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予習シリーズ社会解説 「4年上第13回 野菜とくだものづくり」

社会科で野菜づくりといえば
促成栽培…冬でも暖かい気候を生かして普通より早い時期に栽培する。
高知県のなす、宮崎県のピーマンが有名
高冷地農業…夏でも涼しい気候を生かして葉野菜を栽培する。
長野県・野辺山原のはくさい、群馬県・嬬恋村のキャベツ
近郊農業…大都市に近い地域で、時期に合わせた作物を栽培する。
千葉県・茨城県などでとくにさかん
という3種類に分けることができます。この3パターンはこれからも定番で登場します。
また、時期をずらして栽培を行う理由は「ほかの時期をでとれない時期に生産することで高い値段で出荷できる」、促成栽培の利点は「消費地に近いので新鮮なまま運べ輸送費もかからない」という記述問題も定番と言えるでしょう。

76ページ下には東京に出荷される月別の産地がわかるグラフがあります。ここからは、時期によって産地を選んで入荷していることを読み取りたいです。テストでは夏の産地が空らんで群馬県と答えさせる問題もありそうです。

次に野菜・くだもののおもな産地が地図で示されています。
野菜では上で紹介したものに加えて、北海道のたまねぎ、愛知県のキャベツを覚えておきたいです。ちなみに、千葉県・茨城県は多様な作物で上位に顔を出しすぎるので、特定の作物を覚える必要性は薄いです。

くだものの中ではみかんが長年生産量1位を続けてきました。しかし、近年では消費者がいろんなくだものを食べるようになったこと、オレンジなどのライバルが多いことからみかんの生産量は減少しており、年度によってはりんごに負ける年もあります。

1位 2位
みかん 和歌山 愛媛
りんご 青森 長野
ぶどう 山梨 長野
もも 山梨 福島
おうとう 山形

くだものは出題方法がはっきりしているので確実に点数にしていきたいところです。


キャベツの収穫量の多い市町村ベスト20

都道府県単位では、愛知県と群馬県が毎年1位争いをしている農作物がキャベツです。キャベツの旬は本来冬ですが、品種改良や夏に高原で栽培することで一年中食べることができる作物になっており、厳密な意味では旬がない作物といえます。

順位 都道府県 市町村 季節 収穫量(t)
1 群馬県 嬬恋村 夏秋 228,700
2 愛知県 田原市 冬春 135,600
3 千葉県 銚子市 冬春 86,200
4 愛知県 豊橋市 72,800
5 神奈川県 三浦市 冬春 39,040
6 岩手県 岩手町 夏秋 16,900
7 神奈川県 横須賀市 冬春 16,250
8 長野県 南牧村 夏秋 11,600
9 兵庫県 南あわじ市 冬春 11,170
10 神奈川県 横浜市 春夏秋冬 10,710
11 群馬県 長野原町 夏秋 9,620
12 長野県 佐久市 春夏秋 8,786
13 千葉県 旭市 冬春 7,960
14 大阪府 泉佐野市 冬春 7,208
15 千葉県 野田市 冬春 6,620
16 福岡県 北九州市 冬春 6,530
17 兵庫県 神戸市 冬春 6,330
18 和歌山県 和歌山市 冬春 6,190
19 熊本県 八代市 6,080
20 長野県 小諸市 春夏秋 6,024

おそらく入試で最もでる「村」、それが高冷地農業で有名な群馬県嬬恋村です(かつては、日本で最初の原子力発電所がつくられた茨城県東海村も入試に出る村でしたが、福島の原発事故以降、東海村の出題頻度は下がっています)。農産物の生産地で特定の地方公共団体名が出てくること自体が珍しいのですが、こうやって数値でみるとそれも納得できます。浅間山のふもとにある嬬恋村は温泉やスキー場といった観光資源も豊富です。

2位の田原市は渥美半島にある市町村で、日本で最も農産物の生産額が多い市町村です。伝承菊も有名です。3位銚子市はだいこんでも上位に入ってきていました。社会科では銚子港のイメージが強いですが、近郊農業も盛んなことが分かります。

意外なのが、横浜です。横浜市は広いですし、近くには近郊農業の一大拠点・三浦半島があるのでランキングに入ってくることはそれほどおかしくないのですが、すごいのは生産時期が一年中だということです。高原野菜の季節である夏秋キャベツでも1,000tを超える生産量があるキャベツの一大拠点です。


はくさいの出荷量が多い市町村ベスト20

今回は冬の鍋の定番、はくさいの出荷額ベスト20です。鍋の定番ということで分かるようにはくさいの旬は冬ですが、夏でも涼しい気候を生かす高冷地農業で現在は夏でも生産されています。

