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予習シリーズ社会解説 「5年上第8回 安土・桃山時代」

社会科が好きな人の多くが好きな時代、それが戦国時代です。戦国時代を取り上げた小説・ドラマ・ゲームなど多くの作品があり、圧倒的に目に触れる機会の多い時代です。そのため、歴史好きの小学生を中心に「待望の戦国時代の授業」となるのですが、戦国時代ばかり丁寧にやるわけにはいかないのが申し訳ないところです。

まず、その戦国時代についてですが、予習シリーズには主な戦国大名とその領地が掲載されています。この中で、覚えておくとしたら甲斐(山梨県)の武田氏と越後(新潟県)の上杉氏でしょう。この2組といえば信濃をめぐる川中島の戦いが有名ですが、最近の入試では塩をテーマにした問題が出題されており「敵に塩を送る」という故事でも知られる武田・上杉は関連知識として登場します。

鉄砲伝来とキリスト教の伝来は
鉄砲…ポルトガル人
キリスト教伝来…フランシスコ=ザビエルがスペイン人
というのがポイントです。意外と重要なのが、平戸です。長崎県北部の貿易港である平戸は江戸時代にオランダ商館が長崎・出島に移るまで貿易の拠点でした。スペイン・ポルトガル(南蛮)との関係は、天正遣欧使節や石見銀山(世界文化遺産)と出題される内容は昔と比べて多くなっています。

織田信長安土桃山時代といえば織田信長、そして豊臣秀吉です。
織田信長の入試でのポイントは関連する人物の多さです。
1560年 桶狭間の戦い…今川義元
1573年 室町幕府を滅ぼす…足利義昭
1575年 長篠の戦い…武田勝頼
1582年 本能寺の変…明智光秀
と4人もいます。また、上記の並べ替え問題も出題されますね。

豊臣秀吉のポイントは太閤検地です。「統一された基準で」土地の広さ、耕作者、どれだけ米がとれるか(石高)を検地帳に記録したことが出題されます。太閤検地によって完全になくなったのが、荘園です。社会科で「完全に」といいきれる出来事はなかなかなく、注意ポイントです。
予習シリーズでは朝鮮侵略に1ページ用意していますが、そんなに出題されるかなというのが印象です。ただ、文禄の役・慶長の役という名前は元寇と混同するので、要注意です。
あと、大阪城が石山本願寺の跡地につくられたことも意外と出題されます。

織田信長と豊臣秀吉の違いで、信長はキリスト教を保護したが秀吉は布教を禁止したということは重要です。

全体として、安土桃山時代は覚えることも少なく、また生徒にとってはなじみやすい単元なので比較的楽で平均点も高くなりやすいですね。


予習シリーズ社会解説 「4年上第8回 日本の気候と各地のくらし」

日本の各都道府県の紹介をする「ふるさとじまん」シリーズが終了しました。この第8回からは日本の気候や地形といった内容を学習していきます。
はっきりいえるのですが、ここまでの回は社会科の学習をする上での興味付けを行う単元でした。この第8回から気候→地形→農業と本格的に中学入試で登場する単元の学習が始まります。

この単元のポイントはただ1つ。日本の6つの気候区の特徴と雨温図の識別をできるようにすることです。この識別に仕方には順番があります。ただし、授業で絶対にするのがグラフの数字の読み取りです。子どもたちはまだグラフというものに慣れていません。グラフが示している意味を説明する必要があるのは注意すべきところです。

①折れ線グラフ(気温)が1月でも他より高い→南西諸島の気候
沖縄の1月の平均気温は15℃を超えます。15℃というのは本州でいえば、4月ぐらいです。つまり、沖縄には実質的な冬がないという説明をします。

②棒グラフ(降水量)の冬が多い→日本海側の気候
冬に北西の季節風がしめった空気を運ぶため、日本海側の降水量が増えます。ここで、気を付けたいのは夏が少なく冬が多いのではなく、夏も降るし冬はもっと降るということです。最初のうちは金沢や新潟という強い特徴を持った地域がテストでも登場します。

