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予習シリーズ社会解説 「4年下第11回 米づくり~日本の農業(1)~」

予習シリーズ4年下はこの第11回から実に6回にわたって日本の農業を取り上げます。食というのは人間の生活の根源であり、地形環境などに左右される農業は受験社会としても出題の幅を広くとれ極めて重要な単元です。
特に、今回の単元で学習する米は言うまでもなく日本の主食で、日本文化の象徴の1つといえるでしょう。それを分かってもらうために、授業で「炊く前の状態は米というけど、炊いた後はご飯という。英語では両方ともriceだけど、日本語では使い分けている。なんで使い分けるかというとその必要があるからである。さらに、ご飯という言葉が食事のことを言うように米=食事といえるほど同じものとして見られている」という話をします。

まず、米作りの盛んな地域ですが、その前に今回の単元で覚える必要はそれほど高くありませんが、米はもともと気温が高く雨が多い熱帯の植物であることは知っておきたいです。本来熱帯の植物である稲を、今や冷帯の北海道で大量に生産していることでどれだけの工夫が行われてきたかを感じることができるからです。
米作りが盛んな地域ですが、ぜひここで秋田平野・庄内平野・仙台平野・越後平野石狩平野上川盆地といった地形名を覚えたいです。第9回で触れている内容でもありますし、入試で直結する知識になります。なお、新潟県と北海道は米の生産1位・2位を争っており、時折順位が入れ替わります。ですので、どちらかが1位というよりセットで覚えてしまえばよいです。ついでに秋田県が3位(わりとこれは固定されています)も知っておきたいです。

米作りの流れといえば
育苗→田起こし→代かき→田植え→中干し→稲刈り→乾燥
という並べ替え問題です。田起こし・代かきではトラクター、稲刈りではコンバインが使われることも写真付きで確認します。ただ、ここで気を付けないといけないのは都心部を中心に田んぼをみたことがない生徒がいることです。じゃあ、なにができるかといえば困るのですが田んぼぐらい見たころあるだろうと思って授業をして違う反応をされると焦るので心構えだけはしておきたいです。まじめな話、受験で合格するには多様な知識と考え方が必要になるので、保護者の方には子どもたちにいろんなものを見せてやってほしいです。

食生活の多様化により米の消費が減っているというのは先々記述の定番になりますが、感覚的に子どもたちもわかるのでそれほど難しくはありません。

この単元でそれほど出題されることではありませんが、学習を深めるページの水田のはたらきは重要です。環境と食に関するテーマは現在の入試で頻出です。
①水をたくわえる
②洪水を防ぐ
③きれいな水を作り出す
④夏の暑さを和らげる
⑤生き物の住みかとなる
と多様な働きがあります。このあたりの1つ2つは答えられるようにしておきたいです。

棚田の再評価が進んでいる話も入試で最近見かけます。今回の単元では言葉だけ覚えておけばいいですが、「都会の人に棚田の良さを知ってもらうために田植え・稲刈り体験のイベントを開催する」といった保存への取り組みは記述問題で登場することもあります。


大豆の収穫量の多い市町村ベスト20

今回は大豆の収穫量の多い市町村の紹介です(2017年)

順位 自治体名 生産量(t) 地形名
1 北海道 音更町 6,560 十勝平野
2 北海道 長沼町 6,540 石狩平野
3 北海道 岩見沢市 5,910 石狩平野
4 北海道 士別市 5,540 上川盆地
5 佐賀県 佐賀市 4,740 筑紫平野
6 北海道 帯広市 4,400 十勝平野
7 北海道 美唄市 4,180 十勝平野
8 北海道 芽室町 3,900 十勝平野
9 北海道 剣淵町 3,280 上川盆地
10 宮城県 大崎市 2,850 仙台平野
11 宮城県 石巻市 2,790 仙台平野
12 福岡県 柳川市 2,760 筑紫平野
13 佐賀県 白石町 2,410 筑紫平野
14 宮城県 登米市 2,190 仙台平野
15 新潟県 新潟市 2,180 越後平野
16 北海道 士幌町 2,110 十勝平野
17 新潟県 長岡市 2,100 越後平野
18 岩手県 奥州市 2,080 北上盆地
19 滋賀県 東近江市 1,970 近江盆地
20 北海道 上富良野町 1,960 上川盆地