はくさいの出荷量が多い市町村ベスト20

順位 都道府県 市町村 季節 収穫量
1 茨城県 八千代町 秋冬春 65,400
2 長野県 南牧村 春夏 57,230
3 茨城県 結城市 秋冬春 47,730
4 長野県 川上村 春夏 41,390
5 長野県 小海町 春夏 27,760
6 茨城県 古河市 秋冬 20,200
7 茨城県 坂東市 秋冬春 18,520
8 長野県 佐久市 春夏 13,680
9 兵庫県 南あわじ市 秋冬 12,900
10 茨城県 常総市 秋冬 12,700
11 長崎県 島原市 12,300
12 鹿児島県 曽於市 秋冬 11,100
13 長野県 小諸市 春夏 10,760
14 茨城県 坂東市 秋冬 10,600
15 長野県 南相木村 春夏 8,719
16 愛知県 豊橋市 秋冬 8,480
17 茨城県 下妻市 秋冬 7,340
18 岡山県 瀬戸内市 秋冬 7,260
19 大分県 日田市 秋冬 6,190
20 群馬県 長野原町 5,920

都道府県単位でみると茨城県(都道府県別1位)と長野県(同2位)が激しく上位を争っています。今、「激しく」といいましたが、季節を見てわかるように両者では栽培時期が異なります。長野県は前述した夏に出荷が多く、茨城県では本来の旬である秋冬の出荷が中心で、いわゆる近郊農業です。

茨城県上位の八千代町・結城市・坂東市・古河市はいずれも県西部にあり、東京に出荷しやすい場所に位置します。
長野県の南牧村・川上市・小海町は、八ヶ岳ふもとの野辺山原に位置する、教科書通りの高冷地です。

野菜は新鮮さが求められるので、関東周辺に集中しつつも大分・鹿児島・岡山の西日本にも上位の都市がありますね。

 


だいこんの生産が多い市町村ベスト20

春の七草といえば、「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」です。その中のすずじろはだいこんのことです。旧暦の春ということで、今の季節でいえば冬になり、だいこんはどちらかというと冬の食べ物になります。しかし、栽培品種や栽培地域を変えることで、現在では一年中食べることができます。農林水産省の統計では「春だいこん」「夏だいこん」「秋冬だいこん」と分類されます。ちなみに、秋冬だいこんは煮物に向いていますが、春だいこんは生食、夏だいこんは炒めて調理するのもよいようです。

だいこんの生産順位を都道府県単位でみると北海道・千葉・青森あたりが1位争いをしている作物です。これといった傾向があるわけではなく、それほど入試で出題されるわけではありません。
それでは、市町村単位でみてみましょう。今回は、季節ごとに分類されていた数値を合算したものを紹介します。どの季節に栽培されているかも表記しました。

順位 都道府県名 市町村名 季節 出荷量
(t,2016年)
1 神奈川県 三浦市 秋冬 68,600
2 千葉県 銚子市 春秋冬 56,400
3 長崎県 島原市 春秋冬 32,000
4 新潟県 新潟市 秋冬 24,500
5 徳島県 鳴門市 秋冬 16,300
6 千葉県 市原市 春秋冬 15,300
7 北海道 留寿都村 14,500
8 北海道 帯広市 14,200
9 鹿児島県 大崎町 秋冬 13,700
10 青森県 おいらせ町 夏秋冬 13,410
11 長崎県 雲仙市 春秋冬 11,970
12 千葉県 旭市 8,900
13 青森県 六ケ所村 8,800
14 北海道 真狩村 8,500
15 北海道 幕別町 7,930
16 青森県 三沢市 春夏 7,630
17 和歌山県 和歌山市 秋冬 7,200
18 岐阜県 郡上市 7,160
19 北海道 恵庭市 夏秋冬 6,910
20 北海道 標茶町 6,570

都道府県単位では上位にいない神奈川県の三浦市が1位でした。「三浦だいこん」とよばれる品種があるほど有名ない地域ですが、災害への強さなどを理由に現在では三浦だいこんはほとんど栽培されていないようです。
三浦市が秋冬だいこんだけで1位になっているのに対し、2位銚子市は秋冬2位、春1位と長い期間だいこんを栽培していることになります。三浦市も含めて、典型的な近郊農業の都市ですね。

夏だいこんは北海道をはじめ、涼しい地域の独壇場です。もともと、冬の作物だから当然といえば当然ですね。


予習シリーズ社会解説 「5年上第16回 関東地方」

地域別地理も後半戦、関東地方です。ところで、予習シリーズを制作している四谷大塚は関東地方の会社です。予習シリーズは全国の中学入試で通用できるようにつくられていますが、どうしても関東地方は地元目線で編集されているのも事実です。予習シリーズ以外のテキストにも当てはまるのですが、関東地方に関する記述は他の地域に比べて少し細かいです。
具体的には武蔵野(火山灰地の土である関東ロームは出題されます)、狭山(埼玉県)の茶、荒川、多摩川、鬼怒川、八木沢ダム、幕張新都心、三番瀬あたりは関東以外ではあまり出題されないですね。