③12月から気温がマイナス→北海道の気候
一番気温の低い地域が北海道です。ただし、北海道の雨温図を見分けるときに気を付けたいのは夏の降水量が少ないということです。日本は、梅雨と台風があるため夏の降水量が多くなります。しかし、北海道はこの2つの影響が弱いため夏の降水量が少なくなります。

④降水量が多くなくて暖かい→瀬戸内の気候
瀬戸内海は周囲を山に囲まれしめった空気が入りにくいです。そのため、降水量が少なくなります。ちなみに、降水量がすくないというのは日本の場合、年間で1,000mm程度の降水量です。もっとも、世界ではこれでも多いほうなのですが。

⑤降水量が少なくて夏と冬の気温差が大きい→中央高地の気候
長野県などの中央高地も山に囲まれているので降水量が少なくなります。また、内陸は海から遠いため気温差が大きくなります。生徒には「夏の昼間に地面に触ると…熱いよね。じゃぁ、夜に触ったらどうだろう…熱くないね」つまり、地面というのはあったまるのもすぐだけど、冷えるのも早いという説明をします。テクニカル的には12月に気温がマイナスだと北海道、12月はプラスなのが中央高地です。

⑥夏の降水量が多い→太平洋側の気候
残った1つが太平洋側の気候です。夏に降水量が多いのが太平洋側の気候ではあるのですが、日本は北海道を除けば夏の降水量はどこも多いです。予習シリーズで今回掲載されているのは高知で夏の降水量が300mmをこえる明らかに夏の降水量が多い地域です。ですが、瀬戸内などと比べて年間で500mm程度しか多くない東京なども太平洋側の気候になります。太平洋側の気候は東北から九州まで当てはまるので、中でも大きな違いがあります。ですので、一番最後に残ったものを当てはめるのが無難です。

それから、近年地球温暖化のためか夏の気温が上昇しており、一日の最高気温が35℃以上になる猛暑日が増えています。当然、入試でも出題されており理科でも学習する内容ですが、しっかり覚えておきたいところです。


予習シリーズ社会解説 「5年下第7回 室町時代」

鎌倉時代が北条なら、室町時代は足利です。それぐらい、鎌倉時代と室町時代の重要人物の大半は北条氏と足利氏に集中しています。

足利氏で覚えないといけないのは4人です。
①初代:足利尊氏
②3代:足利義満
③8代:足利義政
④15代:足利義昭
このうち、義昭は次回で登場するので、今回覚えるのは3人です。その中でも、最も重要なのが、3代将軍足利義満です。歴史上の人物で出題頻度が高い人物は特定の分野だけでなく、政治・外交・文化と様々な影響を与えた人物が登場します。足利義満はその典型と言えるでしょう。

足利義満<足利義満の業績>
「政治」南北朝の合一。室町に”花の御所”をたてる。
「外交」日明貿易
「文化」金閣をたてる。観阿弥・世阿弥を保護。→能・狂言・北山文化

このように義満の活躍は多岐にわたるためいろいろな角度から出題されます。日明貿易といえば、勘合を使って倭寇と正式な貿易船を区別したという記述も定番です。また、日本が中国(明)に対して貢ぎ物を持っていく形(つまり、中国のほうが立場が上)で行われたことも知っておいて損はないです。日明貿易では銅銭・陶磁器を輸入し、銅・硫黄を輸出したことも出題されますね。生徒に話すのは、当時の日本は加工貿易でいえば、資源を輸出する側だったことです。それだけ、中国のほうが先を進んでいたということですね。

この時代、朝鮮半島に朝鮮、沖縄に琉球王国が栄えたことも大事なポイントです。琉球王国は中継貿易で栄えましたが、その時期(つまり室町時代)が聞かれますね。

記述問題といえば、時期はさかのぼりますが後醍醐天皇による建武の新政が失敗した理由「天皇・公家重視の政治に武士の不満がたまったため」というのも定番問題です。後醍醐天皇が逃れた吉野も思いのほか出題されます。授業では、いつもここで吉野すぎを口頭で質問しますね。地理の知識と歴史の知識をつなげる作業は重要です。

