「 万葉集 」一覧

入試に出る歴史史料 「あおによし奈良の~」

あおによし 奈良の都は 咲く花の におうがごとく 今盛りなり


奈良時代の詩人、小野老(彼の名前は入試では出ません)がうたった万葉集に収録されている歌です。平城京の華やかな様子を描いた歌として入試では出題されます。入試での出題パターンは奈良の部分に下線が引かれていて、何を指すか(答え「平城京」)を問うのが、パターンです。


入試に出る歴史史料 「防人の歌」

からころも すそにとりつき 泣く子らを おきてぞきぬや 母なしにして


日本最古の歌集「万葉集」に収録されている、出征する防人(さきもり)が歌ったとされる歌です。防人は飛鳥・奈良時代の律令政治下で、九州・大宰府の防衛を行った兵士なのは、おなじみです。この歌の登場頻度は高いですが、史料のみで防人と答えさせる問題は出題されないので、安心してください。

…それにしても、タイトルだけ見るとさだまさしですね…。


入試に出る歴史史料 「貧窮問答歌」

父母は枕のほうに、妻子たちは足のほうに、私を囲むように嘆き悲しんでいる。かまどにはクモの巣がはっている。…それでもむちを持って税を催促する里長の声が寝床まで聞こえてくる。
世の中は辛いことばかりだと思うが、鳥ではないので、飛び立って逃げることもできない。


奈良時代初期の貧しい農民の暮らしを、当時の貴族だった山上憶良がうたった歌が貧窮問答歌です。出題される内容は作者名、作品名、そして時代です。史料を見て奈良時代とわかるようにしておきたいです。この内容から班田収授法や租・庸・調といったこの時代の税制の問題に持っていくことも多いです。

小中学校のテキストに載っている歴史史料の中では圧倒的に物悲しい史料ですよね。授業で情感たっぷりに音読するとウケます。後、現在の元号「令和」の典拠は万葉集で、該当する詩が歌われた集まりに山上憶良もいたとされます。そういう関連でも登場しそうな史料です。

読み:ひんきゅうもんどうか


中学入試プレイバック2019 「横浜共立学園中学」

久しぶりの中学入試プレイバックです。

ご存知の通り新しい元号「令和」の出典は日本最古の歌集である万葉集です。もともと万葉集は入試でも頻出のテーマではありますが、さらに出題がふえるものと思われます。中学入試プレイバックでは万葉集がらみの問題は優先して取り上げたいと思っています。

今回の問題で取り上げられた歌は万葉集に収録されている一首で、平城京の栄えている様子をうたった小野老の作品です。「なら」と書かれているのでわかりやすいと思います。

この問題は、正しいものを2つ選ぶ問題なので逆に考えると誤りを2つ選べばよいとも取れます。まず、アは桓武天皇なので誤りです。桓武天皇は平安京ですからね、これは基本です。
そして、ウが誤りです。大内裏は都の北の中央にありました。大内裏が中央にあるのは藤原京です。問題とは関係ありませんが、都のの中央を朱雀大路が通り左右に左京・右京があります。この場合の左右は大内裏から見た左右というのも知っておくとよいでしょう。
ちなみに、平安京と平城京を都の地図で見分ける問題も出題されることがあります。この場合、都の中に寺院が多くあるのが平城京で、ないのが平安京です。平安京への遷都の理由の一つに仏教勢力の排除があったので、都の中に寺院が配置されなかったのです。

答:イ・エ


新元号「令和」がどう入試に出るのか?

新しい元号が「令和」に決まりました。今回はこのサイトらしく、新元号「令和」に関連してどんな問題が入試で出題されるか予測したいと思います。

まず、分かりやすいところでは出典となった万葉集でしょう。最も万葉集はもともと日本最古の歌集として入試で頻出の知識ですから、元号に関係なく覚えておきましょう。万葉集は天皇から庶民まで様々な身分の人の作品が収められていることも重要です。編者とされる大伴家持は、社会科ではそれほど出題されませんが余裕があればといったところです。
今回出典となった万葉集の序文の作者は、山上憶良という説もあるようです。山上憶良といえば、農民の貧しい暮らしを描いた「貧窮問答歌」が入試で出題される人物です。そりゃ、出題されるでしょ。貧窮問答歌は漢字で書くのが大変ですが、何としても覚えておきましょう。山上憶良関係だと、他には国司(憶良が就いていた役職)・遣唐使(派遣歴あり)なども狙われそうです。
万葉集には天智・天武・持統天皇など飛鳥時代から奈良時代の人物の詩が収められています。それらの人物を題材に問題をつくるのは簡単です。そうやって考えると、飛鳥・奈良時代全体の出題率が上昇する可能性があります。

別の視点で見ると、「令和」のうち”令”は初めて元号で使用される漢字ですが、”和”は過去19回使用されてきた字です。個人的に、新元号で問題をつくれと言われたら”和”が使われた元号を並べて問題をつくりますね。一覧にすると以下の通りです。

和銅(708~715)
承和(834~847)
仁和(885~889)
応和(961~964)
安和(968~970)
寛和(985~987)
康和(1099~1103)
養和(1181~1182)
正和(1312~1317)
貞和(1345~1349)
文和(1352~1355)
永和(1375~1379)
弘和(1381~1384)
元和(1615~1624)
天和(1681~1684)
明和(1764~1772)
享和(1801~1804)
昭和(1926~1989)

まず、目を引くのは最初の「和銅」です。武蔵で銅が発見されたことを記念してつけられた元号で、かつては日本最古の通貨だった和同開珎がつくられています。これは出そうですね。武蔵が現在の埼玉県というのも押さえておいてもいいでしょう。
「養和」は後に壇ノ浦の戦いで入水する安徳天皇のときの元号です。
それから、14世紀にやたらと使われているのが興味深いです。南北朝の争乱期のため、元号も北朝・南朝それぞれにある時代です。元号が2つあったことを示して理由を聞く問題も面白いですね。
元和以降は江戸時代を幅広く取り上げやすく使い勝手がよさそうです。
ただ、このテーマで問題をつくると最後の「昭和」が長すぎて何でもありになってしまうのがネックですね………。

まとめると、山上憶良・和同開珎あたりの出題可能性が大幅にアップですね。
それにしても、「いらすとや」さんは仕事が早すぎです。



入試に出る歴史上の人物 「山上憶良」

読み:やまのうえのおくら奈良貴族
時代:奈良(8世紀前半)

重要
奈良時代の歌人で、万葉集に収録されている「貧窮問答歌」が有名です。

 

 

人並みに田をつくっているのに、綿も入っていない麻の袖なしの、しかも海草のように破れて垂れ下がり、ぼろぼろになったものばかりを肩にかけて、低くつぶれかけた家で、地べたにじかに藁を解き敷いて、父母は枕の方に、妻子は足の方に、自分を囲むようにして、悲しんだりうめいたりしており、かまどには火の気もなく、こしき甑には蜘蛛の巣がはって、飯を炊くことも忘れたふうで、ほそぼそとしたこえをたてているのに、むちを持った里長の呼ぶ声が寝室にまで聞こえてくる。世間を生きてゆくということはこれほどどうしようもないものなのだろうか。

「貧窮問答歌」は登場頻度が高い史料の一つです。


スポンサーリンク