。1877年西南戦争を経て自由民権運動へとなっていくのですが、自由民権運動のきっかけとなった民選議院設立建白書は1874年で西南戦争よりも前というのは並び替え問題で気を付けるべきところです。授業で説明するときは、必ず西南戦争が先になるので間違えやすいんですね。

伊藤博文憲法制定にあたっては”君主県の強い”ドイツの憲法を参考にしたことは定番中の定番です。なお、初代内閣総理大臣である伊藤博文は同時に史上最年少内閣総理大臣(44歳)でもあります。内閣制度(1885年)ができてから大日本帝国憲法(1889年)ができたという並べ替えも注意したいところです。内閣総理大臣・主権といった教える側にとっては常識の言葉も子どもたちには初めて聞く言葉です。その辺りは丁寧に説明する必要があります

帝国議会に関しては衆議院の選挙権「直接国税15円以上納める満25歳以上の男子」は言うまでもなく記述の定番です。なお、最初の選挙では北海道・沖縄に選挙権がなかったため「全国で衆議院選挙が行われた」という表記は誤りになるので正誤問題では狙われるポイントですね。


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