1467年応仁の乱はそれ以降戦国時代になっていくことから、年号も覚えたい重要な出来事です。「戦乱を逃れるため地方にいった公家などにより京都の文化が全国に広まった」というのも記述で出題されますね。

室町時代に入ると、鎌倉時代以上に産業が発達してきます。鎌倉・室町の経済史は連続性があり上位校であればあるほど、きちんと時代の区別できる必要があります。表に分けてみました。

鎌倉時代 室町時代
農業 西日本で二毛作
牛や馬を使って耕作
草や木の灰を肥料にする
全国で二毛作
水車の使用
たい肥の使用
運送 年貢を運ぶ問丸 問丸から問屋とよばれる卸売業に発達
運送を専門にする馬借
定期市 月3回。同業者組合である座の登場。 月6回。座の拡大。
金融 土倉・酒屋とよばれる高利貸しの登場
産業 地域の特産物や手工業の発達

これらの区別がいつ切り替わったかといえば徐々にとしか言いようがないのですが、鎌倉と室町では産業が明らかに発達していることが分かりますね。

室町時代は村の自治が拡大し、土一揆が起きたことも重要です。
1428年正長の土一揆→1485年山城の国一揆→1488年加賀の一向一揆
という3つの一揆の並べ替え問題も出題されます。ここで重要なのは、山城の国一揆が応仁の乱の混乱の後におきたということです。つまり、並べ替えに応仁の乱を付けたすと、山城の国一揆の前ということになります。また、これらの一揆は全て15世紀ということも重要ですね。


予習シリーズ社会解説 「4年下第7回 ふるさとじまん(6)~九州地方~」

九州4年生の地方別地理の最後は九州地方です。そういえば、5年生のカリキュラムでは九州地方からスタートして北海道で終わるのですが、4年生では逆になっています。なんとなくカリキュラムを設定することはないので、何かしらの理由はあるのでしょう。あくまで推測ですが、東北地方は面積が全体的に大きく場所もはっきりしているので覚えやすいのか、都道府県名を答えるテストをしたときに正解率が高い地域です。北海道を含めて、子どもたちの覚えやすいところからカリキュラムをスタートしているのではないかと思います。

そういうわけで、九州地方はやや位置関係が覚えにくいです。具体的には、福岡・大分・佐賀あたりの位置関係がちょっとごちゃつきやすいイメージがあります。
その中でも、どうしても地味なイメージの付きまとうのが佐賀県です。都道府県の形だけ見たときにどこか分かりにくい筆頭でもあります。ただし、中学入試では佐賀県が含まれる筑紫平野に広がるクリークとよばれる水路や、有明海ののりの養殖、有田焼と意外と出題される要素が多い都道府県です。

今のカリキュラムでは早い段階で都道府県を漢字で書けるように求められます。熊本県は能本県と書いたり、態本県と書いたり漢字ミスが多い都道府県です。カルデラで有名な阿蘇山は入試でも頻出です。「蘇」の字は難しい字ですが、くさかんむり・さかな・のぎへんと漢字の構成要素はそれほど難しくないので早いうちに漢字で書けるようにしてしまいたいです。

宮崎県・鹿児島県の畜産は入試でいろいろな形で出題されます。水はけがよいシラス台地では稲作が向かず畜産向きというのは入試の定番です。

学習を深めるページでは福岡県とアジアとの交流について説明されています。福岡から東京は約900㎞。しかし、韓国の首都ソウルは約540㎞と直線距離では東京よりも近いというのは、確実に触れておきたいところです。近年、福岡市の人口は増加傾向にあります。アジアとの距離はその理由の1つといえるでしょう。
ちなみに、福岡と東京の距離が約900㎞というのも、覚えておくと便利です。東京から見た各地域の距離というのは意外と入試で出題されるものです。


予習シリーズ社会解説 「5年下第6回 鎌倉時代」

歴史の学習も古代が終わって中世に入ります。中世の定義は難しいのですが、大きな要素としては、土地を介した上下関係、つまり封建制度によって社会が成り立って時代が中世です。この封建制度は江戸時代まで続きます。概念として知っておく必要があります。