結果としては、北海道音更町が小麦に続いて1位になりました。
同じ畑作の小麦と比べると、石狩平野・上川盆地・筑紫平野・仙台平野・英語平野といった稲作地帯がランクインしているのが特徴です。これは、稲作だった土地を転作して大豆を生産するようになったところが多いためです。
数値を見ると分かるように自治体ごとの数値差は小さく毎年順位は変動します。そういう意味では入試に出しにくい作物といえるでしょう。


水稲収穫量の多い市町村ベスト20

いつも工業のデータばかり紹介していたので、しばらく農業のデータを紹介したいと思います。まずは、日本人の主食である米からです。実際の入試では市町村名は出題されないので、どの平野・盆地に位置しているかを書いておきました。

水稲収穫量の多い市町村(2017年)

順位 都道府県 市町村 収穫量(t) 平野・盆地名
1 新潟県 新潟市 133,700 越後平野
2 秋田県 大仙市 73,700 横手盆地
3 山形県 鶴岡市 64,300 庄内平野
4 新潟県 長岡市 62,400 越後平野
5 秋田県 横手市 61,900 横手盆地
6 秋田県 大潟村 60,900 八郎潟干拓地
7 宮城県 登米市 58,800 仙台平野
8 新潟県 上越市 57,500 高田平野
9 岩手県 奥州市 55,000 北上盆地
10 宮城県 大崎市 54,900 仙台平野
11 宮城県 栗原市 52,400 仙台平野
12 青森県 つがる市 48,500 津軽平野
13 山形県 酒田市 44,800 庄内平野
14 富山県 富山市 44,000 富山平野
15 岡山県 岡山市 43,900 岡山平野
16 福島県 郡山市 43,800 郡山盆地
17 新潟県 新発田市 43,500 越後平野
18 岩手県 花巻市 40,600 北上盆地
19 北海道 旭川市 37,500 上川盆地
20 北海道 岩見沢市 37,000 石狩平野

見ての通り、名だたる米どころが並んでいます。トップの新潟市は政令指定都市でありながら、圧倒的な1位です。越後平野といえば、かつては湿田だった土地を暗きょ排水により乾田に改良し、農業機械(コンバインなど)が導入しやすくなったこと、冬は雪が降るので農業ができない水田単作地帯というあたりが入試でもおなじみです。

仙台平野・庄内平野といった入試でも頻出の地形名が並んでいますが、市町村名に聞き覚えのない都市がいくつかあります。奥州市や大仙市など平成の大合併で市町村名が変わった都市が多いためです。

ちょっと意外なのが、岡山市です。瀬戸内はもともと雨が降らないので稲作のイメージがあまりないんですよね(実際岡山県は18位)。ただ、県南部にある岡山市は、北部にある山地でそこから高梁川などの河川により水が供給され、日照時間も長いので米作りがしやすい環境です。
あと、言われてみれば岡山で農業といえば三大干拓地の1つである児島湾があるんですね。児島湾の地域は、岡山市に含まれる部分も多いため岡山市が上位に入ってくるのも納得です。


予習シリーズ社会解説 「5年上第14回 中部地方」

地方別地理、最大の山場である中部地方の登場です。中部地方は中央に日本アルプス(飛騨山脈・木曽山脈・赤石山脈)があり、そこから流れる多くの川があり、それによって形成される盆地・平野が広がっています。これらの地形と産業を重ねて覚えるのが基本になります。

