「 食料自給率 」一覧

予習シリーズ社会解説 「4年下第17回 食べ物は日本でつくられる?」

6回にわたった農業単元の最後は日本の農業の特色についてです。

食料自給率は入試でも頻出のテーマです。国内消費量÷国内生産量×100(%)で掲載できることは知っておきたいですね。数値面で、覚えておきたいことは、全体の自給率が約40%、米は100%だが穀物だと30%弱、野菜が8割、肉と果物が半分、小麦が約15%、大豆が5%であること。そして、全体的に低下傾向にあることです。
特に、小麦・大豆は頻出で低いほうが大豆とわかっている必要があります。

食料の輸入が増えた理由は、「食生活の多様化(洋風化)」「海外のほうが価格が安い」という2点は抑えておきたいです。貿易の自由化については安易に深入りしないほうがいいでしょう。

輸入農産物の課題というと「安全性のチェックがしにくい」「相手国の事情で輸入できなくなったとき食料が不足する」といったあたりが定番です。ただ、実際のところ、そこまで単純化できるものではないのか、最近の入試で問われるイメージは薄いです。国内なら安全、海外は不安と取られてしまいかねない内容ではあると思います。

日本の農家の規模が約2haというのは、知っていても損はない知識です。ただ、入試でピンポイントで聞かれるかといえばそうでもないかと。ただ、日本の農業規模がどの程度かは感覚として知っておきたいです。農地の減少に対して農家の戸数の減少が大きいので、一戸当たりの農地面積は増加しています。

農業の分類といえば、専業農家と兼業農家です。しかし、現在では8割以上が兼業農家のため、販売農家自給的農家という新しい分類が使われています。ただ、専業・兼業は一般用語として使われるので、区別して覚えておきましょう。
ここで意外と大事なのは高齢者が65歳以上だということです。

農業のはたす役割、これからの農業は?といった内容は太字の語句がないため一見重要ではなさそうに見えます。しかし、農業の果たす食料生産以外の役割を答える記述問題がありますし、これからの農業の工夫についての記述問題も多く、先々重要です。授業では、きちんと時間をとって説明します。
特に、農家が生産した作物を自分たちで加工、販売まで行うことを6次産業といって入試問題での出題例もあります。


食料自給率の高い都道府県、低い都道府県

食事食料自給率とは、その国で消費している食品のうちどれだけを自国で生産しているかを表したデータです。現在日本全体の食料自給率は約4割で先進国ではかなり低い部類に入るとされています。今回は、都道府県別の食料自給率を見てみましょう。

都道府県別の食料自給率(平成26年カロリーベース)

上位 下位
1位 北海道 207% 43位 京都府 12%
2位 秋田 191% 44位 埼玉県 11%
3位 山形 142% 45位 大阪府 2%
4位 青森 124% 46位 神奈川県 2%
5位 岩手 111% 47位 東京都 1%

なんとなく予想したメンバーが並んでいますね。上位5道県はいずれも北海道・東北地方で、主要穀物である米の生産が多い都道府県です。米の生産で北海道と1位争いをする新潟は今回6位で105%でした。食料自給率100%を超えている都道府県はこの6つのみです。東京に至ってはデータのある平成10年以降常に1%です(データは整数まで表記されていないので実際は0%台なのかもしれません)。
下位は東京を筆頭に東京・大阪の大都市圏の都府県が並んでいます。

これだけ見ると、日本の食糧事情が危機的状況にあるのではないかと思いがちです。そこで、次のデータを見てみましょう。

都道府県別の食料自給率(平成26年生産額ベース)

上位 下位
1位 宮崎県 277% 43位 京都府 21%
2位 鹿児島県 250% 44位 埼玉県 21%
3位 青森県 223% 45位 神奈川県 12%
4位 北海道 208% 46位 大阪県 5%
5位 岩手県 176% 47位 東京都 4%

先ほどのデータは食料自給率の計算する数値をカロリーでだしたものでした。それに対して、こちらは数値を農作物の生産額で出したものです。なんと、宮崎・鹿児島の九州2県が上位に躍り出ています。しかも、自給率で250%超えです。なぜ、このような変化が起きるのでしょうか。
宮崎・鹿児島の共通点は畜産が盛んだということです。実は、食料自給率の計算をするとき家畜の飼育に使われた輸入飼料は自給率から除外されています。このため、畜産物の自給率はカロリーベースでは16%しかありません。しかし、飼料作物はカロリーは高いですが、価格は安いです。生産額ベースになると輸入飼料の割合が下がり畜産物の自給率が63%まで上がります。
また、カロリーベースでは小麦・油脂類といった日本では生産がしにくいもの(当然自給率は低い)が、カロリーが高いため自給率計算でそれぞれ1割ずつをしめています。ですが、生産額ベースではこの2つを合わせても全体の5%と比重が大きく下がります。逆に、日本で自給率の高い野菜はカロリーが低く、価格力はあるため、カロリーベースでは全体の5%しか占めていませんが、生産額ベースでは20%近くになります。
(データはこちらかみれます)

結果として、生産額ベースで日本の自給率は平成26年で68%です。つまり、食料自給率の話をするときによく出てくる「食卓の半分以上は輸入食品」という言い回しは不正確ということです。もともと、食料自給率の計算をするとき国際的には生産額ベースで行うのが一般的なようです。では、なぜカロリーベースを公表しているかという話は割愛しますが、1つのデータだけで物事を見る危険性を教えてくれる話です。


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