鎌倉時代は、源平の争いからスタートです。地図で平氏がどんどん西へ落ち延びていき、壇ノ浦の戦いで滅亡した流れを理解させます。意外と「富士川の戦い→一ノ谷の戦い→屋島の戦い→壇ノ浦の戦い」という並び替えの問題も出題されるのですが、今の段階では壇ノ浦の戦いだけで十分です。
壇ノ浦の戦いがおきた1185年に国ごとに守護、荘園ごとに地頭が置かれたことは重要です。守護が軍事・警察、地頭が年貢の取り立てを行ったことも知っておきたいです。上位生は政所・問注所・侍所も知っておいてもいいでしょう。
源頼朝なお、現在の社会科では「鎌倉幕府の成立は何年か?」という問題は出題されません。鎌倉幕府という概念は後の時代によって定義されたもので、当時は幕府という考え方はなかったためです。ただし、守護・地頭の設置は1185年、源頼朝が征夷大将軍になったのが1192年は変わりません。語呂合わせでイイハコでもイイクニでもいいですが、時期と順序は覚えておきたいです。

なお、鎌倉が神奈川県であることは、特に関東地方以外では注意が必要でしょう。鎌倉に本拠地が置かれた理由が「三方を山に、南を海に囲まれ守りやすかったから」というのは記述の定番です。

成績中位から下位のクラスの場合は、鎌倉時代=北条氏ぐらいの勢いで執権を説明します。安土桃山時代に小田原に本拠地を持った北条氏もいるにはいるのですが、登場頻度が違います。なお、将軍の補佐職である執権は鎌倉時代と特定できるキーワードの1つです。

1221年におきた承久の乱は後鳥羽上皇・隠岐・北条政子・六波羅探題と関連キーワードが多く出題者側としては問題がつくりやすい出来事です。予習シリーズには北条政子の演説がマンガで紹介されています。授業で感情移入して読むと大抵ウケます。この演説自体が歴史史料の定番の1つなので重要なんです。
土地をめぐる裁判の基準となった御成敗式目と北条泰時はとりあえずセットで覚えておけばいいです。ただ、将来的には混同する語句がいくつかあるので先々意外と答えがでてこない語句でもあります。今回は覚えなくてもいいと前置きしたうえで「もともと慣習として定着していたものを文章にまとめた(新しいルールを作ったわけではない)」「あくまで武家に対する取り決め」であったことも上位には説明します。将来的な正誤問題でよく出題されます。

元寇は、まず漢字が書けません。板書するときは絶対に「」の字を大きく書きます。元寇は出題ポイントがいくつかありますが、集団戦法と火薬兵器(てつはう)に苦しめられたことは記述問題でよく出題されます。記述問題といえば、元寇の影響として「御家人へのほうびが不十分で御家人の幕府への不満がたまった」というのも定番です。
なお、予習シリーズではここで高麗がしれっと入っています。朝鮮半島に高麗が成立したのは10世紀前半の平安時代であることは注意しておきたいところです(個人的には平安時代で紹介すべきだと思います)。

鎌倉時代の産業・商業の発達は、先々「同じ時代の内容に当てはまるものを記号で選べ」とった問題で出題されやすい内容です。今の段階では太字になっている語句を覚えておけば大丈夫です。

鎌倉時代の文化はまず、運慶・快慶の東大寺南大門金剛力士像です。東大寺は天平文化ですが、東大寺南大門は鎌倉時代に東大寺が再建されたときに建てられたものなので、鎌倉文化という説明は必須です。
そして、最後に鎌倉仏教です。まず、法然(浄土宗)・親鸞(浄土真宗)は必須です。浄土宗と真宗の区別は意識する必要はありませんが、念仏というキーワードは知っておきたいです。一遍(時宗)はその布教の様子を描いた絵巻が定期市の様子を表す史料として使われるので(予習シリーズでも使われています)知っておきたいところです。禅宗の栄西(臨済宗)は茶を日本に伝えたという関連項目もあり出題されやすいです。とはいえ、仏教だけで6人いて一問一答で全員答えるのはなかなかハードです。テストでもはじめのうちは記号選択の問題が中心になるので、無理はしないでください。


