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並べ替え問題で考える平成史

2019年4月30日で平成が終わります。元号が変わるなどということは、当たり前ですがめったに起こることではないうえに、元号が変わることが決まっているというのは初めての経験です。そのため、2019年の入試では元号、上皇といったあたりに注目が集まるのは当然です。そして、平成が終わるということは、平成を振り返る問題というのも出題される可能性が高いです。今回は、平成に起きた出来事の並び替え問題を想定して、平成を振り返りたいと思います。

1.1989年ベルリンの壁崩壊・冷戦終結(マルタ会談)→1990年ドイツ統一→1991年ソ連解体
もともと、冷戦終結からソ連解体に至る並び替えは頻出の問題ですが、1989年は平成元年ですので、平成史に含まれます。1989年は消費税導入、天安門事件(なお、天安門事件は高校入試でしか出題可能性はないです)と忙しい1年です。

2.1991年湾岸戦争→1992年PKO協力法→2001年アメリカ同時多発テロ→2003年イラク戦争
湾岸戦争はイラクがクウェートに侵攻したのに対し、多国籍軍がイラクを攻撃した戦争です。大量破壊兵器があるという疑いをかけてアメリカ・イギリスがイラクに侵攻したのが、イラク戦争です。どちらもイラクが関連してくる戦争のため、混同が発生しやすい戦争です。しかし、出題する側(大人)にとっては明確に区別ができる印象深い出来事です。
また、湾岸戦争で人的支援が行えなかった日本が自衛隊の海外派遣に踏み切ったのがPKO協力法です。ここで、初めて自衛隊を派遣した国がカンボジアというのも定番です。

3.1995年阪神・淡路大震災→2011年東日本大震災
平成は大きな震災が2度も起きています。阪神・淡路大震災ではライフライン、ボランティア、活断層、液状化現象といった言葉が一般に使われるようになりました。東日本大震災以降、南海トラフという東海・東南海・南海の三連動地震に備える動きがでてきています。
なお、偶然にもこれらの震災ではともに自民党以外が内閣総理大臣のときに起きています。阪神・淡路大震災のときは自民党と連立を組んでいた社会党・村山富市内閣でした。高校入試では55年体制という語句も学習していますので、阪神・淡路大震災は、55年体制の崩壊(非自民の連立政権が発足)以降の出来事であることが出題される可能性があります。東日本大震災のときは民主党・菅直人内閣で、2009年の政権交代以降に東日本大震災が起きていることがわかります。

4.1992年地球サミット(国連環境開発会議)→1997年京都議定書→2015年パリ協定
平成は地球環境問題、特に地球温暖化が大きな問題として認識されるようになりました。「持続可能な開発」をスローガンにブラジル・リオデジャネイロで行われた地球サミットは気候変動枠組条約(地球温暖化防止条約)などが締結されました。京都議定書では先進国に温室効果ガスの削減を義務付け、パリ協定では発展途上国も含めて温室効果ガスを減らす努力をすることが決められています。

5.1998年長野オリンピック→2002年サッカー日韓ワールドカップ
最後は国内で開催された大規模なスポーツイベントの並び替えです。もっとも、この2つだけでは並び替えをするのは難しいので、地域で開催されたイベント(代表的な例は2005年愛知万博)を織り込むか、1964年東京オリンピック、1970年大阪万博を含んで並び替えにするあたりが妥当かと思います。

まとめると、冷戦終結流れからテロとの戦いの流れ、環境と災害といったところが平成史の狙われどころではないかと考えます。


着工建築物数を見ながらデータの読み取りをする

最近の公立高校入試では必ずと言っていいほど統計資料などを使ってデータを読み取る問題が出題されます。これは、たくさんあるデータから、何が分かるかを知ることが重要な現代社会を踏まえた教育が行われているからです。
今回は「着工建築物数」というデータを見ながら、データの見方の話をしたいと思います。

この着工建築物数でわかることは、一言でいうとどれだけ建物がつくられているかということです。ちなみにこのデータをさらに分析すれば、どういう種類の建物が建てられているかやその大きさの区分なども分かりますが、今回は関係ありませんので、割愛します。

まず、グラフの①の期間を見ると、上下はあるものの全体として、着工建築件数は減少傾向にあることがわかります。グラフ上のピーク時に150万件程度だったのが、現在は60万件程度になっています。つまり、半減以下となっているわけです。
ここで、”グラフ上のピーク時”という言い方をしました。こういったグラフの問題のひっかけで「グラフからは高度経済成長期と比べると着工件数が減少傾向にある」といったものがあります。高度経済成長が終了したのは石油危機のあった1973年です。1975年にはじまるこのグラフでは高度経済成長期の着工件数が分かりませんので、比較のしようがないのです。

最近の推移に目を向けると②でやや大きなくぼみが見えます。これは、2008年です。前年に発生した世界金融危機の影響ですね。そして、③で大きく増加してますが、これは2012年です。おそらく、2011年におきた東日本大震災で破壊された建物の復興事業の影響ではないかと予測できます。

こういう時に、サブのデータとして推測を補強する他の資料が用意されていることがあります。

同じ着工建築物数の宮城県のデータです。2011年以降大きく着工建築物数が増えていることが分かります。全国と比較してみたときに、震災以降の増え方の幅が大きいですね。

