「 ノーマライゼーション 」一覧

中学入試プレイバック2019 「鎌倉学園中学」


まぁ、出るようになるんだろうなぁと思っていたLGBTが入試で出題されるようになってきました。「多様性を認める」というのが、社会の趨勢であり(それは正しいことです)、今後もこの話題は出題されていくでしょう。

ただ、LGBTにしろセクハラにしろ、性的な話題はなかなか触れるのが難しいです。そもそも、「性的」とは何かを考えだすと完全に性教育の範囲だからです。受験指導がメインである進学塾のカリキュラムでは対応はできません。

ただし、こういう風に入試問題で出る以上何かしらの説明が必要です。
私なら、性的な話題はあえて横において「”普通”ってなんだ?」という話をします。生徒には「問題を間違えたとき”普通これぐらいの問題はできて当たり前”と言われたら嫌だろう」というところから、「普通」という言葉は価値基準の押し付けになりがちというところへ持っていきたいです。この話の展開の便利なところは、「性的」というデリケートな部分をさけつつ、全ての人がともに暮らしていける社会を目指すノーマライゼーションというテーマに話をつなげていけるところです。

答:(1)LGBT (2)イ


予習シリーズ社会解説 「6年上第12回 くらしと経済(2)」

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今話題になっている著書ですが、少子高齢化とともに始まる人口減少社会は避けられない現状です。この回では、小学生にわかる範囲でその課題と対策について学習します。まず、子どもたちは「5年生第9回」で過疎・過密を学習したときに人口減少などについて、学習をしています。ですので、事象についてはある程度知っているものとして授業を進めます。

少子化がなぜ起きているかというのはデリケートな問題なので、気を付けて話す必要がありますね。予習シリーズでは理由の一つとして「結婚しない人が増えてきた」が挙げられています。しかし、「しない」のではなく「できない」のではないかとか、(授業では触れませんが)LGBTの問題とか、安易に脇にそれるとドツボにはまりそうです。
少子化対策と言えば子育てと仕事の両立になります。ここでは、予習シリーズに載っていないものの待機児童問題について触れます。待機児童とは保育所に入りたいが定員に空きがなく入ることができない児童のことです。
少子化対策は記述問題で狙われやすいところですが、できるだけ子どもたちに考えてもらって発問させたいところです。「子育てをしている家庭にお金をあげる」も「保育所をたくさんつくる」でも、財源の話は置いておけば正解です。

社会保障制度については、社会保険・公的扶助・社会福祉・公衆衛生の4つの柱をきちんと覚えさせることが大切です。社会保障費の使いみちが高齢化から社会保険に多くの費用が掛かっているのは暗記ではなく理解をさせたいところです。
公的扶助(生活保護)に関しては、子どもたちもどうしてもバカにしてしまうところがあります。別に塾の授業でいえばそんなことを話す必要はないのですがポリシーとして「人間、いつ交通事故とかにあって動けなくなるかもしれない。そういう時にサポートしてもらえる体制は誰にとっても大切なんだ」といった話をします。

バリアフリー・ユニバーサルデザイン4年生で学習している内容ですが、確実に覚えていないのでもう一度説明をします。ノーマライゼーションが初めて出てくる言葉です。ノーマライゼーションとは障害を持った人も健常者とともに普通に暮らせる社会を目指す考え方を指します。ノーマライゼーションを目指すために行われる取り組みがバリアフリーでありユニバーサルデザインという説明が無難です。

男女雇用機会均等法男女共同参画社会基本法の区別も厄介です。まず、名称が長いので覚えるのが大変で混同しやすい。
雇用の機会(チャンス)を均等(等しくする)にするのが男女雇用機会均等法
共同で参(加し計)画(する)社会をつくるのが男女共同参画社会基本法
と言葉の意味で理解をさせています。

財政に関しては、歳出の割合を表すグラフは頻出ですね。社会保障関係費・国債費の負担が多くなっていることから、社会保障の負担や財政再建の重要性を説明します。国債800兆円と聞くと、生徒は日本は借金まみれじゃんという話になるので減らす努力の重要性とともに「とはいえ、日本は資産も多く国にお金を貸しているのも主に日本人なので今すぐダメになることはない」というのも伝えます。

最後に税に関してです。ここでは、累進課税を説明します。累進課税は所得税に適応される税で所得が多いほど税率が上がる仕組みです。ここで、誤答として「所得が多いほど税金が高くなる」と書きがちなので注意します。同時に、消費税は低所得者に負担の大きい税であることが説明できればベストですね。

改めてみると、中学生に説明するときは最低でも2回分の授業を一気に行う盛りだくさんの内容です。なかなかハードルの高い単元といえるでしょう。


予習シリーズ社会解説 「4年上第4回 くらしやすい街」

2018年入試では、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号(サイン)であるピクトグラムに関する出題が多くみられました。多様性(ダイバーシティ)が求められる現代社会で、誰もが暮らしやすい街づくりを目指すことは必須課題と言えるでしょう。それは、多様性を認める社会づくりに関する問題が出題されるということでもあります。

まず、最初にバリアフリーユニバーサルデザインという言葉が出てきます。バリアフリーは人々が生活するうえで障害となるものを取り除くことをいい、具体的には点字ブロックやスロープの設置などがあります。ユニバーサルデザインは誰もが使いやすいようにつくられた物や設備を作ることを言います。似た内容のため、混同しやすく入試での出題も多いので注意が必要です。

ノンステップバス 予習シリーズではノンステップバスの説明が掲載されています。床が低くつくられているバスと説明されてピンとくる生徒はあまりいません。理解できないからではなく、ノンステップバスは子どもたちにとっては当たり前のものだからです。昔のバスは入り口に階段があったんだという話をすると少し驚きつつ理解をします。

インターネットコンピューターの話は子どもたちにとっては当たり前に感じているけど、実は最近になって便利になった話をします。電車に乗るとき、今は交通系電子マネーで一瞬で通過できるけど、昔は切符を買う必要があったという話です。さらに、その昔は自動改札がなくて切符を駅員にいちいち渡して切符を切ってもらっていた話をすると子どもたちは大抵驚きます。授業において、こういった驚きを提供することは重要なことです。

小学校の社会の授業で子どもたちはそれほど意識をして「憶える」ことをまだしていません。「憶える」作業を求められていないからです。しかし、この第4回は入試でも出題されるような子どもたちにとって聞きなれない語句がいくつか登場します。ある程度、意識して覚える作業を行わないとテストで対応できません。言葉に出して練習したり、書いて練習したり、問題を繰り返し解いて憶えているか確認したりする必要がある話をここでしておく必要がありますね。


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