予習シリーズ社会解説 「4年下第6回 ふるさとじまん(5)~中国・四国地方~」

中国・四国地方は県名と県庁所在地が異なる都道府県が3つあります。
島根県…江市
香川県…高
愛媛県…山市

見ての通り全ての県に松が付きます。県名と県庁所在地が異なる都道府県を覚えるときに、北関東の都道府県と並びネックになるところです。

「水の都」松江の名前の由来は諸説あるようですが、江という漢字には湖や川の意味があります。松江の近くにはしじみの養殖で有名な宍道湖があります。ここは、島根・松江・宍道湖・しじみという4点セットで覚えてしまいたいですね。知識を定着させる基本は関連付けです。宍道湖は意外と入試に出ますし、しじみがでてきたら間違いなく宍道湖もしくは島根県を表すキーワードとして都道府県の特定に役立つ実戦向きの知識です。
石見銀山や出雲大社など意外と島根県は入試で出題されることが多い都道府県です。

愛媛県でみかんの栽培がさかんということを知っている生徒は多いと思います。予習シリーズで、愛媛県の項目ででだんだん畑を紹介しています。そこで、愛媛県では山の斜面を切り開いた、だんだん畑でみかんの栽培が盛んということから松を印象付けます。

高松は…ちょっと思いつかなかったので、頑張れといつも言っています。3つのうち、2つを関連付けられれば、残り1つは「残った香川が高松」と考えてほしいです。もっとも、高松市は雨温図の問題で瀬戸内の気候の代表例としてでてくるので、確認する機会も多く割と自然に覚えさせられます。

学習を深めるページでも登場していますが、広島と長崎に原子爆弾が投下された話はここで入れておきたいところです。この段階では日付などはでませんが、入試で頻出でもありますし、日本人である以上知っておかなければならない知識です。


予習シリーズ社会解説 「5年下第4回 平安時代」

1.平安京と律令政治の立て直し
2.藤原氏の政治と荘園の始まり
3.武士のおこりと成長
4.上皇の政治
5.平氏の政治
6.平安時代初めの新しい仏教
学習を深めるページ「日本風の文化の誕生」

予習シリーズ第4回の見出しを書き出すとこのようになります。平安時代の指導をするうえで難しいのはその順番と配分です。794年に始まり、1185(1192)年まで続く平安時代は長いです。天皇中心の政治から貴族、上皇、そして武士の登場と主導権争いが激しくなります。それを1回の授業で説明するのは、なかなか難しい。少なくとも、何も考えずテキストの順番通りに指導していてはいけません。テキストの順番は読んで理解しやすいように順番がつくられています。この回に限らず、自分の説明しやすいように多少のアレンジが必要です。
平安時代は学習量が多いのに対し、その前の奈良時代はそれほど量が多くないので、平安時代を分割するのも一つの方法なんだと思います。実際、サピックスのカリキュラムを見ると「平城京・平安京」となっており、平安時代の前半が奈良時代に組み込まれています。ただ、この場合、奈良時代と平安時代がごっちゃになるという別の問題が発生します。

私が授業で説明するときは、まず桓武天皇の話から始め(上の単元では1)、次に最澄・空海の話をします(6)。これは、桓武天皇と最澄・空海が同時代史であることと、遣唐使の停止(894年)の話を後にすることで、それより前の出来事であることを強調するためです。あと、平安京の前に長岡京という都をつくったことも触れておきます。
その後、藤原道長・頼通親子の摂関政治の話です。
「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の かけたることも なしと思へば」
という道長の歌と、摂関政治の権力の源が「自分の娘を天皇の后にして生まれた子どもを天皇にした」ことであったのは重要です。また、藤原頼通は漢字を間違えやすい人物であるのと、頼通が建てた平等院鳳凰堂は漢字が難しいので注意したいところです。

私は、ここで遣唐使の停止から国風文化の話をしてしまいます(学習を深めるページ)。「源氏物語」紫式部と藤原道長が同時代人というのは大きいです。寝殿造の復元模型の写真が掲載されていますが、寝殿造の話では決まってこの模型が使われます。大和絵や十二単も意外と出題されますので注意しましょう。

