「 製紙・パルプ業 」一覧

中学入試プレイバック2019 「ラ・サール中学」

なかなかいやらしく都道府県を説明した問題です。

Aは2つ政令指定都市があると説明されていますので、選択肢は2つ以上政令指定都市のある神奈川・静岡・大阪・福岡に限られます。神奈川県の川崎と横浜、大阪府の大阪・堺は南北に接しているので、当てはまりません。福岡県の北九州と福岡は北九州が県東部、福岡が西部にあるので逆です。

静岡県は浜松が県西部に、静岡が県東部にあります。自動車工業が盛んということも当てはまるので、Aは静岡県とわかります。ということはAの空らんに当てはまるのは「ピアノ」になります。楽器といえば浜松ですが、現在浜松市にあったピアノ工場の大半は周辺の都市や海外に移転しています。

Bはやや難解です。ポイントは製紙パルプ業が盛んだということです。製紙パルプ業といえば、静岡県富士市が定番ですが、静岡県はAなので違います。あと、製紙パルプ業の都市というと北海道苫小牧市ですが、文章から違うのは明らかです。製紙・パルプ業の生産が静岡県に次いで愛媛県が2位ということを知っていれば一発ですが、じゃあ愛媛県の製紙パルプ業の都市はどこと言われて答えられる受験生はほぼいないです(四国中央市)。愛媛県と製紙・パルプ業を関連付けする要素が少ない分なかなか思い出しにくいと思われます。むしろ、造船業が盛んな都市から、長崎・佐世保・神戸・呉(ちなみに呉は問題の別の部分で登場しています)・今治…今治のタオルだ!と思いついて答えるほうが楽でしょう。なお、文中に出てくる銅山は別子銅山で県東部の都市は新居浜市です。

なかなか文章の説明でひねりを入れた問題だなと思って見ていたのですが、その先にある問題で脱力しました。

こんなの、みかん確定じゃん。B愛媛、A静岡確定じゃん。途中の問題が別の問題のヒントになることはよくあるのですが、ラ・サール中ほどの難関中がこんな見え見えのヒントを出してはダメです。せっかく文章から推論をたてる問題をつくっておきながら、この表1つでぶち壊しです。

他にも全体的にリード文と設問が浮いている問題が多く、どうもここ数年ラ・サール中の問題は「難関校の問題としては」首をかしげる問題が多いですね。


製紙・パルプ業が盛んな都市

工業が盛んな都市は昔ほどではないにせよ、社会科では1つの入試テーマです。ただ、授業で取り上げられる工業都市は、比較的昔からそれぞれの工業で知られた都市が登場することが多く、実情とずれがあるのではないかと思い調査してみることにしました。今回は製紙・パルプ業についてです。

製紙パルプ業が盛んな都市ランキング(2014年「工業統計表」)

順位 都市名 都道府県 出荷額(百万円)
1位 四国中央市 愛媛県 528,387
2位 富士市 静岡県 384,819
3位 新潟市 新潟県 159,780
4位 苫小牧市 北海道 144,099
5位 春日井市 愛知県 132,239

紙社会の授業で製紙・パルプ業でよく触れられるのは静岡県の富士市です。富士市は富士山からの豊富な湧き水を利用した製紙業が古くから発展してきました。富士市も市の公式サイトで「紙のまち」とアピールをしています(富士市の工場夜景)。なお、ランキング6位に同じ静岡県の富士宮市があり、製紙・パルプ業の都道府県別のランキングでは静岡県が1位です。

そんな富士市を圧倒的に上回ったのは四国中央市です。……正直、「四国中央市」と言われて何県かわかる人は全国的にみて少ないですよね。愛媛県の左端にあり、高知・香川・徳島とほかの四国3県すべてと接している都市です。ちょっと名前で損しているような気がします。
四国で紙というと、どうしても高知県の土佐和紙になってしまうんですよね。入試で、四国中央市が出題されたことは見たことがありません。愛媛で工業都市というと、タオルで有名な今治が先に出てしまうんで割を食っている感はありますね。

4位苫小牧市、5位春日井市はともに製紙・パルプ業の最大手王子製紙の工場がある都市です。苫小牧にある工場は日本の新聞紙の約3割を製造しています。

実のところ、製紙・パルプ業はわりとイメージ通りに近いランキングでした。次回は意外なランキングを紹介したいと思います。


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