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予習シリーズ社会解説 「5年下第13回 明治時代(1)」

歴史の学習もついに近代に入りました。
歴史の授業をするときに気を付けなければならないことの1つに、江戸時代までと明治時代以降では授業の視点を変えなければならないということがあります。どういうことかというと、江戸時代までは政治の流れを説明するときに人物中心に話をしていけばよかったのに対し、明治時代はそれができないということです。例えば、奈良時代であれば聖武天皇、鎌倉時代であれば北条政子や泰時、時宗といった人物名を挙げて授業をしてきました。
しかし、明治時代はそれまでと比べると短い期間の間に多くの出来事がおき、出来事と人物を直結できないことが増えます。つまり、今までの人物中心の歴史で説明ができないということです。
私が授業をするうえで心がけているのは、日本を1つの登場人物として擬人化するイメージです。明治以降は、日本だけではなく中国や朝鮮、欧米の動きも中学入試の範囲内で大切になってきます。世界の中で日本がどんな動きをしてきたのかを感じながら理解を深めさせていきたいところです。

もう1つ明治時代以降で特に重要になるのが漢字の意味を確認することです。例えば、「版籍奉還」は版図(土地)と戸籍(人民)を奉還(天皇に返す)ことですし、「廃藩置県」は読んで字のごとしです。「富国強兵」は国を富まして兵を強くする、「殖産興業」は産業を殖やし興すという意味を理解させなくてはいけません(この2つはよく混同します)。
明治維新の改革の中で、特に地租改正は大きなポイントです。土地の所有者に地券を発行し、地価の3%を現金で納めさせるという政策によって、明治政府の財政が安定したという知識が出題されます。

文明開化に関しては、ガス灯・鉄道・郵便・太陽暦といった大きな変化があります。入試で出題される場合は「文明開化じゃないもの」を選ぶ問題が多いですね。おおよそ、ラジオ・電気といった大正時代に普及したものが答えになります。
そして、私が”敬愛してやまない”福沢諭吉“先生”です。とにかく、漢字間違いが多い。論・輸・輪、全部ありえますので授業ではノートなどにきちんと書けているか1人1人チェックします。”できるだけ多くの福沢諭吉先生に囲まれて暮らしたい”という、間違いなくウケます。

後半は自由民権運動と大日本帝国憲法です。1877年西南戦争を経て自由民権運動へとなっていくのですが、自由民権運動のきっかけとなった民選議院設立建白書は1874年で西南戦争よりも前というのは並び替え問題で気を付けるべきところです。授業で説明するときは、必ず西南戦争が先になるので間違えやすいんですね。

伊藤博文憲法制定にあたっては”君主県の強い”ドイツの憲法を参考にしたことは定番中の定番です。なお、初代内閣総理大臣である伊藤博文は同時に史上最年少内閣総理大臣(44歳)でもあります。内閣制度(1885年)ができてから大日本帝国憲法(1889年)ができたという並べ替えも注意したいところです。内閣総理大臣・主権といった教える側にとっては常識の言葉も子どもたちには初めて聞く言葉です。その辺りは丁寧に説明する必要があります

帝国議会に関しては衆議院の選挙権「直接国税15円以上納める満25歳以上の男子」は言うまでもなく記述の定番です。なお、最初の選挙では北海道・沖縄に選挙権がなかったため「全国で衆議院選挙が行われた」という表記は誤りになるので正誤問題では狙われるポイントですね。


予習シリーズ社会解説 「6年上第16回 政治・外交史(4)」

歴史の入試問題で難しい問題の1つに指定された内容を時代順に並べ替える問題があります。具体例をあげてみましょう。

)次のア~エを時代の古い順に並べ替え記号で答えなさい。
ア.吉野ケ里遺跡 イ.三内丸山遺跡 ウ.大仙古墳 エ.岩宿遺跡

答)エ→イ→ア→ウ(旧石器→縄文→弥生→古墳)