後半は、武士のおこり(3)です。平将門の乱と藤原純友の乱は起こった場所が重要です。将門が関東、純友が瀬戸内で起こしました。これらの乱を抑えたのは武士で、それによって力をつけていったことを触れます。また、これらの乱は10世紀で、藤原道長らの摂関政治の最盛期よりも前であることは必ず確認する必要があります。
源義家や奥州藤原氏といった東北地方の話の扱いは少し難しいです。源義家は意外と出題されるのと、奥州藤原氏は平泉・中尊寺金色堂につながるので、触れておきたいところです。ただ、時間的な制約があるのと平安時代の大きな流れとは少し外れるので今回は口頭で触れる程度です。

平清盛白河上皇の政治では院政はもちろん僧兵に対抗するため武士の力を利用し、武士勢力が拡大したことに触れたいですね。そこから、いよいよ平清盛の登場です。平清盛の説明自体は難しいものでありませんが、確実に触れたいのは厳島神社です。地理で登場した日本三景の知識につながっていくからです。

授業の最後にこうやって成立した平氏の政権はあっという間に崩壊するんだけどね~と引きを入れると完璧ですね。


予習シリーズ社会解説 「4年下第4回 ふるさとじまん(4)近畿地方」

前回の中部地方は盛りだくさんでしたが、今回の近畿地方は意外と学習内容は少ないです。関東もそうだったんですが、小4段階では人口といった数値にあまり触れないのと、いろんな産業にまんべんなく行っている地域は分かりやすい特徴がないので覚えることが少なくなるんですよね。

近畿地方を教えるときに意識しているのは都道府県の位置関係です。特に京都府ですね。都道府県の中でも単体で形が出てきてどこかわかりにくい代表格の一つです。そもそも、京都府が海に面しているイメージが薄いんですよね。日本三景である天橋立があるので、海に面していて当たり前なんですが、京都市が盆地なので京都府も内陸と勘違いしやすいんですよね。都道府県の形をデフォルメした地図だと京都府と兵庫県が接していない場合もあり、ここが隣接していることは必ず伝えます。
ちなみに、神奈川県・愛知県と並んで兵庫県も県庁所在地・神戸市が先に出て県名がでてこない都道府県です。兵庫県の項目では阪神・淡路大震災が登場しています。1995年は今の子どもたちにとっては生まれる前で、見たことも聞いたこともない出来事なので知ってる前提で話をしないようにしないといけません。…でもよく考えると、今の若い講師にとっても生まれる前かもしれないと思えてきました。中年男性にとってはつらい現実です。

滋賀県といえば琵琶湖、琵琶湖といえば滋賀県です。さすがに琵琶湖はみんな知っています。ですが、漢字が難しいですよね。ここは頑張って覚えさせたいです。「琵」「琶」ともに形声文字で比(ひ)巴(わ)と読めるという話をして逆に書き間違えるパターンはいつもつぶしています。琵琶湖から流れる淀川が、滋賀県では瀬田川、京都府だと宇治川、大阪府だと淀川と名称が変わるのは、地域によって川の呼び名が変わる例の定番です。関西の入試だと覚えておいたほうがいいでしょう。

和歌山県・三重県・奈良県にまたがる紀伊山地は日本の山地・山脈の中でも出題されやすい産地です。林業が盛んであることや三重県の尾鷲市は雨が多いなど関連事項も多いですね。


予習シリーズ社会解説 「5年上第3回 奈良時代」

奈良時代といえば聖武天皇、聖武天皇といえば奈良時代。

と言い切っていいほど、奈良時代を代表する人物は聖武天皇です。聖武天皇に関連する語句を一覧にすると
聖武天皇
国分寺・国分尼寺
東大寺→正倉院→シルクロード・校倉造
→行基
→光明皇后
墾田永年私財法→荘園
→天平文化

と奈良時代の流れがある程度説明できてしまいます。奈良時代を触れて聖武天皇に触れないのは難しいレベルです。個人的には聖武天皇は入試で最も登場する歴史上の人物ではないかと思っています。