関東地方自体、日本最大の平野である関東平野と流域面積日本一の利根川があるため比較的平坦な土地が広がっています。そのため、覚える地形は少ないです。利根川に関しては水郷地帯・早場米・銚子港といった関連語句があるため合わせて覚えておきましょう。ただ、九十九里浜(千葉県)は砂浜海岸の代表格として登場させやすいので注意が必要です。

関東地方の農業といえば、大都市周辺で行われる近郊農業でしょう。とくに茨城県と千葉県は数多くの野菜でランキング上位に入ってきます。促成栽培で育てるピーマンから、高冷地農業で育てるキャベツまで季節に合わせて野菜づくりが行われるので、特定の品目は意識せず、いろいろな野菜で登場するという認識で十分です。
工芸作物で千葉県のらっかせい、群馬県のこんにゃくいもというのは定番です。ですが、最近の入試でこういう単純知識が好まれるかというと微妙ですね。まぁ、都道府県を特定するキーワードとしては知っておきたいところです。

工業は京浜・京葉・関東内陸の3つの工業地帯・地域が集中しているエリアなので当然入試では出題されます。実のところ、すでに以前の回で学習自体は済んでおり、これらについて新たに覚えることが特にあるわけではありません。千葉県の野田・銚子でしょうゆの生産が盛んというのは触れておきたいですね。
鹿島臨海工業地域は初登場ですね。鹿嶋市と漢字が違うので注意が必要です。ただ、鹿嶋市と神栖市を厳密に区別する必要性はそれほど高くないです(茨城県の学校を受験する人は別です)。

関東地方最大のトピックスは東京が日本の首都であるという当たり前の事実です。予習シリーズでは東京を中心に交通網が整備されている地図が載っています。当然重要な内容ですが大半が、中部地方で話した内容でもあるので生徒の習熟度をみて説明し直すか、簡単に触れるだけかは選びますね。

東京にまつわる人口問題は、今後人口減少がおきる日本において入試にも直結する重要なテーマです。これまでの人の流れを理解させる必要があります。

高度経済成長期:農村部から大都市に人口が流入(過密

~バブル期:都市問題などにより都心部の人口が周辺都市に移る(ドーナツ化現象

現在:都市の再開発で都心部への回帰がみられる

予習シリーズには関東地方の昼夜人口比率が載っています。昼夜人口比率というのはその地域に住んでいる人口を100としたときに昼間の人口がどれだけいるかをあらわしたものです。東京都が120近くあり、周辺の千葉県・埼玉県・神奈川県が90前後になっています。まず、なぜそうなっているのかを記述させる問題は定番です。「周辺の県から東京都に通勤・通学しているから」というのが答えです。
さらに、大事なことはこの数値は異常値だということです。大阪圏・名古屋圏でも似た現象はありますが、大阪府・愛知県でも105前後にとどまります。また、90前後の県は他に奈良県だけです。つまり、この昼夜人口比率が書かれているだけで東京都とその周辺の県について書かれていることが分かるということです。


市町村別農業産出額が多い都市

市町村別農業産出額ランキング(2015年)

都市名 都道府県 生産額(千万円)
1位 田原市 愛知県 8,204
2位 鉾田市 茨城県 7,203
3位 都城市 宮崎県 7,197
4位 新潟市 新潟県 5,721
5位 別海町 北海道 5,706

トラクター今回は市町村別の農業産出額ランキングを紹介します。
全国1位の愛知県田原市は渥美半島のほぼ全域を占める都市です。渥美半島は電灯をあてることで出荷時期を調整する電照菊で有名な地域です。また、愛知県はキャベツの生産が全国有数で、田原市はその生産拠点となっています。

茨城県鉾田市はメロンの栽培が日本一で知られる街です。ただ、ランキング2位となっている要因は、いも類・野菜でともに市町村別のランキング1位です。全国的には鹿児島が1位のかんしょ(さつまいも)と、北海道が1位のばれいしょ(じゃがいも)の生産がともに盛んなところが近郊農業のさかんな茨城県の本領発揮といったところです。

宮崎県で農業というとピーマンなどの促成栽培が最初に思い浮かびますが、宮崎県都城市は畜産が盛んな街です。肉用牛1位、豚1位、ブロイラー3位と畜産王国であることが分かります。

新潟市はイメージ通り米の生産が全国1位です。北海道の別海町はそもそも耕地面積が約60000haと全国1位です。そして、その広い高知の大半を乳用牛の飼育にあてている酪農王国です。


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