並べ替えの問題を正確するには複数の知識で、それがどの時代の出来事かを把握しておかなくてはなりません。上の問題の場合、4つの遺跡の時代を覚えていることが求められます。簡単に幅広い知識を確認する方法として、並び替え問題というのは入試問題で重宝される理由です。ただし上の問題の場合、別の問題で4つの遺跡の名前を答えさせたり、場所を聞いたりすることは構成上難しくなります。新しい単元の確認テストでは出題できる内容は限られています。そのため、週単位のテストでは並べ替えの問題はそれほど出題されず、全範囲に近いテストほど出題が増えます。

前置きが長くなりましたが、明治から昭和までというのは短い期間の間に多くの出来事があり、それぞれに関連性の深い出来事が多いです。ということは、並べ替えの問題が大変よく出ます。どんな問題が出題されるか見てみましょう。

)次の各問いのア~エを時代の古い順に並べ替え記号で答えなさい。

① ア.日露戦争 イ.日清戦争 ウ.八幡製鉄所の建設 エ.第一次世界大戦
② ア.三国干渉 イ.イギリスとの間で領事裁判権の撤廃に成功する ウ.日清戦争 エ.甲午農民戦争
③ ア.原敬が内閣総理大臣になる イ.ロシア革命 ウ.第一次世界大戦がはじまる エ.米騒動
④ ア.二・二六事件 イ.五・一五事件 ウ.満州事変 エ.日中戦争
⑤ ア.日中戦争 イ.第二次世界大戦の開始 ウ.国家総動員法 エ.太平洋戦争
⑥ ア.広島原爆投下 イ.長崎原爆投下 ウ.ポツダム宣言受諾 エ.ソ連が満州に侵攻
⑦ ア.サンフランシスコ平和条約 イ.中華人民共和国建国 ウ.韓国と北朝鮮が分離独立 エ.朝鮮戦争
⑧ ア.日本が国際連合に加盟 イ.日ソ共同宣言 ウ.日中共同声明 エ.沖縄が日本に返還される

)①イ→ウ→ア→エ ②イ→エ→ウ→ア ③ウ→イ→エ→ア
④ウ→イ→ア→エ ⑤ア→ウ→イ→エ ⑥ア→エ→イ→ウ
⑦ウ→イ→エ→ア ⑧イ→ア→エ→ウ

まず、①明治後半から大正時代におきた大きな戦争の並べ替えです。八幡製鉄所は日清戦争の賠償金でロシアとの戦いに備えてつくられたものですので日清と日露の間にきます。
②はイ・エ・ウは全て1894年の出来事です。特に、甲午農民戦争をきっかけに日清戦争がはじまったというのは基本知識のため、同じ年にもかかわらず並べ替え問題が成立する稀有な例です。
③は第一次世界大戦中にロシア革命が起き、シベリア出兵などをきっかけに米騒動になり当時の内閣が倒れ初の本格的政党内閣である原敬内閣ができたという一連の知識を問う問題になります。
④は満州事変から日中戦争への流れを聞く並べ替え問題ですね。
⑤は日中戦争から太平洋戦争への流れを聞く問題です。ここに、1940年の日独伊三国同盟を加えていく場合もあります。
⑥は1945年の並べ替えです。1945年は社会科において特別な年号で、この年だけで様々な並び替えが成立します。
⑦は1948年から1951年の並べ替えです。なんとなく朝鮮戦争を前に持ってきてしまいがちですね。
⑧は1951年と1972年の並べ替えです。日ソ共同宣言を結んだことで日本が国際連合に加盟できるようになったことと、沖縄返還で当時の佐藤栄作内閣がおわり、日中共同声明は田中角栄首相に代っていたことを確認できる問題です。

ここで大事なのは年号を丸暗記するだけで対応しないことです。年号を語呂合わせで覚えるのは有効な暗記手段ではありますが、それだけでは対応しきれません。あくまで、歴史の流れをつかんでおくことが重要です。良い問題であればあるほど、その流れを確認できるような問題を作ってきます。そもそも、今回挙げた並べ替えの年号はほぼ全て1900年代の出来事で全部語呂合わせでつくろうとすると同じような表現が続いてごちゃごちゃになってしまいますね。


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