授業を上手にするテクニックの1つに「テキストの順番にこだわりすぎない」ということがあります。テキストに掲載されている順番は、テキストの体裁として整った順番になっており、授業で説明するときに分かりやすいかどうかとは微妙にずれています。この単元では、
1 律令政治
2 平城京
3 聖武天皇の政治
4 農民の生活と新しい土地政策
5 海をわたった人々
6 天平文化
という小項目になっていますが、できれば聖武天皇の話をしてそのまま天平文化の話に持っていきたいんですよね。逆に、土地制度の話をした流れで、農民の困窮に話をもっていきたい。ですので、私は授業では1・4の話をしてから、2・3・5・6という風に分けて説明をしています。馬鹿正直に教科書順に授業をする必要はないのです。

奈良時代の最大のネックは律令制度です。人物が出てこない、土地制度は子どもたちにとって楽しいものではないんです。でも、出題される内容です。
まず、触れるのは地方の役人であった国司郡司里長です。実戦知識としては国司が中央貴族、郡司が地方豪族、里長が有力農民から選ばれたというのは覚えておきたいです。正誤問題でよく登場します。あと、「群」司と間違えやすいので気を付けましょう。

調の違いも重要です。庸・調は男子のみの負担で中央の財源になったことも大事です。庸・調を運ぶ時の荷札を木簡といいます。木簡からは支配していた地域、その地域の特産品など支配の様子がわかる貴重な資料になっており、思いのほか入試で出題される語句ですので必ず覚えておきましょう。
労役・兵役では防人が別格の出題頻度ですね。

飛鳥文化・白鳳文化と比べて、天平文化は学習内容も多いです。日本の歴史をまとめた歴史書である「古事記」「日本書紀」の区別はそこまで意識する必要はありません。一応、古事記のほうが古いと知っておくといいでしょう。テストでは、どちらかの名前が書いてあってもう一方を書く問題が大半です。ただし、記紀という言葉があるように、古事記と日本書紀では漢字が違うことに注意が必要です。


予習シリーズ社会解説 「4年下第3回 ふるさとじまん(4)~中部地方~

日本の地方別で最大の勢力を誇るのが、9つの都道府県を抱える中部地方です。
まず、飛騨山脈木曽山脈赤石山脈の日本アルプスが初登場です。日本を代表する山脈であり北西から飛騨・木曽・赤石と並んでいるので順番で言えるようにしましょう。飛騨の「騨」の右側は「単」ではなく「單」が正しいです。ただ、最近では略字の「騨」でも許容されることが多くなっています。

まず、中部地方最大の人口を持つ愛知県からですが、まず愛知県は名古屋市のイメージが強くて名前が出てこない都道府県ですね。よく、生徒が「名古屋県」といったりします。愛知県=工業出荷額1位は定番中の定番です。まず、トヨタが愛知県の企業でそのまま豊田市があるところから覚えておきましょう。

日本で一番高い山といえば富士山です。富士山の名前は小4でも知っていますが、静岡県と山梨県の県境にあることは知っておきたいですね。
山梨県の扇状地が広がる甲府盆地ではぶどう・ももの栽培がさかんという一文で、おおよそ入試に出る山梨県をすべて説明することができるので一気に覚えてしまいましょう。

岐阜県・新潟県は漢字が難しいです。ここ数回繰り返していますが、小4でも都道府県を漢字で覚える必要が出た現在、このあたりも漢字で覚えなくてはならないのは厄介です。
新潟県で意外と覚えておきたいのは上越新幹線です。新幹線の名前を聞く問題での登場頻度が高いので覚えておくと便利です。

北陸は冬に雪が降り農業ができないので伝統工業(地場産業)が盛んになりました。
富山県…薬
石川県…輪島塗・九谷焼
福井県…越前和紙

このあたりを覚えておけるといいですが、工業は5年生でも学習する単元で、今回は写真などイメージしやすいものが掲載されていないので無理はしなくてもいいかもしれません。むしろ、石川県では三名園の1つ、兼六園が写真で掲載されています。この先、意外と兼六園を覚える機会はないのでここで覚えてしまいたいですね。

全体として、「ふるさとじまん」の単元は写真で掲載されている内容をまずは覚えるようにすると子どもたちもイメージしやすいのではないかと思います。


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