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予習シリーズ社会解説 「6年上第17回 現代の日本と世界」

お金大好き予習シリーズ社会の新しい単元もこれが最後になりました。経済・国際社会・宗教と盛りだくさんな内容で、中学3年生で学習する内容が重なります。一度に複数の単元を学習ので、中3ほどの深入りは禁物です。

最初に、生産と消費という経済の基本について書かれています。ここの内容はサラッと済ませましょう。お金のはたらき「価値の基準」「交換の手段」「価値の貯蔵」というのは社会科ではおなじみの内容ですが、小6では暗記することではなく、なんとなく理解するという姿勢が必要です。授業では、物々交換の時代の話をしていかに不便だったかというところから考えさせます。

需要量供給量は、需要曲線や供給曲線といった中学校の内容に深入りするとドツボに入ります。みんながその商品を欲しいと思ったら(需要量が増えたら)、値段はどうなる→上がるという程度の理解で十分です。ついでに、ここで物価が上がる=インフレであること、物が売れているということは景気が良いというところまで一気に説明したほうがスムーズです。

銀行(金融機関)はどの生徒も知っている名前ですが、みんなから集めたお金を貸し付けて経済をまわし利子の差で利益を上げるということは分かっていませんので説明する必要があります。100万円預かったお金を貸して、110万で返してもらい、預かった相手に101万で返すと9万円残って、これが銀行の利益になるという数字を出して説明します。
日本銀行の3つの役割「発券銀行」「政府の銀行」「銀行の銀行」は暗記です。

子どもたちは不景気という言葉は知っていても、不景気になるとどうなるかは意外とわかっていません。まず、不景気とは物が売れない状態であることを確認します。そして、物が売れない=企業はもうからないから、給料が下がる。失業者は増える。会社はつぶれる。という一連の流れを確認しておきます。そして、景気対策の話になるのですが、基本的に景気対策で出題されるのは不景気の時の対策です。
・公共事業を増やす
・減税を行う
・金利を引き下げる
という3点セットですが、テストでは「増税だっけ、減税だっけ」と混同しがちです。基本原則として、お金がないから不景気になるので景気対策=お金をみんなにまわすことであるという認識を持たせています。そうすると、仕事を増やすために公共事業は増やしますし、お金を借りやすくするために金利を下げるという知識につながります。

プラザ合意→バブル景気と崩壊→失われた20年という現代経済の流れは深入りすると危険です。確認をしておきたいことは、長期的に日本は円高であること=輸出産業が大変だったこと、非正規雇用が増加しており格差の問題が広がっているということです。

ここで話がガラッと変わって戦後の国際紛争の話になります。授業の前半でどれだけ時間がかかったかで、ここにどれだけ時間が使えるか変わるのですが、確実に触れるのは冷戦終結と1991年湾岸戦争と2003年イラク戦争です。
1989年 ベルリンの壁崩壊。マルタ会談で冷戦終結
1990年 ドイツ統一
1991年 ソ連解体
という平成初期の国際情勢の並べ替えは頻出です。ちなみに、最近の入試ではソ連の指導者ゴルバチョフが意外と出題されているので上位向けに覚えておくとよいです。

湾岸戦争とイラク戦争は両方ともイラクがかかわっているために子どもたちは混同します。ところが、教えている側である大人は湾岸戦争はインパクトが強い出来事だったため明確に覚えているため混同しません。このギャップは危険で、子どもたちは湾岸戦争はおろかイラク戦争のときも生まれていないということを前提に話をしないといけません。イラクがクウェートに侵攻してはじまったのが湾岸戦争です。

あとは、最近の入試でイスラム教関係の出題が増えています。開祖ムハンマド、聖地メッカに1日5回礼拝をする、豚肉をたべない、ラマダーンという断食月があるといったことは押さえておきたいです。最近では、空港などの公共施設に礼拝用のスペースを設置することも増えていますね(関西国際空港の祈祷室)。


中学入試プレイバック2018 「筑波大学附属駒場中学」


グローバル化が進み、多文化共生が求められる時代になり、中学入試ではイスラム教関連の出題が多くなりました。この問題のポイントは正しいものを2つ選ぶ必要があることです。当然、2つ合っていて正解(完答)なので、正答率は下がります。単純計算だと、5つから1つ選ぶ問題ならば正答率は最低20%ですが、2つ選ぶ問題にすると10%まで下がります。

こういう問題では、正しいものや誤っているものを、まずわかる範囲で答えることです。最初にイを外します。イスラム教の聖地メッカはサウジアラビアです。
そして、エも外したい。実は、この入試問題にはリード文でこのように書かれています。

イスラム教では偶像崇拝が禁じられており、神や預言者の像を描くこと自体を認めていないのです。

この一文に気が付いていたら、アッラーの聖像などというものがあるはずがないと気が付けます。小学生の段階で偶像崇拝を知識として知っているのは難しいので、リード文にヒントを入れるのはうまい方法です。

ウのイスラム教は断食月(ラマダーン)があることは知識として知っておいてほしいです。
これで、ウは正解、残りはアかオです。過去問題を演習している段階なら、ここまでできていればまずOKだと生徒には言うんですよ。確率10%だったものを、知識と判断で50%まで引き上げたわけです。学力をつけるというのは、こういった丁寧な思考の積み重ねです。ただ、入試本番では正解しなければゼロです。なんとか、アかオを絞り込みたい。

イスラム教関連の知識として生徒に教えることの1つに「世界で一番イスラム教信者の多い国はインドネシア」というのがあります。インドネシアは東南アジアの大国で日本からみると石炭の輸入相手国2位ですので、なじみのある国です。この知識があると、オの「特定の民族」という表現がおかしいと気が付けるはずです。中東から東南アジアまでを特定の民族とは言わないですよね。
もしくは、サウジアラビアの国旗に描かれている文字がアラビア語で書かれたコーランの一節という直接的な知識で答えを持ってきてもいいでしょう。授業内で生徒たちでアが誤りと判断した場合、「アラビア語でなければ何語なの?」と確認をして、分からない以上安易に誤りと判断しないほうがいいねと説明します。

答え:ア・ウ


入試に出る歴史上の人物 「ムハンマド」


コーラン7世紀に中東のアラビア半島でイスラム教をひらいたのがムハンマド(マホメット)です。ムハンマドが言ったことなどを弟子たちがまとめたイスラム教の聖典がコーランです。ムハンマドが直接コーランを書いたわけではないのは注意が必要です。

高校入試では、ムハンマドが日本の歴史ではどの時代の人物かを問う問題が良く出題されます。聖徳太子と同時代の人物と覚えておきましょう。

最近の入試ではイスラム教関連の出題は多く、豚肉を食べない、断食月がある、サウジアラビアにある聖地メッカに対して1日5回礼拝するといった知識も良く出題されます。ちなみに、ムハンマドでもマホメットでも正解になりますが、現地の読みに近いムハンマドのほうがよいようです。


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