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百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録決定でどう入試に出題されるか?

日本最大の前方後円墳である大仙(大山)古墳を含む「百舌鳥・古市古墳群」が世界文化遺産に登録されることが決定しました。6月の時事問題対策では、正式決定ではないので時事問題で出題するのは早いと言ってきました。晴れて正式決定されたので、次の定期テスト並びに入試問題の時事問題の大きなテーマになりますね。
今回は、「百舌鳥・古市古墳群」が入試などでどのように出題されるか予測していきます。

前方後円墳最も、大仙古墳そのものがもともと最重要語句ですので、今更新たに覚えようねというものではありません。前方後円墳埴輪といった関連語句も同様です。
まず、確認しておきたいのは大仙古墳を含む百舌鳥古墳群が大阪府堺市にあることです。堺市は石油化学工業が盛んな港町で、戦国時代には商人の町として鉄砲生産が盛んでした。近畿地方で唯一の府県庁所在地ではない政令指定都市である堺市は入試で狙われやすい都市ですから、ここは堺市まで覚えておきたいところです。ちなみに、古市古墳群は羽曳野(はびきの)市・藤井寺市にあります。

大仙古墳は仁徳天皇の陵墓(皇族の墓)とされており、世界文化遺産の登録名は仁徳天皇陵古墳です。ただ、大仙古墳が仁徳天皇の墓であると確定できる材料が不足しているため、大仙古墳という呼び名が教科書では主流です(仁徳天皇陵はかっこ書き)。私も授業で教えるときは仁徳天皇陵ではなく大仙古墳で説明をしています。ですが今回、仁徳天皇陵古墳の名称で登録されたこともあり仁徳天皇陵という名称も押さえておいたほうがいいでしょう。
仁徳天皇は善政を行った天皇として名前が伝わっており、民家のかまどから炊飯の煙がでていないことをみて、租税を3年間免除したという記録がある人物です。

「百舌鳥・古市古墳群」という名称そのものはあまり出題されないと考えます。それは、単純に現在の教科書に掲載されていない語句だからです。世界遺産に登録された=入試にでるのではなく、それまでも入試で出題されていたものがより出題されやすくなるというのが私の見立てです。余裕があれば覚えておく程度でよいでしょう。
私が、あえて時事的にこのテーマで出題するなら「百舌鳥・古市」の読みを出題しますね。漢字で語句として出題するのはともかく、ニュースや時事用のテキストでこれらの名称は繰り返し登場しますから、読みだけ聞くというのはありだと思います。過去の出題では「辺野古」の読みを問う問題を見たことがあります。


「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」から何が入試に出題されるか?


最近、毎年のように追加されるので少しありがたみが薄れているような気がする世界文化遺産ですが、今年は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が追加されました。
ありがたみが薄れたとはいえ、入試問題で世界遺産は重要なテーマの1つです。新しく追加された世界遺産は何かと問題で出題されるので、注目ポイントを見ておきましょう。

まず、世界遺産が新たに追加されたときに全く新しい知識を覚える必要はほとんどありません。例えば、今回追加された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」という正式名称をすべて答えさせる問題は出題されません。可能性があるのは上の部分の一部が空欄になっていてその部分を埋めさせる問題でしょう。
注意しておきたいのは下線部を引いた「天草」と「潜伏」です。まず、天草は1637年の島原・天草一揆で名前が出てきている地名です。天草は何県かを聞く問題が出そうな気がします。天草は熊本県です。
潜伏というのは、「鎖国」が行われキリスト教の信仰が禁止されるようになってからも、社会的には普通に生活しながら、信仰を続けていたキリシタンを指します。今回の世界遺産登録における最大のテーマですから、ここを聞く問題は大いにあり得るでしょう。逆に、斜体にした部分を記述させる問題もありかもしれません。

もっとも考えられる出題形式は、日本にキリスト教が伝来してからの広まり、江戸時代に入り鎖国への流れ、開国してから明治になり最終的にキリスト教信仰が解禁されるまでの流れを問う問題でしょう。

長崎県のパンフレット(http://kirishitan.jp/cms/wp-content/uploads/2018/07/brochure_Japanese_201807.pdf)の年表を参考にポイントを見ておきましょう。


1549年 キリスト教伝来
1550年 ザビエルが平戸で宣教する。
ここでは、南蛮貿易で栄えた港町・平戸がポイントですね。
1582年 天正遣欧使節が長崎から出港する。
1587年 豊臣秀吉がバテレン追放令を発布する。
織田信長と豊臣秀吉の対キリスト教政策の比較は入試の定番です。
1614年 江戸幕府がキリスト教禁教令を発布する。
1628年 「絵踏」が始まる。
1630年 寺請制度が始まる。
史料を使って出題される問題です。基本的に絵踏でも踏絵でも大丈夫ですが、最近は絵を踏ませることを「絵踏」、踏ませたものを「踏絵」と分類することが多いです。
1637年 島原・天草一揆が起きる。
天草四郎は出題されますね。世界遺産の構成要素に一揆の舞台だった原城が含まれているので、今年の入試に関しては押さえておいていいでしょう。
1639年 ポルトガル船の来航禁止
1641年 オランダ商館を平戸から長崎の出島に移す。
いわゆる「鎖国」の完成です。入試問題では、「鎖国」下の外交を聞くのが定番なので、おそらく朝鮮や琉球王国などの話に持っていくと思われます。

1854年 日米和親条約により開国。
1868年 五榜の掲示。
明治時代になり、民衆に対してこれまでと変わらない統治を行う意志を明治政府が示しました。つまり、この段階ではキリスト教は禁止されたままです。
1873年 欧米の批判でキリスト教が黙認されるようになる。
1889年 大日本帝国憲法が発布され、法律の範囲内ではあるが信教の自由が認められる。


こうやってみると、今年の長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産はいろいろ問題として作りやすいですね。世界遺産に登録された時も「これまでの日本の世界遺産の中でも最もストーリー性がある」と評されたのも分かります。受験生を指導するうえでこの辺りはきちんと教えておきたいですね。


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