同じ東北でも福島県と比べるとまた違いがあります。福島県は宮城県と比べて2011年、つまり震災当年の建築件数が増えていません。これは、福島第一原発事故の影響と予測されます。逆に、2012年に増えてから毎年同程度の建築数があります。これは、被災地への帰還事業が現在進められていることと無縁ではないと思われます。

データを読み取る問題はどうしても「見ればわかる」と考えてしまいがちですが、今の内容でも石油危機、世界金融恐慌、東日本大震災がいつおきたかが分かったうえで、それを知識だけではなく活用することが求められます。それが現在の社会科の問題です。


予習シリーズ社会解説 「6年上第15回 国土と環境」

日本列島は災害大国です。地震・火山・風水害・干害・冷害・雪害とあらゆる災害が日本列島に襲い掛かってきます。日本にとって防災は国を守るために欠かせないものなのです。当然ながら、入試において災害に関する問題は一大テーマです。
特に、2011年におきた東日本大震災は日本全体に大きな影響を与えました。実は、2012年入試の時、中学入試で震災に関する問題がものすごく出題される予測もありましたが、実際はほとんど出題されませんでした。影響が大きすぎて、出題にしにくかったのだと思います。逆に、ここ2,3年東日本大震災に関する出題が増えました。状況が落ち着いてきたことと、現在の受験生にとって東日本大震災はすでに過去の出来事になっていて、出題者にとっては「知ってて当たり前」というギャップが発生しており出題しがいがある内容になっているためと思われます。

冒頭ででてくる災害に備えて被害予測し避難に役立てるハザードマップは、ここ5年ぐらいで一気に「知っていて当然」レベルまで出題されるようになりました。
予習シリーズ157ページには日本の火山と主な地震が載っています。ここで、注意したいのは雲仙普賢岳です。雲仙普賢岳は1991年に大きな噴火があり、火砕流による大きな被害をもたらしました。来年度の入試では平成を振り返るテーマの問題が多く出題される予測をしています。そうすると、平成の災害を振り返る内容で雲仙普賢岳の登場頻度が高いと考えています。ここは、生徒に話す内容ではありませんが雲仙普賢岳噴火直後に天皇皇后両陛下が被災地にお見舞いにお見舞いに訪れており、新しい象徴天皇のありかたを示しました。そういった天皇の活動を振り返る映像で雲仙普賢岳が使われると出題する側としてはなんとなく出したくなるんですよね。1995年の阪神淡路大震災をふくめた並べ替え問題あたりもありかもしれません。

世界自然遺産は4つと数も少なくすべて覚えておく必要があります。ラムサール条約ナショナル・トラストはそれぞれ内容が説明できるようにしたいです。ラムサール条約の登録地は多いので、全てを覚える必要はありません。釧路湿原はまず覚え、藤前干潟(愛知県)、谷津干潟(千葉県)あたりまで拾っておきたいところです。

循環型社会に関しては3R(リデュース・リユース・リサイクル)といった内容は4年生で学習している内容ではあります。まぁ、それを覚えている生徒はほとんどいません。ただし、循環型社会については学校でもそれなりに力を入れて学習する単元ですので、すでに説明をされていることが大半です。ですので、時間を必要以上にかける必要はないかと思います。また、法律がいろいろ載っていますが、基本的に法律名は出ません。優先順位は低いです。

地球環境問題はオゾン層の破壊、酸性雨なども載っていますがやはり地球温暖化が重要です。ここは丁寧に説明しておくべきです。
地球環境を大切にしたいという気持ちは世界共通ですが、先進国と発展途上国の立場には違いがあります。上位校では「なぜ立場に違いがあるのか」といった記述問題が出題されます。授業では、先進国と発展途上国を擬人化して寸劇ををして説明しますが、確実にウケます。

環境の会議では1992年国連環境開発会議地球サミット)が特に重要です。「持続可能な開発」は現代社会のキーワードです。そして、最新キーワードであるパリ協定ですね。パリ協定の最大のポイントは発展途上国も含めたすべての国で温暖化対策に取り組むということです。今後、出題され続ける内容でしょう。

と、盛りだくさんの内容ですので、テキスト序盤の地形・気候をあらためて話す時間はほとんどありません。フォッサマグナはあまり出てきていないので、教えておきたいところですが、基本的には自分で勉強しておこうになりますね。下位クラスですと、つい「まず基本を固めてから」とか思いがちですが、これまで何回も学習した単元を短い時間で一気に復習して覚えられるぐらいなら苦労はありません。素直に、新しい内容を勉強するようにしましょう。どうせ、テストも新しい内容からの出題が多いです。割り切りが必要です。


中学入試プレイバック2017 「フェリス女学院中」

問 宮城県の海産物で、2014年に広島県に次いで生産量が全国2位のものはなんですか。(2017年フェリス女学院中)

かきフェリスを受験する生徒の大半にとって楽勝の問題です。答えは「かき」なんですが、この問題で紹介したいポイントは、宮城が2位に返ってきたことです。かきの養殖ランキングといえば、ずっと1位広島、2位宮城でした。しかし、2011年の東日本大震災で宮城をはじめとした東北地方太平洋岸の漁業は大きなダメージを受けました。他の学校の入試では、2011年より前のデータとそれ以降で比較し、生産量が落ち込んだ理由を説明させる問題も出題されています。
震災直後は回復は困難ともいわれていましたが、少しずつ回復し2014年に2位の座に返り咲きました。とはいえ、現在の生産量は約2万トンと震災前の約半分で復興途上であるといえるでしょう。

答 かき


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