越後平野…信濃川・米の単作地帯・コシヒカリ・暗きょ排水
長野盆地…りんご・ぶどう
野辺山原…高原野菜(レタス)
甲府盆地…ぶどう・もも・扇状地・富士川(三大急流)
牧ノ原…茶
渥美半島…豊川用水・電照菊
濃尾平野…輪中・木曽川・愛知用水・知多半島

と、もりだくさんでこれだけで問題がつくれるレベルですね。

中部地方と言えば、中京工業地帯に代表される工業が盛んな地域でもあります。ここでは航空機産業について触れておきたいです。この地域では、かつて零戦など戦闘機の開発が行われていました。現在、愛知県では初の国産ジェットであるMRJを開発しています。

長野県諏訪湖周辺の精密機械工業も初登場ですね。かつては、製糸業がさかんで多くの製糸工場と桑畑がありました。豊富な水と澄んだ空気が精密機械工業に適しており、諏訪周辺は「東洋のスイス」と評されました。製糸業→精密機械工業→電子工業の移り変わりは日本の工業の変化そのものでもあるので、押さえておきたいポイントです。

中部地方の世界遺産は白川郷・五箇山の合掌造り集落1つということもあり、大きなポイントになりません。ただ、合掌造り集落は岐阜県と富山県にまたがっていることは注意すべきです。どうしても、白川郷に目が行きがちで、五箇山の存在が忘れられがちでそういったところが狙われます。

ややマニアックですが、交通では中央自動車道を触れておきたいです。ポイントはそのルートですね。東京を出て神奈川県をかすめて山梨→長野→岐阜→愛知というルートを通ります。いわゆる旧中山道です。
あと、上越新幹線関越自動車道は他の高速道路や新幹線と比べると覚えにくいので意識して覚えるさせるようにしたほうがいいですね。


予習シリーズ社会解説 「4年上第13回 雪の多い地方のくらし」

平成23年 125名
平成24年 138名
平成25年     92名
平成26年 108名
平成27年   49名

この人数は内閣府が発行している「防災白書」に記載されている雪害による死者・行方不明者の数です。予習シリーズでは雪から家を守る工夫について、多くの記載がされています。しかし、中学受験の中心地は、それほど雪が降らない地域が多く雪の害というもののイメージがわきません。年間を通して風水害(台風や洪水)と同程度の人的被害がでていることを数値で示すことで生徒にその対策の重要性を伝えるようにいつも工夫しています。

新潟県の越後平野と、そこを流れる日本で一番長い川である信濃川は社会科の基礎知識です。今回は触れられませんが、コシヒカリなど日本を代表する稲作地帯であることは触れておきます。

そもそも、子どもたちにとって一番雪が降る地域のイメージは北海道です。理由は簡単で一番寒いのは北海道だからです。そのため、新潟県が一番降雪量が多いというだけで純粋に子どもたちは驚きます。越後平野の降水量が多い理由を説明するときに、前回登場した高知平野の図を参照すると理解しやすいです。日本海対馬海流・北西の季節風といったあたりは定番のキーワードですね。

雪から家を守る工夫については、予習シリーズに使われている写真・図をフル活用します。板書中心に話をするのではなく写真をみて、どのような対策があり効果があるのかを知ることが重要です。多くの写真資料が掲載されている予習シリーズの面目躍如です。入試でも、縦向きになっている信号や急な屋根の家の写真を使って、どの地域の写真でどんな対策のため(この場合、雪害)の工夫がされているかを記述させる問題が登場します。

ところで、予習シリーズでは最初に雪国の信号は縦になっていることが多いことが掲載されています。最近の信号はLEDに変わりつつありますが、LEDは熱を発しないために冬に雪が信号を覆ってしまい見えなくなるという問題が起きています。ここで、授業をするときに気を付けなければならないなと思っているのは、子どもたちにとって電球が珍しくLEDが普通になりつつあるのではないかということです。LEDの説明よりも昔は熱を出す電球というものが使われていたという説明が必要ではないかという時代の変化はおそろしいですね。


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